ビジネス
サムスン、50度の猛暑でも実力発揮…サウジのモスクにHVAC1000台供給
サムスン電子は19日、サウジアラビアの首都リヤドやラマなど8つの主要都市にあるモスク100カ所余りに、高効率の冷暖房空調(HVAC)ソリューション約1000台を供給すると明らかにした。 供給製品は円形構造のシステムエアコン「360カセット」だ。宗教施設の空間特性を考慮し、空間全体に均一な冷房と静かな運転性能を提供すると同社は説明した。 サウジのモスクに天井型システムエアコン「360カセット」が設置された様子(写真=サムスン電子) ◆ 角形ではなく円形……宗教施設の特性に合わせた設計 サムスン電子はこの製品に、従来の角形ではなく円形デザインを世界で初めて適用したと明らかにした。製品パネルにはイスラムの伝統文様を反映した。内部インテリアや建築様式との調和が重視される宗教施設である点を考慮した設計だという。 業界では、宗教施設の受注では性能仕様だけでなく、その空間が持つ文化的意味への理解が契約成立の要因になるとの見方が出ている。設備の外観が礼拝空間の雰囲気と合わなければ、性能が優れていても発注先に選ばれにくいという。 円形構造は四方に向かって均等に風を送り出す形だ。特定の方向に冷気が偏る現象を抑え、広い礼拝堂のどの席でも同程度の温度を維持するのに有利と評価されている。 デザイン変更が見た目にとどまらず、冷房の均一性という機能改善と結びついている点で、形状と性能を同時に設計した事例とみなされている。 低騒音設計も適用された。祈りと黙想が続く礼拝空間では、機械音が敏感な要素になることを反映したものとみられる。 イスラムの伝統文様を製品に反映したのは、発注先である宗教施設の運営主体の要求水準に合わせた対応と解釈される。設備が礼拝堂の天井に露出するため、外観が契約条件の一つとして扱われた可能性があるとの見方もある。 供給規模はモスク100カ所余りに1000台余りで、1カ所あたり平均10台ほどになる。業界では、個別施設への納品というより都市単位のプロジェクト受注に近い性格と評価されている。冷房設備を空間構成の一部として組み込んだ現地向け設計が、大型受注につながったという分析だ。 ◆ ブースターファンと50度耐熱……高温・開放構造に対応 サウジのモスクに天井型システムエアコン「360カセット」が設置された様子(写真=サムスン電子) モスクは天井が高く、内部が開放された構造だ。一般的な天井型エアコンは、風向きを調整する羽根であるブレードに気流がぶつかり、勢いが失われる。冷気が遠くまで届かず、機器の真下に落ちるため、天井の高い空間では冷房効率が低下するとの指摘があった。 冷房負荷も大きい。外気温が高い地域では室内外の温度差が大きくなり、同じ面積でもより大きな冷房能力が求められる。開放型構造と高温気候が重なる条件で、均一な冷房を実現することが今回の供給における技術的課題だったと分析されている。 サムスン電子は、特許取得済みの「ブースターファン」技術で対応した。ブレードによる気流損失を減らし、冷気を水平方向に広く遠くへ送る技術だ。天井の高い開放型構造のモスクでも、冷気を空間全体に均等に届けられると同社は説明している。天井設置構造により、床面空間の活用度も高めた。 ブースターファンは、冷たい空気を水平方向に長く押し出し、空間全体に広げる方式で作動する。冷気が機器の真下だけにとどまる従来方式の限界を補う技術と評価されている。 室外機は外気温50度超の環境でも安定した冷房性能を発揮するよう設計された。夏季の気温が極端に上がるサウジの気候条件を考慮した仕様だ。冷房稼働時間が長い現地の特性上、高効率設備は施設運営費の削減要因になるとの分析もある。 冷房稼働時間が長くなるほど、施設が負担する電力消費コストも増える。同じ性能をより少ない電力で実現する高効率設備が、施設管理主体の選択基準になる背景でもある。 高温環境で実証された供給実績は、今後の中東や高温地域での受注において参考事例として活用される可能性も指摘されている。 ◆ 6月の現地MOU……交通・教育に続き宗教施設へ拡大 サムスン電子は先月、モスクの改修事業を進める現地パートナー「ゴルス・チャリティ」と業務協約(MOU)を締結した。同社は今回の供給を機に、サウジ国内のモスクを対象とした供給協力を継続的に拡大していく計画だと明らかにした。 …
Read more「売ったり買ったりするな」崔泰源会長、ハイニクス右肩上がりに確信
SKグループの崔泰源会長は、急騰急落を繰り返すSKハイニックスの株価について「時間を置けば右肩上がりになる」と述べ、長期保有を勧めた。崔会長は17日、済州・西帰浦で開かれた大韓商工会議所の夏季フォーラムのAI対談で「売ったり買ったりせず、そのまま持っていればいい」と語った。 この発言は、SKハイニックスの株価をめぐる質問に答える中で出た。同行の株価は最近、連日大きく変動している。崔会長は「メモリー需要が増えているので、SKハイニックスとサムスン電子の株価が上がっている」とし、「メモリーは今後も継続して必要なため、時間を置けば右肩上がりになる」と答えた。 崔会長は相場の変動を過度に解釈しないよう線を引いた。彼は「株価は現象をそのまま反映しない」とし、「見通しが良くなれば上がり、少し違うと思えば急に落ちることもある」と述べた。「あまりに早く上がりすぎると、現実がそれに適応していくこともある」との見方も示した。 株価が業績や業況より先行することがある点を指摘したものだ。期待が先に価格へ織り込まれ、現実が後から追いつく局面では調整が避けられないという意味にも受け取れる。急騰急落そのものを異常なシグナルと見る必要はない、という趣旨でもある。 短期予測については明確に距離を置いた。彼は「来月の株価がどうなるかは、私にも分からない」と述べた。その一方で、方向性への確信は示した。来月を当てるのではなく、産業が向かう先を見よというメッセージだ。 グループトップが系列会社の株価について売買行動まで直接言及するのは珍しいとの評価もある。個人投資家の比率が高い銘柄の特性上、短期変動による市場の動揺を沈めようとする発言と解釈される。値上がり益を狙った頻繁な売買より保有戦略が望ましいという助言は、結局のところ判断基準を株価のチャートではなく需要曲線に置けという注文でもある。 長期楽観の根拠はメモリー需要だ。崔会長は「メモリー需要は飛躍的に増えるしかない」とし、「AIはまだ4歳の子どもだが、大人になるにはメモリーが使われるほかない」と語った。 メモリーはAIが動くうえで欠かせない部品だ。AIが答えを出すには膨大なデータを呼び出して計算する必要があり、そのデータを蓄えておく場所がメモリーである。AIサービスが増え、利用者が増えるほど、メモリー消費も増える構造だ。 「4歳の子ども」という比喩には、AI産業が初期段階にあるという認識が込められている。技術が成熟するまでにはまだ長い道のりがあり、学習と推論を繰り返す成長過程全体でデータを保存・処理するメモリーが消費されるということだ。完成された市場ではなく、これから本格的に拡大し始める市場だという見立てである。 需要と株価は常に同じ速度で動くわけではない。需要曲線が緩やかに上向いても、株価はその周辺を大きく上下する。崔会長の発言は、その二つの曲線を重ねて見ないようにという助言として整理できる。揺れているのは価格であって、需要ではないということだ。投資判断の基準をどこに置くべきかを改めて問いかける内容でもある。 サムスン電子にも言及した点も目を引く。特定企業の株価防衛ではなく、メモリー産業全体に向けた診断だということを示しているという解釈が出ている。景気の流れに応じて浮き沈みを経験してきたメモリー産業が、AIという構造的需要を得て性格を変えつつあるという分析とも重なる。 メモリー需要をさらに伸ばすには、AI産業自体が拡大しなければならない。崔会長がこの日の場で産業戦略を長く語った理由もここにあるとみられる。 対談で崔会長は、メモリー需要を押し上げるための韓国AI産業戦略も提示した。米中の覇権競争を迂回するニッチ市場の開拓が骨子だ。 トークンコストとは、AIが言語を処理する最小単位であるトークンごとにかかる費用を指す。このコストを中国水準まで下げるのも難しく、米国水準の性能に追いつくのも容易ではない、というのが崔会長の見立てだ。 彼は「米国はクオリティ重視で接近する一方、中国は価格優位を取る戦略だ」とし、「韓国はトークンコストを下げるのも難しく、クオリティで米国に勝つのも難しい」と分析した。そのうえで「インフラを整え、その上に私たちが必要とするアプリケーションを作り、隙間市場を作らなければならない」と強調した。 輸出戦略の転換も求めた。彼は「米国と中国の脅威が負担となる中立的な第三世界に、大規模言語モデル(LLM)であれアプリケーションであれ輸出できる状況を作るべきだ」とし、「将来は製品ではなく知能を輸出する戦略に変えるべきだ」と述べた。 知能輸出は、完成品を一つ売る方式とは異なる。言語モデルや応用サービス、それを動かす運用能力までをひっくるめて提供する概念に近い。米国の技術も中国の技術も受け入れにくい国々にとって、韓国製AIが政治的負担の少ない選択肢になり得る、という計算が背景にあるとみられる。 この構想は株価発言と一体のものだという見方も出ている。AI応用産業が拡大すれば、それを支えるメモリー消費も増える構造だからだ。人材像に関する発言も同じ文脈にある。崔会長は、思考・適応・共感の筋力と身体スキルをAI時代の競争力として挙げ、「大学を出なければ人材ではない時代は終わった」と述べた。 彼は「最近、SKハイニックスが採用時に大学卒業証書を必要としないと発表した」とし、学歴の看板より実力を見る採用への転換を根拠に挙げた。「起業が増えれば失敗も増え、そのときには回復力の高い人が必要になる」とも付け加えた。産業と人材が共に変わってこそ、AI成長が続くという認識と受け取れる。 もちろん、長期楽観が無リスクを意味するわけではない。崔会長自身が来月の株価は分からないと明言したように、短い期間では大きな調整がいつ起きてもおかしくない。結局、耐えられる投資期間と資金の範囲内で臨むべきだという前提が、この発言には込められている。 投資家に残る課題は、判断基準の転換だ。来月の株価を当てるゲームではなく、AIが4歳から大人へと成長する長い流れを見るべきだというのが、この日の発言を貫くメッセージである。その確信が市場でどれだけ早く検証されるかが、今後のメモリー業種全体に対する投資心理の流れを左右するとの見方も出ている。
Read moreTSMC、過去最高業績…HBM恩恵拡大へ
第2四半期の純利益が32兆ウォンで過去最高となり、投資見通しも上方修正された。 先端工程の増設は、サムスン電子とSKハイニックスのHBM需要につながるとみられる。 TSMC本社外観(写真提供=TSMC) 半導体業況がピークを過ぎたのではないかという、いわゆる「ピークアウト」論争に、世界最大のファウンドリー企業が実績で応えた。TSMCが市場予想を大きく上回る過去最高の四半期業績とともに投資拡大計画を示し、人工知能(AI)半導体スーパーサイクルは有効だとの見方に力が増している。 16日、業界によるとTSMCの第2四半期純利益は7066億台湾ドル(約32兆5000億ウォン)で、前年同期比77%増となった。市場予想の6326億台湾ドルを大きく上回る数字だ。売上高は36%増の1兆2700億台湾ドル(約58兆6000億ウォン)を記録した。売上総利益率は67.7%、営業利益率は60.3%に達した。 ◆ 実績以上に重いメッセージ、投資拡大 市場が注目したのは、実績そのものよりも会社が示した下半期見通しだった。 TSMCは今年の設備投資を従来の520億~560億ドルから600億~640億ドル(約88兆~94兆ウォン)へと、最大14%引き上げた。年間のドルベース売上成長率見通しも「30%超」から「40%超」へと上方修正した。ウェイ・ジャージアTSMC会長兼最高経営責任者(CEO)は決算発表後のカンファレンスコールで「AI関連需要は依然として非常に強い」と述べた。 米国への投資も増やす。TSMCはアリゾナ州の生産施設に1000億ドル(約148兆ウォン)を追加投入することを決めた。累計投資額は2650億ドルに膨らむ。追加資金は2ナノ量産工場と先端パッケージング工場の建設に充てられる。米国の主要顧客の長期需要に対応するための措置だと会社は説明した。 ◆ ファウンドリー受注は需要の先行指標 最近の半導体業界では、メモリー価格上昇の鈍化とAI投資疲れを根拠にピークアウト懸念が提起されてきた。TSMCの今回の発表は、その懸念とは正反対の方向を示している。 ファウンドリーは顧客の受注を受けて生産する事業構造のため、AIチップ需要を最も早く体感する。ある業界関係者は「業績が予想を上回り、投資計画まで増やしたというのは、AI需要が想像以上に堅調だという意味だ」と話した。 業績内容もそれを裏付ける。AIサーバー向けチップを製造する3・5ナノ先端工程の稼働率は高水準で維持され、先端パッケージング(CoWoS)需要も増えた。6月の売上高は4426億8000万台湾ドルで、月間ベースの過去最高となった。市場では、2ナノ量産拡大とCoWoS増設が当面続くとみている。 ◆ 韓国メモリー業界へ広がる波及効果 TSMCの増設は、国内半導体業界と直結する。TSMCがエヌビディアなどビッグテックのAIチップ生産を増やせば、そのチップに搭載される高帯域幅メモリー(HBM)の需要も一緒に拡大する構造だからだ。HBMの供給はSKハイニックスとサムスン電子が担っている。 サムスン電子はAIメモリー好況を追い風に、第2四半期の売上高171兆ウォン、営業利益89兆4000億ウォンという過去最高の暫定業績を発表した。今月末に決算発表を控えるSKハイニックスも、AIサーバー投資拡大に伴うHBM需要増加で過去最高業績が予想されている。 注目点は需要と供給の時間差だ。TSMCが予告した生産能力拡大が実際の出荷につながる来年以降までAIインフラ投資が維持されるかどうかで、スーパーサイクルの長さが決まるとみられている。ファウンドリーとメモリーが同じ方向を指している今のところ、ピークアウト論争の重心は需要持続の側に傾いたとの評価が出ている。
Read more社会
環境

養殖魚2640万匹が大量斃死…今年の夏、海が危険だ【気候、それでどうする③】
海が再び温まりつつある。海洋水産部は7月14日18時をもって、高水温危機警報の「注意」段階を発令した。国立水産科学院が同日16時を期して、西海・南海・済州沿岸の21海域に高水温予備特報を出したことを受けた措置だ。 高水温危機警報は、関心、注意、警戒、深刻1段階、深刻2段階の順に引き上げられる。予備特報は海水温が25度に達した、または達すると予想される場合に出される。水温25度は養殖魚がストレスを受け始める境界線だ。人でいえば猛暑注意報に相当する段階で、28度を超えると養殖生物が耐えうる限界を越え、大量斃死が起きる。 数値はすでに境界線を超えている。7月13日13時時点で、全南・咸平と宝城沿岸の水温は27.6度を記録した。忠南・舒山は26.7度、麗水・新月は26.0度、慶南・南海は26.2度だった。全南・海南(23.9度)と西済州(24.3度)のように、まだ基準線を下回る地点もあるが、差は大きくない。相当数の海域で25度の線を超えた状態だ。 高水温予備特報発表海域(資料=海洋水産部) 水温が上がると、魚は二重苦に見舞われる。暖かい水は酸素をあまり含まない。一方、魚類は体温が水温に左右される変温動物で、水温が上がると新陳代謝が速くなり、より多くの酸素を必要とする。酸素供給は減り、需要は増える構造だ。網の中に閉じ込められたいけす養殖の魚は、涼しい水を探して移動することもできない。 今年の予備特報は、昨年7月3日より11日遅く出された。梅雨前線が朝鮮半島付近に停滞し、雨が多かったため、そのぶん水温上昇が遅れた結果だ。遅い警報が安全を意味するわけではない。梅雨が去って猛暑が居座れば、水温は短期間で急上昇する。済州道海洋水産研究院が最近観測した済州沿岸の表層水温は、昨年の同じ時期より約1.3度高かった。 海洋水産部は危機警報の格上げと同時に非常対策班を設置し、現場点検と教育を強化する方針だ。全国210か所の水温観測網でリアルタイムに水温を測定し、文字メッセージとウェブサイトで地方自治体と漁業者に知らせている。液化酸素供給機などの対応装備は、10の広域地方自治体にあらかじめ配備を終えた。養殖場で働く外国人労働者のために、英語とインドネシア語による管理要領も配布した。 黄鐘祐・海洋水産部長官は「現在、猛暑が続いており、本格的な水温上昇が予想される」とし、「地方自治体とともに養殖場の準備状況を現場で直接点検している」と述べた。漁業者には早期出荷、飼育密度の調整、対応装備の点検を要請した。 ◆ 韓国の海は地球平均より2倍速く煮え立つ 警報発令は表面に表れた症状にすぎない。原因は、海そのものが構造的に温められていることにある。 海は地球温暖化の最前線だ。温室効果ガスが閉じ込めた熱の90%以上を海が吸収しているとされる。大気よりも海に熱が先に、より多く蓄積される構造だ。水は空気よりはるかに多くの熱を抱え込むため、水温1度上昇が意味する熱量は気温1度とは次元が違う。 国立水産科学院の分析によると、韓国の近海表層水温は1968年から2024年までに約1.58度上昇した。同期間の地球全体の表層水温上昇幅は0.74度だった。韓国の海が世界平均より2倍以上速く温まっているという意味だ。2024年の韓国海域の年平均表層水温は18.74度で、57年の観測史上最高だった。 前回の連載で扱った欧州と重なる部分だ。欧州大陸は地球平均より2倍速く温暖化し、猛暑死者を生んだ。韓国では陸地ではなく海が同じ速度で熱を帯びている。温暖化は地球全体に均等に進むわけではない。脆弱な場所から2倍の速度で襲う。 韓国の海が特に早く温まる背景としては、北太平洋高気圧の拡張と対馬海流が挙げられる。夏に高気圧が朝鮮半島を覆うと気温が上がり、海も一緒に温められる。対馬海流は対馬海峡を通って東海へ上る過程で、西太平洋の暖かい海水を運ぶ。この流れが強まれば、沿岸水温を押し上げる。 陸地に猛暑があるなら、海には「海洋熱波」がある。平年よりはるかに高温の海水が何日も続く現象で、世界的に発生頻度が増えている。朝鮮半島周辺の海も例外ではない。 水温上昇により韓国近海の魚種分布が急速に変化している。従来の魚種は北上するか漁獲量が減り、空いた分は暖流性・亜熱帯性の魚種が埋める傾向にある。(写真=Animalia) 温まった海は、まず魚種の地図を塗り替えた。東海の明太やドジョウ鱈はロシア海域へ押し上げられた。済州の特産とされたブリは東海で獲れる。国民魚だったイカの漁獲量は2010年代以降急減した。温帯性魚種が北上した空白を、亜熱帯性魚種が埋める傾向にある。 変わりつつある海は、食卓価格にもつながる。近海漁業の生産量は減少傾向が続き、2020年から2023年まで平均93万トン水準にとどまった。2024年には高水温の影響で海苔の作柄が悪化し、海苔価格が上昇した。西海のワタリガニは漁場が散り、競り上げ量が30%以上減って価格が上昇した。海が温まるほど水産物の供給が揺らぎ、消費者負担が増す流れだ。 養殖場には災害として襲いかかる。高水温は赤潮と並ぶ夏の代表的な漁業災害に分類される。国立水産科学院の集計によると、2011年から2023年まで、高水温と低酸素塊、クラゲ出現など自然災害による養殖漁業被害は計3,260億ウォンだった。このうち高水温被害が1,947億ウォンで60%を占めた。 ◆ 1,430億と95億、被害を分けたのは水温ではなかった 高水温と低酸素塊が重なり、慶南の養殖場でカキの斃死被害が拡大した。(写真=ソリューションニュース・マグニフィック) 2024年の夏は、韓国の養殖業史上最悪の年として記録された。その年の高水温被害額は1,430億ウォンで、過去最大だった。従来最大だった2018年の713億ウォンの2倍規模だ。南海岸だけで養殖魚2,640万匹余りが斃死した。慶南では925の漁家が659億ウォン相当の被害を受けた。 水温に敏感なホヤは、公式集計された斃死率が97%に達した。カキも無事ではなかった。長く温められた海に、酸素の不足した水塊である低酸素塊まで重なり、慶南全体のカキ養殖場の3分の1にあたる1,130ヘクタールが被害を受けた。 …
ESG/CSR
生活

(17日)週末に200ミリの豪雨襲来…今すぐすべき大雨対策
中部地方では17日から3日間にわたり最大200ミリ以上の豪雨が予想されており、消防当局が非常対応体制に切り替えている。重要なのは、雨が降り出す前の残り時間だ。装備の事前配置と市民の先行対策が被害規模を左右すると指摘されている。 消防庁は16日午後、統合指揮調整統制センターで崔容哲・消防庁長職務代行主宰の集中豪雨対応状況点検会議を開き、全国の消防対応態勢を点検したと明らかにした。 気象の見通しによると、16日から17日にかけては光州・全北・全南などの全羅圏で30~80ミリ、沿岸部などの多い所では100ミリ以上の雨が降る。18日にはソウル・仁川・京畿など首都圏と江原で50~100ミリ、多い所では200ミリ以上が予想される。大田・世宗・忠南でも多い所は200ミリを超え、忠北でも最大150ミリ以上が見込まれる。 消防庁は17日午後4時から状況対策班を稼働させる。気象状況と地域別被害をリアルタイムで把握し、必要に応じて消防力を即時投入する体制だ。ソウル・仁川・京畿・江原など被害懸念地域の消防本部も同時刻から状況対策班を運営する。 蔚山119化学救助センターで運用する大容量放水システムを、17日午後6時までに忠北・忠州の忠清・江原119特殊救助隊へ移す。この装備は本来、大型油槽火災への対応のために導入されたが、大規模浸水地域の水を迅速に排出する排水作業にも使われる。 忠州は、豪雨が予想される首都圏、江原、忠清のすべてを射程に収める要衝だ。災害対応では装備が現場に到着する時間が被害規模に直結する。事故発生後に蔚山から出動するのではなく、被害懸念地域の近くで待機させることでゴールデンタイムを前倒しする狙いとみられる。 崔職務代行は「短時間に大量の雨が集中すれば、河川の氾濫や道路・住宅の浸水、土砂災害などで人的被害が発生する危険が高まる」と述べた。さらに「可用な消防力と装備を危険地域に先制配置し、国民の生命と安全を守るうえで隙がないようにする」と強調した。 行政安全部の国民行動要領によると、少しでも浸水した地下車道や道路は絶対に通ってはならない。見た目には浅く見えても、水の勢いと深さは判断できないためだ。小川沿いや河川敷、海岸は急流に巻き込まれる危険があり、近づくこと自体を避けるべきだ。山や渓谷の登山客は、斜面や谷から直ちに離れなければならない。田んぼの畦や水口の様子を見に行くのも禁物だ。 地下空間は時間との勝負だ。半地下住宅や地下商店の床に少しでも水が入り始めたり、下水が逆流したりしたら、直ちに避難しなければならない。外の水深が膝の高さ、約50センチを超えると、水圧のため一人ではドアを開けられなくなる。この場合は電源を切ったうえで、複数人で力を合わせて扉を開けて脱出しなければならない。階段からの浸水が足首の高さでも、子どもや高齢者には上るのが難しいため、流入が始まった時点で避難するのが原則だ。 一人で動くのが難しい近隣住民にも目を配る必要がある。行動要領では、移動が困難な高齢者や障害者など避難弱者がいれば、周囲に助けを求め、共に避難するよう案内している。半地下居住世帯が多い地域ほど、住民同士が互いに確認し合う連絡網が実質的な安全装置になるとの評価が出ている。 車両にも判断基準がある。水がタイヤの3分の2以上まで浸かる前に、安全な場所へ移動させなければならない。移動が難しい場合は、エンジンが止まる前に窓やサンルーフをあらかじめ開け、脱出経路を確保しておく必要がある。地下駐車場へ車を取りに入る行為そのものが命懸けとなる。 専門家が強調する解決策は、雨が降り始める前の準備にある。今できることだ。 まず家の周囲を点検すべきだ。排水溝や側溝が落ち葉やごみで詰まっていると、雨水はたちまち逆流する。事前に詰まりを取り除くだけでも浸水リスクは大きく減る。浸水が予想される半地下住宅や建物の地下駐車場の入口には、水止め板や土のうを設置しておくのが望ましい。河川敷や低地に止めてある車は、あらかじめ高い場所へ移すべきだ。 マンションや建物の管理主体の役割も大きい。地下駐車場の入口に水止め板や土のうを設置し、雨水が流れ込み始めたら車を出そうとする進入自体を遮断しなければならない。避難が必要な状況では、入居者を建物内の高い場所や近隣の避難施設へ案内する役目まで管理事務所が担う。 情報の受信経路も確保しておく必要がある。スマートフォンに行政安全部の安全ディディムドルアプリを入れておけば、気象特報や土砂災害・洪水の予警報をリアルタイムで受け取れる。国民災難安全ポータルや自治体のサイトで自宅周辺の避難場所を事前に確認し、家族が離れたときに再集合する場所を決めておくことも必要だ。避難経路は河川敷、山道、電柱や変圧器の周辺を避けて設定しなければならない。 屋内の安全対策もある。浸水や停電が懸念される場合は、ガスをあらかじめ閉めて二次事故を防ぎ、停電時にはろうそくの代わりに携帯用ランタンを使う。浸水した道路を歩かなければならない場合は、街灯や信号機、立て看板など屋外の電気設備から2~3メートル以上離れて感電を避けるべきだ。 雨が上がった後も油断は禁物だ。浸水した住宅は、電気とガスの安全点検を終えてから使用しなければならない。水が引いた道路も地盤が弱くなっている可能性があるため、損壊箇所への接近は控えるべきだ。 孤立したときは、無理な移動の方が危険だ。建物内にいるなら高層階へ移動して救助を待ち、119番に通報する際は、位置、人数、水が満ちていく速さを具体的に伝えなければならない。正確な通報が消防力配置の判断を早める。






















