ビジネス
グロックの頭脳を宇宙へ…スペースXAI、エヌビディアチップ搭載「AI衛星」打ち上げ
イーロン・マスク陣営のAIコンピューティングが地上を超え、宇宙へ向かう。 エヌビディアは、AIチャットボット「グロック」を運営するスペースXAIが、次世代AIエージェントサービスのために自社CPU「ベラ」を導入すると、24日(現地時間)に発表した。グロックの基盤をエヌビディアの最新プラットフォーム「ベラ・ルービン」へ拡張し、同じシステムを載せた第1世代AI衛星「スターマインド」まで推進するという内容だ。 ◆ エージェント時代、CPUが再び主役に これまでAI計算の主役はグラフィックス処理装置(GPU)だった。AIが答えを生成する中核演算をGPUが担うためだ。だが、指示を受けて自ら動くAIエージェントの時代になると事情が変わった。 エージェントは答えを出すだけでなく、ツールを呼び出し、コードを実行し、資料を整理する雑務を絶えず処理しなければならない。その雑務を担う半導体がCPUだ。CPUが遅ければ、高価なGPUが仕事待ちで遊ぶことになる。 ベラは、そのボトルネックを狙って作られた初のエージェント向けCPUだ。エヌビディアが独自設計したオリンポス・コア88個と、最大毎秒1.2テラバイト(TB)のメモリ帯域幅を備えている。 エヌビディアは、エージェントAIや強化学習、データ処理の作業において、既存のx86系CPUより作業完了速度が最大1.8倍速いと説明した。マイク・ニコルス・スペースXAI社長は「同じ電力で、より有用な仕事をより多くこなせるようになる」と述べた。 スペースXAIは、ベラを含むベラ・ルービン・プラットフォームでAI基盤をギガワット級まで拡張する。1ギガワットは、原子力発電所1基分の発電容量に匹敵する電力規模だ。 ◆ データセンターを宇宙へ打ち上げる理由 発表で目を引くのは宇宙だ。スペースXAIが準備する第1世代AI衛星「スターマインド」は、地上のAIデータセンターに入るベラ・ルービンNVL72サーバーラックを宇宙環境に合わせて最適化して搭載する。 地上でグロックを動かすのと同じ構造のコンピューターを軌道に上げる構想だ。イアン・バック・エヌビディア副社長は「巨大なAI工場で使っていたアーキテクチャを、軌道というコンピューティングの次の開拓地へ持ち込むこと」と述べた。 宇宙データセンター構想が出てくる背景には、地上の限界がある。世界各地でデータセンターは、電力不足や水不足、住民の反発、建設規制に直面している。 宇宙では太陽光で電力を得られ、用地や住民との摩擦がない。一方で、打ち上げ費用や熱管理、通信帯域、故障修理といった課題は軽くなく、経済性が検証されるには時間が必要だとの指摘もある。 勝負の軸がチップから電力へ、そして再び立地へと移る流れの中で、ロケットを持つマスク陣営は軌道というカードを先に切った。スターマインドが実際の軌道で性能を証明すれば、データセンター立地競争のルールが書き換わる可能性がある。
Read more「クロード」のアンソロピック、2兆ドルIPO推進…スペースXの記録破るか
チャットGPTの対抗馬と呼ばれるAI企業アンソロピックが、史上最大の企業公開(IPO)に挑む。 ニューヨーク・タイムズ(NYT)は21日(現地時間)、交渉事情に詳しい関係者2人の話として、アンソロピックの主幹事銀行が投資家に対し、IPOで1000億ドル(約139兆ウォン)以上を調達する案を提示したと報じた。 実現すれば企業価値は2兆ドル(約2780兆ウォン)に達する可能性がある。ブルームバーグ通信も、アンソロピックがスペースXの取引規模に匹敵するか、それを上回るIPOを期待していると伝えた。 比較対象だけでも前例がない。イーロン・マスク氏の宇宙企業スペースXは今年6月、企業価値1兆7700億ドルで上場し、857億ドルを調達して史上最大のIPO記録を打ち立てた。アンソロピックが1000億ドルを超えれば、2カ月余りでその記録が塗り替えられる。 ◆ 5年で企業価値2兆ドルへ…なぜ可能なのか アンソロピックは2021年、ダリオ・アモデイ氏とダニエラ・アモデイ氏の兄妹ら、オープンAI出身者が設立した会社だ。AI安全性を前面に打ち出す路線で、オープンAIとの差別化を図ってきた。 企業価値は今年6月の資金調達時点で9650億ドル(約1340兆ウォン)だった。2兆ドルが現実になれば、半年足らずで評価額が2倍超に膨らむことになる。時価総額2兆ドルを超えた企業は、アップル、マイクロソフト、エヌビディアなどごくわずかだ。 評価額を押し上げた原動力は業績だ。開発者向けコーディングAI「クロード・コード」が看板商品として定着し、年間換算売上高の見通しは470億ドル(約65兆ウォン)まで拡大した。 アンソロピックは今年6月に上場を申請しており、数週間以内に目論見書を公開できるとNYTは伝えた。上場時期は早ければ今秋と見込まれ、2027年の上場を目指すオープンAIより先に株式市場へ入る形となる。 ◆ 逆風もある…コンピューティング不足と政府との対立 成長の裏には負担もある。アンソロピックは、チップやサーバー不足の中で急増する需要をさばくための計算資源の確保に苦労している。AI業界全体のインフラ制約が、売上成長のペースを鈍らせる可能性があるとの指摘だ。 米政府との対立はさらに大きな変数とされる。トランプ政権は3月、アンソロピックが軍にAIモデルの無制限アクセスを認めなかったとして、政府契約を打ち切り、供給網リスク企業に指定した。アンソロピックは国防総省の措置を違憲的な報復だと反発している。NYTは、政府とのぎくしゃくした関係が一部投資家を躊躇させる可能性があると指摘した。 それでも市場の関心は熱い。スペースXに続いてアンソロピックまで、兆ドル単位の企業価値を持つ企業が相次いで株式市場に登場することで、AIと宇宙が主導する大型IPOの流れが続いている。 米国株に投資する国内投資家にとっても、今秋の最大の注目銘柄になる可能性が高く、目論見書に盛り込まれる業績とリスク要因の開示に関心が集まりそうだ。
Read moreエヌビディア、パープレキシティへの投資協議…企業価値300億ドル超え
米情報技術メディア「ザ・インフォメーション」は23日(現地時間)、エヌビディアがAI検索スタートアップのパープレキシティへの出資や持分投資に参加する案を協議していると報じた。技術ライセンス取引も検討対象に含まれているという。 今回の資金調達では、パープレキシティの企業価値は300億ドル(約42兆ウォン)を上回る見通しだ。直前の評価額である約200億ドルから50%以上上昇した水準になる。 パープレキシティの年間経常収益(ARR)は、年初の2億5000万ドル未満から7億5000万ドル以上へと急増した。AIエージェント製品「パープレキシティ・コンピューター」が成長をけん引した。 エヌビディアは最近、韓国のリベルリオンとも投資・買収協議を進めるなど、AIエコシステム全体に持分を広げる動きを続けている。 エヌビディアが投資した企業が再びエヌビディアのチップ顧客になる構図をめぐり、AI投資過熱論争も広がっている。 人工知能(AI)半導体首位のエヌビディアが、今度はAI検索スタートアップに資金を投じる。 米情報技術メディア「ザ・インフォメーション」は23日(現地時間)、協議事情に詳しい関係者の話として、エヌビディアがパープレキシティの持分投資に参加する案を協議していると報じた。 今回の資金調達では、パープレキシティの企業価値は300億ドル(約42兆ウォン)を上回る見通しだ。単純な持分投資にとどまらず、技術ライセンス取引も併せて検討されているという。 ◆ 50%上昇したパープレキシティ、その高評価の理由は パープレキシティは、質問をするとウェブを検索し、出典付きで答えを整理してくれるAI検索サービスとして知られるようになった。グーグル検索の対抗馬とも呼ばれ成長し、前回の投資では約200億ドルと評価されていた。300億ドルが実現すれば、企業価値は50%超の上昇となる。 評価額を押し上げたのは成長スピードだ。月次の売上を年換算した年間経常収益(ARR)は、年初には2億5000万ドル(約3500億ウォン)に届かなかったが、最近は7億5000万ドル(約1兆ウォン)を超えた。半年あまりで3倍に膨らんだ規模だ。 この成長をけん引したのがAIエージェント「パープレキシティ・コンピューター」だ。検索の回答にとどまらず、資料調査から文書作成まで、コンピューターで行う作業を代わりに処理してくれる製品である。検索会社が業務代行会社へと領域を広げ、収益モデルがサブスクリプション中心で厚みを増したとの評価が出ている。 ◆ エヌビディアのスタートアップ投資 エヌビディアのスタートアップ投資は今回が初めてではない。パープレキシティには以前から投資しており、最近では韓国のAI半導体スタートアップ、リベルリオンとの投資・買収協議が進んでいるとの報道もあった。 昨年末には米推論チップ企業グロックとも提携した。AIチップ販売で得た現金を、AIサービスや半導体エコシステム全体に再投資する動きだ。 市場ではさまざまな見方が出ている。検索やエージェントのようにチップ需要を生み出すサービス企業を育て、市場全体のパイを広げる戦略とみる向きがある一方、エヌビディアが投資した企業がその資金で再びエヌビディアのチップを買う循環構造が、AI投資熱をあおっているとの指摘もある。バブル論争が強まるほど、エヌビディアの投資先リストは市場が最も注目する対象となっている。 交渉は継続中で、条件は変わる可能性がある。エヌビディアとパープレキシティは報道へのコメントを控えた。投資が確定すれば、グーグルが支配してきた検索市場に挑むパープレキシティに資金と半導体という2つの実弾が同時に加わることになり、AI検索競争の構図にも影響を及ぼす見通しだ。
Read more社会
環境

「千里眼6号」予備妥当性調査を通過…7694億ウォン投じて微小粒子状物質・赤潮を監視
韓半島の空と海を24時間見守る次世代環境監視衛星事業が、最初の関門を通過した。 宇宙航空庁と気候エネルギー環境部、海洋水産部は共同で企画した「静止軌道環境・海洋衛星(千里眼衛星6号)開発事業」が、国家研究開発事業の予備妥当性調査を通過したと25日に明らかにした。予備妥当性調査は、大規模な国家事業の経済性と妥当性を事前に検証する手続きで、これを通過して初めて本格的な予算投入が可能になる。 千里眼6号には総事業費約7694億ウォンが投じられる。2027年から7年間開発を進め、2033年の打ち上げを目標としている。2020年に打ち上げられた世界初の静止軌道環境・海洋衛星である千里眼2B号が担ってきた任務を引き継ぐ。 ◆ 微小粒子状物質・赤潮を衛星でとらえる 千里眼衛星が周回する静止軌道は、高度約3万6000kmで地球の自転と同じ速度で回る軌道だ。 衛星が韓半島上空に固定されたようにとどまり、同じ地域を24時間連続で見下ろすことができる。地上観測所が点で監視するのに対し、静止軌道衛星は韓半島全体をリアルタイム映像で見守る監視塔のような役割を果たす。 千里眼6号は、性能向上により微小粒子状物質や地上オゾン、山火事などの災害が大気に及ぼす影響を追跡する。海では、養殖場を覆う赤潮や船舶の油流出、夏季に済州の海へ流れ込む低塩分水などの変化を観測する。 汚染がいつ、どこで始まり、どこへ広がるのかを迅速に把握できれば、微小粒子状物質の予報と海洋災害対応の速度が変わる。観測資料は、国民が実感できる環境情報サービスにも活用される予定だ。 ◆ 搭載体の国産化、金額以上の成果 千里眼6号は、技術自立の試金石でもある。衛星の「目」にあたる搭載体を、国内で初めて静止軌道衛星用として国産化する。 推力に優れた化学推進と燃料を節約する電気推進を組み合わせたハイブリッド推進システム、環境・海洋搭載体が同時に観測する技術も国内で開発する。これまで海外に依存してきた核心技術を確保すれば、海外衛星市場への進出基盤も広がる。 金珍姫(キム・ジニ)宇宙航空庁人工衛星部門長は「千里眼6号は、国民生活に密接な大気・海洋環境を継続的に観測する国家核心宇宙資産だ」とし、「民間主導の衛星開発体制へ転換し、核心技術の国内開発を拡大していく」と述べた。張廟仁(チャン・ミョイン)国立海洋調査院長は「千里眼1号から6号まで30年以上続く長期連続海洋観測資料は、海洋水産政策と気候変動対応の核心資料になるだろう」と明らかにした。 3省庁は詳細な推進計画を立て、予算確保と研究開発機関の選定など、後続手続きを準備する方針だ。2033年に千里眼6号が軌道に乗れば、韓国は世界でも珍しい環境・海洋静止軌道観測体系を3代にわたって維持することになる。 千里眼衛星6号の概要(写真=宇宙航空庁)
ESG/CSR
生活

ハッブルより100倍広く見る、ローマン望遠鏡30日打ち上げ
宇宙の大半は、まだ正体不明だ。見えている星や銀河をすべて合わせても、宇宙全体の構成の5%にも満たない。残りを追跡する次世代宇宙望遠鏡が今月末、打ち上げ台に上がる。 米航空宇宙局(NASA)は、次世代宇宙望遠鏡「ナンシー・グレース・ローマン」を30日、フロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げる予定だ。打ち上げにはスペースXのファルコン・ヘビー・ロケットが使われる。打ち上げ後、約3か月の試験を経て本格的な観測に入る。総事業費は40億ドル(約5,500億ウォン)前後と伝えられている。 名前はNASA初の主席天文学者、ナンシー・グレース・ローマンに由来する。ハッブル宇宙望遠鏡の誕生を主導し、「ハッブルの母」と呼ばれた人物だ。その名を冠した望遠鏡が、ハッブルの後継となる。 ローマンは、直径2.4メートルの主鏡と3億画素の赤外線カメラを備える。鏡の大きさは1990年に打ち上げられたハッブルと同じだ。主鏡は米国の偵察衛星用に製作された後、NASAに移管されたものを整えて使用する。これにより、開発費を抑えながらハッブル級の光学性能を確保した。 性能差は視野に表れる。ローマンの視野はハッブルより100倍以上広い。 ハッブルが鍵穴越しに部屋をのぞくようなものだとすれば、ローマンは窓を大きく開けて見るようなものだ。同じ解像度を保ちながら、一度により広い空を調べる。ハッブルなら数十年かかる大規模な調査観測を、数年で終えられる理由がここにある。 赤外線を使う理由もある。赤外線は宇宙のちり雲を通り抜け、遠方から来る間に波長が伸びた古い光まで捉えられる。初期宇宙の銀河や暗い天体を見つけるのに有利だ。 観測地点は地球から約150万キロ離れた重力平衡点だ。ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が位置するのと同じ領域で、地球の影や熱の干渉を避け、安定した観測が可能となる。 2021年に打ち上げられたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が狭い領域を深く掘り下げる望遠鏡だとすれば、ローマンは広く見渡す調査官だ。ローマンが興味深い天体を大量に見つけ、ジェームズ・ウェッブが精密観測で引き継ぐという分業が可能になる。 科学界の推定によれば、宇宙は見える物質が5%、暗黒物質が約27%、暗黒エネルギーが約68%で構成されている。暗黒エネルギーは宇宙膨張を加速させる正体不明の力だ。ローマンは超新星数千個までの距離を測り、膨張の歴史を復元する任務も担う。 銀河は、目に見える物質の重力だけでは説明できないほど速く回転している。見えないが重力を及ぼす何かがあるということだ。科学者が暗黒物質と呼ぶ存在だ。ローマンは数億個の銀河の形が重力でどの程度歪むかを測り、暗黒物質分布の地図を描く。 太陽系外惑星は、星の光を使った「虫めがね」で探す。手前の星の重力が、奥の星の光を一時的に明るくする重力マイクロレンズ現象を利用する。惑星があれば、明るさの変化曲線に微細な痕跡が残る。銀河中心部の数億個の星を休みなく見守る必要があるため、広い視野を持つローマンに適した任務だ。地球のような小さな惑星まで数千個を新たに見つけると期待されている。 ジュリー・マッケナリーNASA科学者は、「ローマンは天文学のあらゆる分野に影響を与えるだろう」とし、「これから出てくる予想外の発見がローマンを非常に興味深いものにする」と語った。 ローマン・プロジェクトには日本が参加した。太陽系外惑星の大気観測などに使われる装置の開発に貢献し、長野県にある宇宙航空研究開発機構(JAXA)の施設が観測データを受け取る地上局の役割を担う。 完成機の望遠鏡競争ではなく、装置と地上施設で持分を確保する戦略だ。参加国の研究者は、観測計画の策定とデータ活用に発言権を持つ。マッケナリー科学者も、日本の貢献を土台に科学研究が広がることを望むと述べた。 韓国も似た道を歩んできた。韓国天文研究院は、NASAの赤外線宇宙望遠鏡「スフィアエックス」の開発に参加し、昨年の打ち上げを共にした。宇宙航空庁の発足以後、国際大型プロジェクトへの参加拡大が次の課題とされる。部品や装置で名を連ねてこそ、技術と人材がともに育つというのが、これまでの事例が残した教訓だ。 宇宙望遠鏡技術は研究室にとどまらない。ハッブルの画像処理技術は医療画像の読影へ、観測用センサー技術はカメラ産業へと流れ込んだ。超大型観測が生み出すデータ処理技法も、産業のさまざまな分野に広がる。 装置参加がなくても道はある。ローマンの観測資料は、非公開期間なしにすぐ公開される予定だ。データ量は1日あたり数テラバイト規模と見込まれ、人工知能の分析ツールなしでは処理が難しい。データを先に分析した側が発見の主役になる構造だ。国内の大学や研究機関にとっては費用なしで開かれる機会であるだけに、データ分析人材と計算資源の準備が鍵となる。 打ち上げの様子はNASAのインターネット放送で生中継される予定だ。軌道に乗った後は、焦点調整と装置点検が続き、初の観測画像は試験終了後に公開される。 ハッブルは36年間にわたり、宇宙の年齢と膨張速度を書き換えることになった。ローマンもまた、教科書を書き換える発見を予告している。試験運用が終わる今年末から観測が始まれば、宇宙の95%を満たす未知がどこまで解き明かされるかが明らかになる。






















