麻薬事犯5203人を検挙…10人中4人がテレグラムで購入

警察は3月から6月にかけて新種の麻薬や医療用麻薬、繁華街一帯の麻薬犯罪を集中取り締まりし、5203人を検挙して1039人を拘束した。検挙人数は前年同期比で94人(1.8%)、拘束人数は75人(7.8%)増えた。拘束の増加幅が検挙人数の伸びを上回った点は、取り締まり対象が服用者よりも罪質の重い供給・組織的犯罪に移っていることを示すものと解釈される。 警察が3~6月の集中取り締まりで5203人を検挙、1039人を拘束(写真=ソリューションニュースAI画像イラスト) 麻薬流通の舞台は街頭からオンラインへと移りつつある。クラブや繁華街を重点的に摘発する方式では捕まえられない取引が、テレグラムのチャットルームと仮想資産ウォレットの中で広がっている。 警察庁国家捜査本部は、3月から6月まで新種麻薬と医療用麻薬、繁華街周辺の麻薬犯罪を集中取り締まりし、5203人を検挙して1039人を拘束したと2日に明らかにした。検挙人数は前年同期より94人(1.8%)、拘束人数は75人(7.8%)増加した。拘束増加率が検挙増加率を上回ったことは、取り締まり対象が使用者よりも供給・組織犯罪へ移っている証拠とみられる。 ◆ 繁華街は減り、オンラインは増えた、市場が動いた 数値の変化は麻薬市場の構造変化を示している。クラブなど繁華街一帯の麻薬事犯は、昨年前半の191人から今年は84人へと半数以上減少した。政府合同点検が効果を上げたとの評価が出ている。 一方、テレグラムなどのオンライン空間で検挙された事犯は2178人と300人増え、全体の41.9%に達した。昨年同期間の36.8%から1年で5ポイント以上上昇した。取り締まりの厳しい場所を避け、取引が非対面空間へ移った流れと解釈される。 供給網を狙った捜査にも重きが置かれた。製造・密輸・販売などの流通事犯は2040人で、全検挙人数の39.2%を占めた。昨年同期間の1860人(36.4%)より比率が高まり、製造・密輸事犯は26.7%急増した。服用者中心の検挙から供給組織の壊滅へと捜査の軸が移っているという解釈が出ている。 国家情報院や海外動向情報を共有し、関税庁と合同捜査を行って、英国から麻薬42キロを大邱空港へ密輸入した容疑者も摘発した。捜査の過程で回収した犯罪収益は38億4000万ウォンにのぼる。単独機関の摘発を超え、情報機関や税関と連携した協力網が密輸阻止の成果につながったと評価されている。 ◆ テレグラムと仮想資産が、麻薬への入口を壊した オンライン取引が拡大した背景には、参入障壁の低下がある。匿名チャットルームで注文し、仮想資産で決済した後、販売者が隠した物を受け取る非対面手口が標準のように定着した。販売者と購入者が顔を合わせないため追跡が難しく、広告代行業者、運搬役、密輸役に役割を分業する構造が捜査網をかく乱する。 最近の裁判所判決に現れた事例は、取引実態を具体的に示している。ソウル東部地裁は7月23日、テレグラムの販売者に45万ウォンを送った後、ソウル市城東区のある建物裏手の鉄扉に絶縁テープで貼り付けられていたフィロポン約1グラムを受け取った被告に実刑を言い渡した。販売者と一度も会わずに取引が完了する、いわゆる「置き去り」手口が日常的な取引方法として定着していることを裁判記録が示した事件だった。 警察は、オンラインで麻薬に容易に接近できることに加え、電子たばこ機器などの使用手段まで多様化し、若年層を中心に新種麻薬が広がっていると説明した。実際、フィロポンと合成大麻、ケタミンなどの向精神性医薬品事犯は4300人で、全体の82.6%を占めた。 医療用麻薬の危険も高まっている。不法取扱い事犯は337人で、前年同期比9.1%増えた。今年2月には、プロポフォールを投与したまま車を運転し、盤浦大橋の下へ転落した事件が発生し、医療用麻薬の乱用が本人だけでなく不特定多数の安全まで脅かす事実が明らかになった。 外国人犯罪の増加傾向も鮮明だ。外国人麻薬事犯は848人で、昨年同期間の734人より114人(15.5%)増えた。国籍別では、タイ275人、中国233人、ベトナム147人の順だった。 外国人の検挙者のうち供給事犯は400人で47.2%を占め、全体の供給事犯比率(39.2%)を大きく上回った。国内滞在外国人コミュニティが流通経路として利用されている証拠と受け止められる。本国の組織と国内コミュニティをつなぐ供給線が形成されると、取り締まりを逃れて再編されやすいため、初期遮断が重要だと指摘される。 ◆ 検挙だけでは終わらない、追跡・遮断・治療の三重対応が課題だ 警察は3日から12月31日までの5か月間、下半期の集中取り締まりに入る。上半期の重点対象だった新種・医療用麻薬に、オンラインと外国人の麻薬犯罪を追加した。 市道警察庁の専従チームがテレグラム販売チャネルの運営者や広告代行業者、運搬役、密輸役を重点的に捜査し、41人規模の仮想資産専担追跡・捜査チームも稼働させる。外国人犯罪については、国際犯罪捜査隊を前面に出し、密集地域や商店街を中心に情報収集を強化する。 首謀者が海外にとどまり国内流通網を遠隔で指揮する構造では、送還なしに組織を壊滅させるのは難しい。パク・ワンヨルの送還事例のように、現地の捜査機関や税関との協力チャネルを常時化してこそ供給遮断が可能だという指摘が出ている。サーバーを海外に置くプラットフォームから取引情報を確保する問題も、捜査当局に残された課題だ。 需要抑制がなければ取り締まり効果は半減するとの声も根強い。検挙された服用者が治療や更生なしに社会へ戻れば再犯の連鎖は断ち切れないため、処罰と治療・予防教育を並行させる対応体制が必要だとの指摘が続いている。オンライン取引の主な利用層が若い世代であることから、学校や地域社会での予防教育を前倒しすべきだという注文もある。 捜査体制再編の変数も残る。ホン・ソッキ国家捜査本部長は、中大犯罪捜査庁の新設など捜査環境の変化に備え、政府全体の麻薬対応体系に空白が生じないようにすると明らかにした。組織改編の過渡期に取り締まりの勢いが揺らがないよう、機関間の役割調整も並行して行うべきだとの見方が出ている。 ...

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鄭義宣会長、アイオニック3の品質を自ら点検…欧州電気自動車市場に本腰

現代自動車グループの鄭義宣会長は、7月30日(現地時間)にトルコ・イズミット工場を訪れ、アイオニック3の生産ラインを点検し、現地の生産・販売戦略について協議したと2日に明らかにした。 鄭義宣会長が現代自動車のトルコ工場の従業員らとともに生産ラインを点検している。(写真=現代自動車提供) 欧州の小型電気自動車市場をめぐる完成車メーカー同士の競争が熱を帯びている。現代自動車が初のBセグメント電気車アイオニック3で参入を控える中、グループトップ自らが量産2週間前の生産現場へ直接飛んだ。 現代自動車グループは、鄭会長が7月30日(現地時間)にイスタンブール近郊の港湾都市イズミットにあるトルコ工場を訪れ、アイオニック3の生産ラインを視察し、従業員らと現地での生産・販売戦略を話し合ったと2日に発表した。 ◆ 量産2週間前、トップ自ら現場に立った 鄭義宣会長が現代自動車のトルコ工場の従業員らとともに生産ラインを点検している。(写真=現代自動車提供) 鄭会長は車体生産から内装・組立ラインまで全工程を確認し、徹底した品質点検を要請した。 鄭会長は「量産初期から品質を最優先に置き、顧客の期待を超える完成度で市場競争力を高めなければならない」とし、「特に安全については、欧州で最高の車両として認められるようにすべきだ」と強調した。さらに近くの現代モービスのバッテリーシステム組立(BSA)工場を訪れ、アイオニック3に搭載されるバッテリーの生産工程も確認した。 訪問時期には意味があるとの見方も出ている。アイオニック3は8月中旬に量産を開始し、下半期から欧州で順次販売される。新車の初期品質が欧州市場定着の成否を左右するとの判断が、トップの現場行動の背景にあるという分析だ。欧州の消費者や評価機関は、安全性と完成度に特に厳しい基準を求めることで知られている。 トルコ工場にとっては初の電気自動車への挑戦となる。1997年に稼働を開始した同工場は、現代自動車の海外生産拠点の中で最も長い歴史を持つ。年間生産能力20万台、累計生産340万台を積み上げ、i20やベイオンなど欧州戦略小型車を担ってきた。約30年間小型車のみを扱ってきた工場が、電動化転換の試練に直面している。 鄭会長は工場の従業員らに組織変革も注文した。鄭会長は「過去30年間に築いた成果を基盤にさらに成長できるよう、新しい時代の変化に合わせて働き方を変えていかなければならない」と述べた。続けて「生産、品質、販売の全分野で、名実ともにトルコ最高の企業になれるよう、持続的な競争力強化を推進すべきだ」と求めた。来年の量産30周年を前に、工場に対して電動化転換と体質改善を同時に求めた発言と受け止められている。 トルコ国内での販売成績は上昇基調にある。現代自動車は昨年、トルコで前年より6.7%増の6万7120台を販売し、今年上半期も3万1630台と前年同期比2.3%増となった。生産拠点であり販売市場でもあるトルコの比重が高まる流れだ。 ◆ 欧州需要の15%を占めるBセグメント、電動化の激戦地に 鄭義宣会長が現代自動車のトルコ工場の従業員らとともに生産ラインを点検している。(写真=現代自動車提供) 現代自動車が小型電気車に力を入れる背景には、欧州市場の構造がある。Bセグメントは欧州全体の自動車需要の15%を占める重要な車格だ。狭い都市部の道路や短い走行距離、実用性を重視する消費傾向が重なり、小型ハッチバックの需要は安定している。 電動化のスピードは急速だ。Bセグメント内での電気自動車の比率は現在14%程度だが、2030年には33%、2035年には65%まで拡大すると予想されている。 内燃機関の小型車需要が電気車へ移り変わる流れを先取りする企業が、欧州販売の主導権を握るという計算が完成車メーカーの間に広がっている。フォルクスワーゲンをはじめ欧州の主要メーカーが小型電気車の投入を相次いで拡大している背景も同じ文脈で理解される。 現代自動車の欧州ラインアップでは、Bセグメント電気車が空白だった。インスター、コナ・エレクトリック、アイオニック5、アイオニック6、アイオニック9へと陣容を広げてきたが、需要層が最も厚い車格が欠けていた。 アイオニック3は、その最後の空白を埋める車種と評価されている。電気自動車専用プラットフォームE-GMPを基に、空力性能と室内空間の両立を狙ったエアロハッチデザインを採用した。欧州販売モデルとして初めて次世代インフォテインメント「プレオスコネクト」も搭載した。 ◆ ルノー・フォルクスワーゲン・BYDの三つ巴、勝負を分けるのは価格と安全 鄭義宣会長が塗装工場の模型の前で、現代自動車のトルコ工場の従業員らと塗装品質について話している。(写真=現代自動車提供) ルノーはレトロ調デザインを前面に出した「ルノー5」で、フランスなど主要市場で販売を伸ばしている。フォルクスワーゲンはスペインの生産拠点を活用し、小型電気車ラインアップを拡充して量販モデルの受注を急速に積み上げている。中国のBYDはハンガリー工場生産でEU関税を回避し、小型車攻勢の準備を進めている。 ...

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ギャラクシーS27ウルトラ、背面カメラ4基→3基に、3倍ズームがなくなる

サムスン電子は来年発売するギャラクシーS27シリーズの全モデルに、背面カメラを3基ずつ搭載する。4基だったウルトラモデルでは1000万画素の3倍ズーム望遠カメラが外れ、5000万画素の5倍ズーム折りたたみカメラは維持される。 AIによるメモリー需要の急増で、プレミアムスマートフォンの部品原価は1年で約50%上昇し、DRAMはSoCを抜いて最も高価な単一部品になった。チップフレーションへの対応策とみられる。 販売比率46%で最も多く売れるウルトラの部品数を減らし、出荷価格の引き上げ圧力を抑えようとする戦略と解釈される。外れる3倍ズーム領域は、2億画素のメインカメラによるクロップズームで代替する案が取り沙汰されている。 消費者にとっては、性能と価格の交換が始まったことを示すサインだ。メモリー供給難が続く限り、カメラやプロセッサーの仕様調整で価格を防衛する流れが業界全体に広がるとの見方が出ている。 S26ウルトラのカメラスペック サムスン電子は来年のギャラクシーS27シリーズの背面カメラを全モデル3基に統一する。4基を維持してきたウルトラモデルからは、カメラが1つ減る。 2日、業界によると、サムスン電子はギャラクシーS27のカメラ供給協力会社に対し、こうした仕様計画を共有したとみられる。半導体・部品価格の急騰に対応し、最も多く売れるウルトラモデルの部品数を減らしてシリーズ価格を安定させる狙いと解釈される。 ◆ ウルトラの3倍望遠が外れ、5倍折りたたみは維持 ウルトラモデルの背面カメラは、メイン・超広角・3倍望遠・5倍ペリスコープの4基構成が複数世代にわたって維持されてきた。 ギャラクシーS27では、ギャラクシーS22ウルトラから続いてきた1000万画素の3倍ズーム望遠カメラが外れ、5000万画素の5倍ズーム折りたたみカメラが残る。S27ウルトラの背面は、2億画素のメイン、5000万画素の超広角、5000万画素の5倍ズーム折りたたみで構成される。 来年新たに登場するS27プロには、1200万画素の3倍ズーム望遠カメラが採用される。S27プロの背面は、2億画素のメイン、5000万画素の超広角、1200万画素の3倍ズーム望遠で構成される。プロ・ウルトラの背面カメラは、サムスン電子とサムスン電機、ナムガ、パトロン、パワーロジクス、中国のサニーオプティカルなどが供給する。 ウルトラはギャラクシーSシリーズの主力モデルだ。カウンターポイントリサーチの集計によると、昨年の世界市場で販売されたギャラクシーS25シリーズのうち、ウルトラの比率は46%だった。販売量が最も多いモデルの部品を減らすほど、原価削減効果が大きくなるという計算が背景にあると分析される。 ◆ DRAM価格急騰がカメラ原価まで圧迫 S26ウルトラモデルのイメージ カメラの縮小は、半導体発の物価上昇、いわゆるチップフレーションへの対応策と分析される。AIデータセンター投資で高帯域幅メモリー(HBM)の需要が急増すると、メモリー各社は生産余力をHBMに集中させた。スマートフォン向け汎用メモリーは供給不足となり、価格が急騰した。 カウンターポイントリサーチによると、今年第2四半期のプレミアムスマートフォンの部品原価は、1年前より約50%上昇した。DRAMは、頭脳チップであるSoCを抜いてスマートフォンで最も高価な単一部品になった。世界のスマートフォン平均価格が1年で94ドル上がり、出荷量が減少したとの集計もある。 完成品価格の引き上げも相次いだ。ギャラクシーS26シリーズは、3年ぶりに出荷価格がストレージ容量に応じて6~20%上昇した。ティム・クックアップルCEOも、メモリー価格上昇分を顧客に転嫁しないよう努めたが、もはや耐え難い水準になったと明らかにしたことがある。メモリーで膨らんだ原価を他の部品で削ろうとする動きが、カメラ仕様の調整につながったとの分析が出ている。 カウンターポイントリサーチの集計では、中価格帯スマートフォンの部品原価も1年で52%上昇し、メモリーが全体原価の40%を占めた。中価格帯では、プロセッサーとカメラの仕様を下げる動きが先に現れた。 電子部品業界関係者は「カメラは画質の技術的な飽和が進んでいる」とし、「製造コストの圧迫が激しい状況なので、原価削減のために決めたようだ」と述べた。 ◆ 画質はAIズームで、価格は部品調整で守る 外れる3倍ズーム領域は、ソフトウェアで補う方向が取り沙汰されている。2億画素のメインセンサーの一部を切り出して使うクロップズームにAI補正を組み合わせれば、別途望遠レンズがなくても一定水準のズーム画質を確保できるという見方だ。カメラモジュールがなくなった内部空間を、バッテリー拡大などに使えるとの観測もある。 ただし、3倍画角は人物や日常撮影で活用度の高い領域であり、光学ズームを完全に置き換えるのは難しいという反論もある。仕様調整が消費者の体感品質低下につながれば、価格防衛効果が相殺されるとの指摘だ。 ...

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宇宙ごみと化したスペースXロケット、5日に時速8700kmで月に衝突

捨てられたスペースXのロケットが、月へ向かって飛んでいる。宇宙物体追跡の専門家ビル・グレイは、ファルコン9の2段目ロケットが5日未明(米東部時間午前2時34分ごろ)、月の表側西端のアインシュタイン・クレーター付近に衝突すると計算した。衝突速度は時速約8700km。音速の7倍だ。 該当するロケット上段は長さ約12m、重さ約4500kg規模だ。昨年1月、ファイアフライ・エアロスペースの「ブルーゴースト」など民間月着陸船2機を載せて打ち上げられた。1段目は地球に戻って回収されたが、任務を終えた2段目は月軌道を横切る楕円軌道に放置されたまま1年以上漂っていた。 衝突エネルギーはTNT3トン分に相当すると推定されている。ロスアラモス国立研究所のベンジャミン・フェルナンド博士は、直径約27m、深さ約5mの新たなクレーターが形成されるとの見通しを示した。 閃光は1秒もたたないうちに消えるが、数kmまで舞い上がる塵の柱は、望遠鏡で数十分間観測できる可能性がある。米航空宇宙局(NASA)の月偵察軌道船(LRO)と韓国の月軌道船ダヌリも、衝突前後のデータ収集に乗り出すと伝えられている。 人工物が意図せず月に衝突する事例は、2022年に中国のロケット残骸が月の裏側に落下して以来、2例目だ。今回は地球から見える表側であり、観測条件ははるかによい。正体が分かっている物体だという点が、さらに大きな違いを生む。質量・大きさ・速度がすべて確認された人工物の衝突は、自然隕石研究の基準点になり得る。衝突の物理モデルを実測で検証できる、まれな機会でもある。 構造的に見ると、今回の出来事は深宇宙軌道管理における制度の空白を浮き彫りにする。地球低軌道では、寿命を終えた衛星やロケットを一定期間内に処理するよう定めた規則がある。 米連邦通信委員会は、低軌道衛星に対して5年以内の軌道離脱を義務づけている。月を行き来する軌道は事情が異なる。処分義務は事実上存在しない。 ファルコン9はこれまで600回以上打ち上げられており、回収される1段目とは異なり、2段目はすべて使い捨てだ。月ミッションが増えるほど、放置された上段が積み上がる構造になっている。 科学界は今回の衝突を脅威よりも機会として受け止めている。フェルナンド博士は「破片の衝突が将来の宇宙飛行士にどれほど危険かを把握しようとするのが、関心の理由だ」と語った。グレイは「宇宙は混み合っている」と述べ、残骸の蓄積そのものに警鐘を鳴らした。 責任の所在をめぐっても見方は分かれる。2022年の衝突時、天体物理学者ジョナサン・マクドウェル博士は、深宇宙に物体を捨てる慣行は特定企業の失敗ではなく、業界標準であることこそが問題の本質だと指摘していた。今回も、残った燃料で太陽軌道へ押し出していれば衝突を避けられたとの分析があるが、そうする義務はどこにもなかった。 危険を誇張しすぎないよう警戒する声もある。月は、毎秒10~20kmで飛来する自然隕石と頻繁に衝突する天体だ。今回の衝突速度はそれより遅く、直ちに被害を受ける施設もない。 今回の衝突は、地球と月のあいだの空間が新たな混雑区域へ変わりつつあることを示す兆候だ。 NASAは民間月輸送プログラムを通じて商業着陸船を相次いで投入しており、中国・インド・日本も独自の月探査を拡大している。着陸船が1機打ち上がるたびにロケット上段が1つ、月横断軌道に残る構図であれば、今回のような衝突は偶然の問題ではなく時間の問題になる。 月環境の特殊性は問題をさらに大きくする。月には大気がないため、残骸が燃え尽きて消えることはない。衝突で飛び散る破片は、月軌道上の資産や将来の地上施設にそのまま脅威となる。 有人基地が建設された後、時速8700kmで落下する4.5tの物体は観測対象ではなく災害要因になる。監視体制の非対称性も明らかだ。 地球低軌道の物体は米宇宙軍の監視網と商業追跡企業が常時追跡しているが、深宇宙の残骸はグレイのような個人研究者の計算に依存している。監視の空白と規範の空白が重なっているわけだ。 規範の先取り競争という面もある。月資源開発と基地建設が現実味を帯びれば、地球と月の空間の交通ルールを誰が先に設計するかが、宇宙秩序の主導権に直結する。今回の衝突が残すデータと議論は、そのルール制定の最初の根拠資料になる。 技術的に最も根本的な解決策は、2段目を捨てないことだ。スペースXはファルコン9に代わる完全再使用型打ち上げ機「スターシップ」を開発している。 1段目のスーパーヘビーを発射塔に回収することに成功し、2段目である宇宙船本体まで戻す設計で、これまで12回の試験打ち上げを重ねてきた。スターシップが商用化されれば、月ミッションを終えた機体は残骸ではなく地球へ帰還する。 後発の動きはさらに一歩先を行く。米スタートアップのストーク・スペースが開発中の「ノバ」は、設計段階から2段再使用を前提にしている。再生冷却の金属熱保護材と水素エンジンを備えた2段目が、任務を終えた後に垂直着陸で戻る構造だ。 同社は今年末の初打ち上げを目指し、NASAと再突入技術の協力を進めており、軌道上の残骸を捕獲して地上へ持ち帰る機能まで設計に盛り込んでいる。再使用は打ち上げコストを下げる経済合理性から始まったが、そもそも残骸を作らない唯一の処分方法でもある。 再使用への転換が完了するまでの現実的な代案は、処分機動だ。任務終了後、残り燃料で上段を太陽軌道へ押し出すか、管理された再突入を行う方法である。今回のファルコン9上段も、太陽軌道へ送っていれば衝突を避けられたとの指摘がある。 技術がないからではなく、義務がないから行われなかったのだ。各国の打ち上げ許認可当局が、深宇宙ミッションの上段処分計画を許可条件として明記し、処分機動用の燃料余裕を設計に反映させればよい。 米連邦通信委員会が低軌道衛星に適用した5年処分規則を深宇宙へ拡張する考え方だ。NASAが民間着陸船輸送契約の条件に上段処分要件を含めるのも、すぐに実行できる手段である。発注者が契約で規範をつくる方式は、立法より速い。 国際規範は欧州の先例を参考にできる。欧州宇宙機関が2023年に主導した「ゼロ・デブリ憲章」は、2030年までに新たな宇宙ごみを作らないという目標を掲げ、100を超える機関・企業が署名したとされる。ただし、この憲章も地球軌道が中心だ。 ...

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31日のSKハイニックス株価反発の3つの理由、崔泰源・ADR・外国人

SKハイニックスの株価が31日、急反発し、1カ月以上続いた下落局面を断ち切った。崔泰源(チェ・テウォン)SKグループ会長の市場内買い付けと、ニューヨーク発の半導体ラリーが重なった結果とみられる。 韓国取引所によると、SKハイニックスは31日の寄り付き直後に約27%急騰し、130万ウォン台だった株価は160万ウォン台へ上昇した。日中にはストップ高に迫る29.13%まで上昇し、171万5000ウォンを記録した。サムスン電子も20%台で急騰し、KOSPIは序盤に16%超反発して6500台を回復、買いサイドカーが発動した。 ◆30日に3620株を購入、崔泰源氏の買い付けが公表で確認 金融監督院の電子開示によると、崔会長は30日にSKハイニックス普通株3620株を市場内で買い付けた。31日の追加開示で、平均取得単価は135万ウォン、総額49億ウォン規模であることが確認された。崔会長が個人名義でSKハイニックス株を保有するのは初めてだ。これまでは最大株主のSKスクエアを通じてのみ支配力を維持してきた。 30日の日中には、大口買いの主体をめぐる噂が証券業界に広がっていたが、開示によって買い手が崔会長であることが確認された。買い付けの背景には、株価が企業価値に比べて過度に割安だという判断と、責任経営への意思があったと伝えられている。 崔会長は17日に大韓商工会議所の済州フォーラムで、「メモリーは今後も必要なので、時間がたてば右肩上がりになる」「売ったり買ったりせず、そのまま持っているのが財産保全に良い方法だ」と述べていた。当時180万ウォン台だった株価は、その発言から2週間後には130万ウォン台まで下落していた。 ◆ADRは17%急騰、国内ではサイドカー発動 開示後に開いた米ナスダック市場では、SKハイニックスのADRが17.52%急騰し、149ドルで取引を終えた。マイクロソフトが好決算を受けて15.51%上昇し、マイクロンは18.36%、サンディスクは25.99%上昇するなど半導体株がそろって上げ、フィラデルフィア半導体指数は8.19%上昇した。 米国の6月個人消費支出(PCE)価格指数が前月比0.1%下落し、インフレ指標の改善が投資心理を支えた。MSCI韓国指数連動型上場投資信託(ETF)も11.79%急騰し、国内市場の上昇を予告した。 31日の国内市場では、外国人が有価証券市場で序盤だけで5兆7000億ウォン台を買い越し、指数急騰を主導した。急落局面で積み上がったオプションポジションが逆方向に作用し、上昇幅をさらに拡大させたとの分析も出ている。サンヨン・ミレアセット証券の常務、徐相瑛氏は「最近はオプション需給が下落を拡大させていたが、今日は逆に上昇を拡大する役割を果たした」と説明した。 証券会社は相次いで買い推奨を出した。世界DRAM市場3位のマイクロンの時価総額がサムスン電子に匹敵し、SKハイニックスより20%高く評価されている状況を踏まえ、韓国のメモリー企業株は過度な割安状態にあるという判断だ。 ◆49億ウォンの効果は心理面、持続条件は需給 SKハイニックスは先月25日に取引中、史上最高値の298万7000ウォンをつけた後、1カ月余りで半値近くまで落ち込んだ。単一銘柄レバレッジETFの副作用や半導体供給過剰懸念、中国メモリーの追い上げへの警戒感が重なり、30日の終値は132万2000ウォンまで下落していた。実績悪化を伴わない需給主導の急落だというのが、会社と証券業界の共通認識だ。 直前の3営業日でSKハイニックスは29.9%、サムスン電子は19.3%下落し、下げ幅が際立って大きかった。急落の深さにより、売られ過ぎゾーンで自律反発狙いの買いが入りやすい環境が整っていたとの見方もある。 買い付け額49億ウォンは、1日数兆ウォン規模の売買代金に比べれば需給を変える水準ではないとの評価がある。効果の本質は心理的シグナルだという解釈だ。企業内部の事情を最もよく知るオーナーが自らの資金で株を買った事実が、投資家の不安を抑える方向に作用したとみられている。 野村証券は29日のレポートで、KOSPI急落をファンダメンタルズ悪化ではなく需給要因と診断し、自社株買い・消却などの株主還元が次の再評価を導くと予想した。オーナーの買い付けで回復した投資心理が、企業側の還元策の実行につながるかが次の注目点とされる。 反発の持続条件としては、レバレッジ商品の資金流出の沈静化、AIメモリー需要と業績の裏付け、大型株の株主還元実行が挙げられる。1日の急騰よりも、需給と業績への信頼回復が鍵だという評価が続いている。

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メモリー危機、2028年まで続く見通し…アップル・アマゾンもコスト急騰を訴え

30日(現地時間)の決算発表で、アップルとアマゾンは相次いでメモリー半導体価格の急騰を業績の重荷として挙げた。半導体を供給する企業ではなく買い手である世界最大級の顧客企業が、コスト圧力を自ら公に認めた格好だ。 発表直後、ニューヨーク市場の時間外取引ではマイクロンの株価が4%、サンディスクが7%、ウェスタンデジタルが5%前後上昇した。ニューヨーク証券取引所に上場するSKハイニックスのADRも6%超上昇した。サンディスクとマイクロンは年初来でそれぞれ430%、212%上昇していた。顧客企業が示したコスト負担が、供給企業の業績期待を高める材料として受け止められたとの分析が証券業界から出ている。 ◆ クック氏「DRAM供給企業は事実上3社」…韓国依存の実態が確認された アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は決算発表で、6月期のメモリー調達費用が3月期より目立って増加したと明らかにした。 同氏は「9月期を見通すと、メモリー費用はさらに急激に上昇するだろう」と見通した。クック氏は「DRAM市場は事実上3社の供給企業が主導している」とし、「供給企業が増えれば、供給網と価格の両面で助けになるだろう」と述べた。 クック氏が言及した3社は、サムスン電子、SKハイニックス、マイクロンだ。このうち2社は韓国企業である。DRAMの寡占構造の中で、世界最大のIT企業でさえ韓国半導体への依存度を下げるのは容易ではないことが、CEOの発言を通じて確認されたという評価が出ている。 アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは「2026年の現金ベースの設備投資は約2200億ドル水準になる」とし、「メモリー費用の上昇が従来の2000億ドルという見通しを押し上げた」と明らかにした。 増加した200億ドルはウォン換算で約28兆ウォン規模だ。アマゾンは第2四半期だけで設備投資に約530億ドルを投じた。メモリー価格の変動が超大型企業の年間投資計画の修正につながった事例として記録された。 ◆ 工場増設に3年半…サムスン「不足は2028年まで」見通し 供給不足の背景としては、AIデータセンター投資の拡大がまず挙げられる。生成AIは大規模データセンター上で稼働し、データセンターのサーバーにはメモリーが大量に搭載される。 業界では、DRAMを作業中の資料を置く机に、NANDフラッシュを資料を保管する引き出しに、HBM(高帯域幅メモリー)をAI専用の高速机にたとえる。 アマゾン、マイクロソフト、グーグルなど大手クラウド企業がデータセンターを競って増設しており、需要が供給を大きく上回っているとの見方だ。 サムスン電子は30日の第2四半期決算発表のカンファレンスコールで、「今年の供給不足で満たしきれなかった需要が来年に繰り延べられ、2027年には不足が今年よりさらに深刻化し、2028年にも続くだろう」と明らかにした。 サムスン電子メモリー事業部のキム・ジェジュン副社長は「新工場の建設からウエハー生産まで3年半を超える期間を考慮すると、2028年まで大幅な供給拡大は難しい」と説明した。増設で対応しにくい供給制約が少なくとも2年以上続くという意味に受け止められている。 契約構造の変化も見えている。サムスン電子は全生産能力の60~70%を長期供給契約で縛る方針を示した。主要データセンター顧客5社とは、最長5年の契約をすでに締結している。価格の上下で注文が揺れやすかった市場が、複数年の取引量を事前に確保する市場へ変わりつつあるとの解釈が出ている。 SKハイニックスはAIの必須部品として定着したHBM市場を主導し、業績改善の流れを続けてきた。29日の第2四半期決算発表では、ニューヨーク市場のADRと国内株を行き来する転換制度を案内し、グローバル投資家層の拡大方針を示した。アップルとアマゾンが公表したコスト負担は、韓国2社の業績見通しと直結する構図だとの分析が続く。 ◆ 供給者優位の長期化、消費者価格への圧力に広がる メモリー産業は、好況と不況を行き来する代表的な景気循環業種とされてきた。価格が上がれば増設が殺到し、供給があふれれば価格が急落する流れが繰り返されてきた。 一方、現在の局面は性格が異なるとの分析もある。 需要は一時的な特需ではなく、数年単位のAIインフラ投資から生じており、供給は物理的に増やしにくい時期と重なっているためだという説明だ。 警戒する見方も共存している。米国株式市場では、巨大テック企業のAI投資がピークに近づいたとの懸念から、半導体株が調整を受けたことがある。 大規模投資が実際の収益につながるかはまだ検証されておらず、中国企業の追い上げも変数として残っているという見方が代表的だ。 ...

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ロボットを買う国、作る国、阻む国…韓国はどこに【ロボットインサイト】

米国が中国製ロボットに囲いを設ける一方で、韓国の物流倉庫と工場には中国のロボットが静かに存在感を広げてきた。 (写真=ユニトリー) 米連邦通信委員会(FCC)は28日、外国製の先端ロボット機器と電力変換装置を輸入制限リストに載せた。ヒューマノイドと四足ロボット、車輪や履帯で移動するモバイルロボットが対象だ。措置は直ちに発効し、まだ米国で販売認可を受けていない新規モデルに適用される。 ◆英国の倉庫を変えたロボット、米国は安全保障上のリスクと見た 中国・安微省合肥のギークプラス工場。倉庫ロボットの生産工程を中国・ギークプラスの自律走行型物流ロボットが倉庫に配備されている様子。(写真=ギークプラス)中国・ギークプラスの自律走行型物流ロボットが倉庫に配備されている様子。(写真=ギークプラス)英国放送協会(BBC)は、中国・安徽省合肥のギークプラス工場を訪れ、倉庫ロボットの生産過程を報じた。 ギークプラスは自律走行型物流ロボットで世界1位の企業で、昨年香港証券取引所に上場した。英国ではテスコやアスダ、ネクストがギークプラスのロボットを使っており、協力会社モーションテックは10の倉庫に2,000台以上を導入した。 平たい銀色のロボットは棚の下に入り込み、棚ごと持ち上げて作業者の前まで運ぶ。コンベヤーベルトを敷く従来の自動化とは異なり、床にQRコードを貼り、安全フェンスを設置すれば配備は完了する。建物を大きく改修する必要がない点が急速な普及の背景とされる。 FCCが問題視したのは接続性だ。外国で製造されたロボットが遠隔操作されたり監視に使われたりし、サイバー攻撃の経路になり得ると判断した。今年初めにはロボット掃除機が遠隔侵入を受け、カメラ映像やマイク音声、家の内部構造情報が流出した事故が根拠として挙げられた。米国内で生産する企業は例外とされた。 中国はヒューマノイドの世界市場の約85%を占めると推定される。中国政府は、根拠のない口実を掲げた貿易の政治化だとして反発した。9月に予定される習近平国家主席の訪米を前に出された措置であるだけに、両国関係に負担となるとの見方が出ている。 ◆国内には審査規定がない、ロボットが見るのは倉庫だけではない ギークプラスの物流ロボットが自動車部品を運ぶ様子。(写真=ギークプラス)ギークプラスの物流ロボットが自動車部品を運ぶ様子。(写真=ギークプラス)ギークプラスは2022年にソウルに韓国法人を設立して以降、国内に累計1万台以上のロボットを供給した。 CJ大韓通運・軍浦物流センターのロボット128台は、センター面積の83%を担当し、1日に3万件の注文を処理しているとされる。韓国法人の売上高は昨年2倍に増加し、適用範囲は自動車や二次電池、半導体の生産現場へ広がっている。 国内にはロボットを対象としたセキュリティ認証や公共調達制限の規定が整っていない。中国製ドローンについては公共機関での使用制限の議論が続いてきたが、産業・物流ロボットは議論の初期段階にとどまっている。 倉庫ロボットが扱う情報は、商品の位置だけではない。ロボットはカメラと距離センサーで施設内部を走査し、倉庫管理システムと連動して在庫と出庫量をリアルタイムでやり取りする。出庫の流れを見れば企業の売上動向を推し量ることができ、作業者の動線記録は人員運用情報となる。 半導体や二次電池工場でロボットが行き来する経路には、設備配置と工程順序がそのまま含まれる。通信機能を持つ機器は、ファームウェアの遠隔更新経路を通じて外部とつながり得る点も点検対象として挙げられる。 セキュリティ業界では、輸入禁止の是非よりも管理体系が先だという意見が出ている。国家核心施設や公共物流インフラに入るロボットに調達基準を設け、データの国外移転や遠隔接続権限、ファームウェア更新手順を認証項目に加えるべきだという提案だ。 すでに設置済みの機器について実態点検を行う案も併せて取り上げられている。ロボットを入れるなという主張ではなく、どの条件で使うのかを定めるルールを先に作るべきだという趣旨である。 ◆ロボット密度1位の逆説、急所は部品にある 韓国はロボットを最も多く使う国だ。韓国貿易協会の国際貿易通商研究院が今年1月に発表した報告書によると、労働者1万人当たりの産業用ロボット台数を示すロボット密度は1,012台で世界1位、新規設置台数は世界4位だった。 問題はその先にある。国内のロボット出荷量の71.2%が内需にとどまる一方、日本は70%以上を輸出している。素材・部品の国産化率は40%台にすぎず、完成品を多く作るほど部品輸入も増える構造が固定化しているとの診断だ。 依存先も明確だ。ロボット駆動に使われる永久磁石は輸入の88.8%が中国に集中し、精密減速機とコントローラーは日本と中国が最大の輸入国となっている。減速機はモーターの速い回転を遅くして力強く変える部品で、ロボットの関節精度を左右する。 日本は別の道を選んだ。減速機企業のハーモニック・ドライブとモーター企業の安川電機が世界市場の60~70%を握り、廃モーターから希土類を回収する再資源化体系で原材料ショックを吸収してきた。原材料から完成品までを垂直につなぐ供給網が輸出競争力の土台になったという分析だ。 中国がロボット強国になった経路はまた異なる。ブルッキングス研究所のカイル・チャン研究員は、電気自動車向けに開発されたバッテリーやモーター、カメラ、センサー、半導体がロボット産業に移り、生態系が重なったと説明した。電気自動車企業シャオペンが昨年ヒューマノイド「IRON」を発表した背景でもある。 ◆バッテリー・自動車・半導体をロボットへ 現代自動車グループはヒューマノイドロボット『Atlas』の生産現場投入を進めている。(写真=ボストン・ダイナミクスYouTube) ...

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気候変動が奪う年間43万人の命…90%が貧困国【気候、だからどうする⑥】

連載を始めるにあたって 気候に関する記事はあふれている。記録更新のニュース、氷が溶けるという警告、何度上がったという数字。読者は知っている。地球が熱くなっているという事実を。 本当に分かりにくいのは、その先だ。なぜある大陸は2倍の速さで熱くなるのか。なぜ豊かな都市が猛暑で崩れるのか。どんな対策が実際に人を守ったのか。答えはいつも記事の外にあった。 世界保健機関は先月、欧州の猛暑期間の超過死亡者数を1,300人以上と集計した。同機関は、対応策があるだけで死者を80%減らせたとも明らかにした。言い換えれば、備えが不足している分だけ被害が大きくなったということだ。気候危機はもはや気温の問題ではなく、備えの問題なのだ。 「気候、だからどうする」を始める。危機を知らせるだけで終わらない。原因を最後まで掘り下げ、すでに検証された解決策を探す。失敗した対策も記録する。何が通用し、何が通用しなかったのかを見極めてこそ次がある。<編集者注> ソリューションニュースDB 【主な内容】 ▶ 米シカゴ大学クライメート・インパクト・ラボは27日(現地時間)に発表した報告書で、気候変動による気温上昇の影響で2050年には年間43万人が追加で命を落とす可能性があると予測した。犠牲は豊かな国より貧しい国で10倍多く発生する。 ▶ 生死を分ける条件は冷房だ。報告書は、極端な暑さにさらされながらも冷房に使う電力の増加を期待しにくい「冷房の罠」地域を18カ国で見つけた。6億7,600万人が暮らし、年間37万7,000人が命を落とすと推計された。 ▶ 罠に閉じ込められた地域は、ニジェール、マリ、ブルキナファソ、チャドなどサハラ以南アフリカ北部と、パキスタン、バングラデシュ、ネパール、ミャンマーなど南アジアに集中している。 ▶ 同じ暑さでも所得が運命を分ける。ニジェールの一人当たり電力使用増加分はサウジアラビアの9分の1にとどまり、2050年のニジェールではサウジより年間2万7,000人多く犠牲になると予測された。 ▶ 低所得国の一人当たり電力増加分は、LED電球1個を4カ月つける程度にとどまる。中所得国の冷房用電力は低所得国より7倍速く増える。 ▶ 解決策は二つに示される。安くて安定した電気を供給する電力市場改革と、早期警報や受動的冷却のように電力への依存が少ない適応策を並行することだ。 猛暑が生命を脅かす時代に、エアコンをつけられる国とつけられない国の格差が、人的被害の格差として固定化されつつある。 米シカゴ大学の研究陣が率いる気候研究協力体クライメート・インパクト・ラボは27日(現地時間)、気温上昇がエネルギー消費に与える影響を分析した適応ロードマップ報告書を発表した。気候変動に伴う気温変化により、2050年には過去の気候と比べて年間約43万人がさらに命を落とし、その重みは貧しい国に10倍多くのしかかるという内容だ。 ◆ ニジェールとサウジ、同じ暑さでも生死は違う 猛暑が深刻になるほど冷房用電力需要は増えるが、電力アクセスの低い低所得国の住民は冷房の恩恵を十分に受けられないと見込まれる。 世界全体で見れば電力は増える。報告書は2050年までに世界の一人当たり電力消費が平均6%ほど増えると見込んだ。問題は、増え方が地域ごとに天と地ほど違ううえ、本当に電力が最も必要な場所には届かないことだ。 ...

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ソウル市福祉財団、ケア従事者の安全指針を配布…課題は実行

ソウル市福祉財団が、日常ケア・家事介護訪問支援サービスの提供機関に安全・権利保護ガイドブックを配布する。 要介護支援員の75%が被害を経験しており、通報しても利用者への制裁事例は事実上ない。 ソウル市福祉財団が、日常ケア・家事介護訪問支援サービスの提供機関に安全・権利保護ガイドブックを配布 在宅ケア労働の危険が、記録され始めた。これまで現場で個別に抱えてきた状況が、標準文書として整理された。 ソウル市福祉財団は、訪問型社会サービス従事者のための安全・権利保護ガイドブックを制作し、ソウル市の日常ケアサービスと家事介護訪問支援サービスの提供機関に配布する。暴言や暴行、セクハラ、感染症、転倒、感情労働といった状況を、実際の事例と段階別の対応要領として盛り込んだ。 構成は4つに分かれる。危機対応と予防を扱う「安全なケア環境」、従事者の保護と支援を盛り込んだ「堂々としたケアの権利」、コミュニケーションと倫理を扱う「尊重されるケア関係」、管理・点検マニュアルにあたる「体系的なケア運営」だ。機関管理者と従事者が一緒に使えるように作られた。 ユン・ユヒ財団社会サービス支援センター長は、ケアサービスの質は従事者の安全と権利が保障されてこそ向上できると述べた。ガイドブックは、新規従事者向け教育や機関独自の安全教育資料として使われる予定だ。 訪問型ケアの作業場は、利用者の家である。私的空間で一人が働くという条件が、危険の性格を決める。 同僚も目撃者もいない。暴言や身体接触が起きても証拠が残らない。サービス範囲が文書で明確に定められていても、密閉された空間では境界が曖昧になる。京畿道女性家族財団の政策報告書は、戸別訪問ケア労働の特徴として、孤立した労働と業務境界の曖昧さをともに指摘している。 数字が裏付ける。全国公共運輸労組が3月26日から5月30日までケア従事者435人を調査した結果、53.3%が利用者や家族から不当な扱い、暴言・暴行・セクハラを受けたと答えた。要介護支援員だけを見ると75.3%だ。被害を受けた際に一人で耐えるという回答は46.1%だった。 法律がないために生じた空白ではない。産業安全保健法は、顧客の暴言などによる健康障害を予防する義務を事業主に負わせる。要介護支援員も顧客対応労働者に含まれるというのが雇用労働部の解釈だ。問題は、法律が求める措置が店舗や事務室を前提に設計されている点にある。 暴言禁止の掲示文を出し、対応マニュアルを備えるという要求は、事業場が一つの空間である場合に成り立つ。訪問型では作業場が毎日変わり、その空間の管理者は利用者だ。今回のガイドブックが埋めようとしているのは、まさにこのギャップである。 現場指針が出たこと自体を前進とみる見方がある。これまで危機状況でどう行動すべきかについての標準がなかった。機関ごとの対応はばらばらで、新規従事者は先輩の体験談に頼っていた。文書化された基準は、少なくとも判断の根拠になる。 懐疑的な視線は、指針の性格を問題にする。危険の原因が従事者の対応未熟さではなく、1対1の孤立構造にあるなら、対応要領を教えるアプローチは責任の位置を個人側へ移しかねないという指摘だ。マニュアル通りにしなかったという事後評価の根拠に使われる余地も残る。 被害規模をめぐっても解釈は分かれる。労組調査の53.3%に対し、京畿道女性家族財団が戸別訪問ケア従事者を対象に行った調査では、言語的暴力17.7%、セクハラ・性暴力6.3%となった。標本構成と質問方法の違いによる差とみられる。公式統計がないこと自体が問題の一部だ。 制裁の実効性を指摘する声もある。健康保険公団は、性的言動があれば給付が中断されうると案内してきたが、実際の給付中断事例は確認されていないとの指摘が以前から出ている。 ケア人材の需要は今後も増え続ける。超高齢社会への突入後、訪問型サービスは施設中心のケアを代替する方向で拡大している。 人材流出が変数だ。熟練した従事者が現場を離れ、新規人材が入ってこないという訴えが現場で繰り返されてきた。安全は待遇の一部であり、待遇は供給の条件である。 指針が出た後こそが重要だ。配布そのものが成果になれば、文書はキャビネットに残る。機関が実際に何をしたのかを確認する手続きが伴ってこそ、指針は機能する。 ガイドブックは出発点にすぎない。従事者が危険を認識し、対応手順を知ることと、その手順を踏んだ際に不利益を受けないことは別問題だ。 最優先で見直すべきは、業務中断の代償だ。産業安全保健法は、暴言などが発生した場合、業務を一時中断または転換するよう定めている。訪問型ケアでは、この規定はそのまま収入減を意味する。多くが時給制で、訪問時間分だけ報酬を受け取るからだ。我慢すれば稼げて、対応すれば稼げない構造では、マニュアルは読まれない。 中断の決定が下された場合、その時間の賃金を補償し、別の利用者への再配置に優先権を与える仕組みを、指針とともに導入すべきだ。ソウル市予算で試験導入し、効果を測定する方法が現実的だ。 通報経路の利益相反も整理が必要だ。現在は、従事者が機関に知らせ、機関が判断する。機関の立場では、利用者離れは売上減少だ。通報を抑制する誘因が構造に組み込まれている。 自治区または広域単位に判定窓口を置き、サービス停止と利用者交代の決定を機関の外で行うよう分離すれば、この問題はかなり解消できる。決定権限が外にあれば、機関も利用者を説得しやすくなる。 利用者側の規範は契約文書に移すべきだ。給付中断が可能だという案内は以前からあったが、実際の適用事例は確認されていない。 ...

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[AI解法(75)] AIが描き直す雇用地図…伸びる分野、沈む分野

国内の主要グループが非中核事業を整理し、半導体・人工知能・ロボット・防衛産業へ資源を集中させる再編に拍車をかけるなか、産業再編はそのまま雇用再編へとつながっている。 国内の主要グループが非中核事業を整理し、半導体・AI・ロボット・防衛産業へ資源を集中させる再編により、産業再編が雇用再編へとつながっている。 28日、財界によると主要グループの事業再編は資産売却にとどまらず、組織と人員の再配置へと広がっている。高金利、地政学リスク、AI投資競争が重なり、外形拡大ではなく中核事業中心に身を整える流れが鮮明になっているという。 企業が再び盤面を組み替えるたびに、仕事の場所と性格も変わる。どの職務が増え、どの地域が成長し、どの国へ投資が流れるのか。三つの移動をたどると、変わった地図が見えてくる。 ◆ 非中核は売り、核心に集中させる。まず人が動く サムスン電子は、電力半導体(CSS)事業チームの人員を対象に、社内自由応募(FA)制度を23日から実施した。メモリー、システムLSI、ファウンドリなどへ段階的な再配置が進められる。 サムスン電子は電力半導体(CSS)事業チームの人員を対象に、23日から社内自由応募(FA)制度を実施し、メモリーやシステムLSI、ファウンドリなどへ段階的に再配置している。 サムスン電子は、ロボットを半導体に匹敵する成長エンジンとして育てるため、代表理事直轄の「RX事業推進室」を新設した。複数の組織に散らばっていたロボット人材をソウル・ウメンドンの研究開発キャンパスに集約し、亀尾事業場にはロボット学習用データを作成するデータファクトリーを建設する。 現代自動車グループでロボット企業ボストン・ダイナミクスの戦略を率いていた李東健(イ・ドンゴン)副社長を、ロボティクス戦略チーム長として招聘した。組織新設、拠点移転、外部人材の登用がひとまとまりで進んでいる形だ。 人材移動は半導体内部でも進んでいる。サムスン電子は収益性の低い電力半導体(CSS)事業チームの人員約500人を対象に社内自由応募制度を設け、メモリーやファウンドリなどへ再配置する手続きに入った。移った人材には成長部門の報酬体系が適用されるため、事業見通しと報酬がともに移動を後押しする構図だとの見方が出ている。 海外投資も並行して進む。人材と技術を一括で買い取る方式だ。英フィナンシャル・タイムズによると、サムスンはフランスのAI企業ミストラルAIに約10億ユーロ(約1兆7000億円)規模で投資する案を検討している。 SKグループは11番街、ウリストア、SKシールドス、SKレンタカーの持ち分を相次いで整理し、系列企業の規模を縮小してきた。電気自動車充電器子会社SKシグネットは、1株8200ウォンの公開買い付けで上場廃止した後、売却を進める方案を模索している。 半導体素材会社SKシルトロンの売却をめぐっては、苦悩が深まっている。昨年12月に斗山を優先交渉対象者に選んだが、AIによるメモリー好況で企業価値が4兆~5兆ウォン台から7兆ウォン台へと跳ね上がったとの見方が出ており、中核素材会社を売ってよいのかという問題提起が続いている。 崔泰源(チェ・テウォン)会長が半導体需要急増を「阿鼻叫喚」に例え、5年以内にメモリー生産能力を2倍にすると明らかにしただけに、売却強行と撤回の間でジレンマが大きくなっている。 現代自動車グループとハンファも方向は同じだ。ロボットと防衛産業という異なる看板を掲げてはいるが、非中核を減らして未来事業に力を注ぐ文法は同じである。鄭義宣(チョン・ウィソン)会長は最近の米AIサミットで、自動運転、ロボティクス、AI工場を包括する「フィジカルAIソリューション企業」への転換を推進すると表明した。自動車メーカーではなく、身体を持つAIを売る会社になるという宣言で、ボストン・ダイナミクス、エヌビディア、ウェイモとの協力が軸になる。 ハンファは米フィリー造船所と豪オースタルの持ち分確保で海洋防衛の軸を築き、韓国航空宇宙産業(KAI)の持ち分まで取得する一方、景気が冷え込んだ太陽光・化学系列のハンファソリューションは資産を売却して財務構造を整えている。伸ばす事業と縮小する事業の明暗が、そのまま雇用の明暗になる構造だ。 中堅グループもこの流れに乗っている。LG CNSは、エヌビディアやメタなど48社が参加するAI新素材開発の協力体に、国内IT企業の代表として加わった。斗山ロボティクスは、昨年買収した米自動化企業オネクシアの効果で第2四半期売上高が1年前より290%増え、ロボットソリューション企業への転換を加速させている。 ◆ 職務・地域・国境、三方向への移動が始まった まず職務が動く。低収益事業の熟練人材が、半導体・ロボット・AI部門へ移っている。新規採用で人材を育成して投入するには数年かかるため、企業は内部再配置と経験者採用でスピードを上げている。 主要グループの公開採用が相次いで廃止され、中途・経験者採用が定着する流れと重なり、新たに門を叩く求職者より、検証された経験者に有利な市場が固まりつつあるとの分析がある。成長部門へ移る人には機会だが、初めての職を探す若者には入口が狭くなるという両面性も指摘されている。 世界経済フォーラム(WEF)の未来の仕事に関する報告書の予測。 世界経済フォーラムの未来の仕事に関する報告書の予測 ...

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CXMT上場初日に466%急騰…時価総額712兆ウォン

中国のメモリ企業、長鑫メモリテクノロジー(CXMT)は、27日に上海証券取引所の科創板に上場し、初日に公募価格(8.66元)比465.82%高の49.0元で取引を終えた。終値ベースの時価総額は3兆2800億元(約712兆ウォン)で、従来1位だった中国工商銀行を抜き、中国本土の上場企業で時価総額首位に立った。 株価は取引時間中、一時公募価格比535%まで上昇した。1日の取引額は30兆ウォンを超えたと集計された。時価総額は米半導体企業インテルも上回った。 ◆ アジア最大級のIPO…流通株式6%で変動性に警戒感も CXMTは企業公開(IPO)で、公募価格8.66元で新株を発行し、579億2000万元(約12兆5000億ウォン)を調達した。超過配分オプションを含めると、公募規模は最大約14兆4000億ウォンに拡大する。今年のアジア市場最大であり、中国半導体企業としても過去最大規模だ。会社は調達資金を生産ラインの増設とDRAM技術の高度化に投入する計画だと明らかにした。 2016年に中国安徽省で設立されたCXMTは、10年でサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンに続く世界4位のDRAM企業と評価されている。 科創板は上海証券取引所が運営するテクノロジー株専門市場で、新規上場銘柄には最初の5取引日間、値幅制限が適用されない。初日に400%台の上昇が可能だった制度的背景がある。 公募の好調ぶりは、申込段階ですでに確認されていた。当初目標としていた公募額295億元を大きく上回る資金が集まり、最終的な調達規模が拡大した。 変動性を警戒する見方もある。ロイター通信は、義務保有確約株などの影響で上場直後に実際に流通可能な株式が全体の6%程度にとどまり、大きな株価変動が起こり得ると分析した。初日の株価には業績よりも、中国半導体自立への期待が反映されたと評価されている。 ◆ シェアは1年で3%→8%…汎用DRAMの供給空白を吸収 市場調査会社カウンターポイント・リサーチによると、今年第1四半期の世界DRAM市場の売上シェアは、サムスン電子が38%、SKハイニックスが29%、マイクロンが22%の順だった。CXMTは8%でこれに続いた。昨年同時期に3%だったCXMTのシェアは、1年で2倍以上に上昇した。 8%というシェアは、4位の地位を固める数字でもある。3強の寡占で固まっていた市場に、2桁シェアをうかがう4番目の事業者が現れたのだ。 DRAMは、コンピューターやスマートフォン、サーバーがデータを一時的に保存するために使うメモリーで、ほとんどの電子機器に搭載される部品だ。世界市場は韓国と米国の3社が事実上寡占してきた。 シェア拡大のスピードは、既存3社体制に変化の兆しが出ていることを示す指標と解釈される。 業界では、AI時代のメモリー市場再編がCXMT成長の背景にあるとみている。サムスン電子とSKハイニックス、マイクロンが高帯域幅メモリー(HBM)やDDR5など高付加価値製品の生産に集中する一方、汎用DRAMの供給が減少し、その需要をCXMTが吸収したという分析だ。 汎用DRAMは規格が標準化されているため、価格が購買判断を左右する市場だ。生産コストを下げた後発企業が、数量を武器に参入しやすい領域とされる。 中国政府の支援を土台にメモリー自立を進める核心企業という点も成長の原動力に挙げられる。最近では、AI需要の拡大を追い風に中国メモリー企業の価格交渉力が高まっているとの分析も出ている。後発企業による汎用市場の拡大が続けば、既存企業の汎用製品の収益性が圧迫される可能性があるとの見方もある。 ◆ HBM3サンプル開発…歩留まりとサイクルが残る変数 CXMTは最近、先端DRAMの量産を拡大する中、自社DDR5ベースの第4世代高帯域幅メモリー(HBM3)サンプルを開発し、技術競争力の強化に乗り出している。性能と歩留まりではサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンとの差がなおあるが、中国企業が自社HBM開発能力を確保している点で業界の関心が続いている。 同社がこれまで公開したHBM開発段階は、サンプル、すなわち試作品レベルだ。顧客認証と大量生産までは別の手続きが残っている。 HBMはDRAMを複数層に積み重ねてデータ処理速度を高めたメモリーで、AIサーバーの核心部品だ。汎用DRAMより技術障壁が高く、これまで韓国・米国の3社が事実上独占してきた領域だ。 ただ、サンプル開発と量産の間には隔たりがあるとの指摘も出る。試作品の製作と、顧客企業の品質基準を満たす大量生産の間に、歩留まりという関門があるためだ。メモリーは生産能力と歩留まり確保に大規模資本が必要な装置産業であり、今回調達した資金が追撃の速度を左右する変数とみられている。 メモリー半導体は、生産設備の構築に兆単位の資本が必要な装置産業だ。今回の調達資金規模がCXMTの増設と技術開発の速度を左右する要因とされる理由だ。 ...

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【テクノロジーNOW】MS、初のサイバーセキュリティAIを公開…「コストは半分」

マイクロソフト(MS)がサイバーセキュリティに特化した初の自社AIモデルを発表した。MSは27日(現地時間)、セキュリティの脆弱性を見つけて修正するAIモデル「マイ・サイバー・1・フラッシュ(MAI-Cyber-1-Flash)」を公開し、複数のAIエージェントを束ねた自社システム「Mダッシュ(MDASH)」に統合したと明らかにした。 ムスタファ・スレイマンMS AI部門最高経営責任者(CEO)は発表イベントで「かなり驚くべき結果だ」と述べ、性能を強調した。サティア・ナデラMS CEOも「Mダッシュと組み合わせることで、先行モデルの半分のコストで世界最高水準の性能を発揮する」と語った。 AIの進化によって攻撃者も強力なツールを手にした。膨大なコードの中から侵入経路となりうる欠陥を一つ見つけ出す作業は、以前よりはるかに容易で安価になった。 脆弱性を探すコストが崩れたことで、従来のセキュリティ手法は限界を露呈したとMSは診断する。時々点検し、後から修正する方式では、常時押し寄せる攻撃に対応できないというわけだ。攻撃がAIで自動化された以上、防御もAIで常時化しなければならないという論理が、新モデル投入の背景にある。 脆弱性とは、ソフトウェアに存在するセキュリティ上の欠陥を指す。ハッカーは欠陥を一つでも見つければシステムに侵入できるため、防御側は数多くのコードの中から弱点を先に見つけて塞がなければならない。探すべきコードは増え続け、それに加えて攻撃者の探索能力まで強まっており、防御の負担は一段と大きくなっている。 この新モデルの核心は性能そのものより、運用方式にある。MSは、セキュリティ対応は24時間続く任務であり、攻撃量が非常に多いため、いまやコストが実質的な制約になっていると説明した。 トークンとは、AIが情報を処理する最小単位であり、利用料金を決める基準でもある。セキュリティのように休みなく大量のコードを精査する作業では、トークン消費がそのまま運用費につながる。 その解決策として示されたのが、役割分担だ。小型で効率的なマイ・サイバー・1・フラッシュが全体業務の90%を処理し、特に難しい10%だけを大きく高価なモデルに渡す。ここで難題を担うモデルはオープンAIのGPT-5.4で、フラッシュより約10倍大きいとされる。 日常業務は安価な専用モデルで素早く処理し、高難度の問題が出たときだけ高性能モデルを呼び出す構造だ。毎回最高額のモデルを使わなくてもよくなるため、MSはMダッシュの従来の最上位仕様と比べてコストを半減できたと明らかにした。大きなモデル一つで全てを処理する方式から、問題の難易度に応じて複数モデルを使い分ける方式へ移行した形だ。 コスト引き下げの計算には、自社事情も背景にあるとの分析も出ている。MSはこれまで高価なオープンAIモデルへの依存度が高かったが、自社モデルの比率を高めれば外部モデルの利用料負担を減らせる。性能競争が「どれだけ賢いか」から「同じ性能をいくらで出せるか」へ移っている流れを示す事例と解釈される。 サイバーセキュリティ・ベンチマーク「CyberGym」の評価では、MSのMAI-Cyber-1-FlashとGPT-5.4を組み合わせたモデルが95.95%で最も高い成績を記録した。オープンAIのGPT-5.5 Cyberは85.6%で続いた。 ベンチマークとは、複数のAIに同じ問題を解かせて性能を比較する標準試験だ。セキュリティ分野では、実際に近い脆弱性をどれだけ正確に見つけられるかが重要な指標になる。 競合モデルとの差も示された。オープンAIのGPT-5.5 Cyberは85.6%、GPT-5.6 Solは83.6%、アンソロピックのMythos 5は83.8%、グーグルのGemini 3.5 Flash Cyberは83.2%を記録した。MSの組み合わせはMythosより12ポイント上回った。 自社モデルと競合他社のモデルを一つのシステムに混ぜて使う方式は、実用性を重視した選択とみられる。体裁よりも性能とコストを優先し、得意なモデルに得意な仕事を任せるアプローチというわけだ。 ただし注目すべき点は、MSのシステムがなおオープンAIモデルに依存していることだ。最も難しい問題の解決は自社モデルではなくGPT-5.4が担う。1位の成績表が純粋な自社技術だけの結果ではないことを意味する。 数字だけを見ると、自社モデルとGPTの組み合わせがオープンAI単独モデルより高い成績を出した点が目を引く。個別モデルの性能だけでなく、複数モデルを組み合わせて動かすシステム設計が結果を左右することを示しているとの評価もある。 ...

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