グーグルは最近、69ページにわたる「プロンプトエンジニアリング」ホワイトペーパーを公開しました。著者はリー・ブーンストラです。これは、人工知能(AI)モデル、特に大規模言語モデル(LLM)との対話の仕方によって結果が変わる可能性があることを体系的にまとめた文書です。

もっとも基本的な質問方法は大きく4つに分けられます。例を示さずに質問だけを投げかけるゼロショット(zero-shot)、一つの例を提示するワンショット(one-shot)、複数の例で方向を示すフューショット(few-shot)、そしてAIに全体の会話の性格やルールを事前に知らせるシステムプロンプト(system prompt)です。これに状況設定や役割付与を加えることで、AIがより精巧に反応します。
ホワイトペーパーでは様々なプロンプト手法が提示されています。問題が単純な時は短い質問でも十分です。しかし、論理や数学のように複雑な作業には戦略が必要です。

代表的な例としてチェイン・オブ・ソート(Chain of Thought)方式があります。思考の過程を段階的に説明するよう誘導する方法です。AIが答えを出す過程自体を追いながら論理的な流れを作ることができます。
続く技術としては、リアクト(ReAct)を紹介しています。推論と行動を結合した概念です。モデルがまず推論を行った後、必要な場合は外部ツールや情報を活用して問題を解決します。
この他にも様々な技術が一緒に紹介されました。トリー・オブ・ソート(Tree of Thoughts)は、多様な推論経路を同時に探索する方式です。セルフ・コンシステンシー(Self-Consistency)は、様々な回答を生成した後、最も一貫した結果を選択します。
プロンプト技術は今やプログラミングの分野にも大きな影響を及ぼしています。関数やアルゴリズムを直接実装するよう要求するとコードが自動で生成されます。以前は人が直接書いてテストしていた作業がプロンプト一行で解決されます。
複雑なコードの意味を一行ずつ説明したり、自動でテストコードを作成してくれることも可能です。コードの性能を改善したり文書を自動で整理するのにも使えます。実務開発者が業務速度を上げるためにすぐに適用できるレベルまで技術が上がっています。
質問をうまくするには条件が明確でなければなりません。ホワイトペーパーはプロンプトを作成する際に、明確な指示語、関連する例、望む結果の形式を具体的に教えることが鍵だと強調しています。
応答の多様性と一貫性の間でバランスを調整するために、temperature、top-k、top-pなどの設定値を活用できると説明しています。temperatureは応答の創意性を調整し、top-kとtop-pは複数の候補の中からどの回答を選ぶかを決定します。設定値が高いほど多様な結果が出ます。
最近ではプロンプト作成さえAIが代行する技術が開発されています。テキストだけでなく画像、音声など多様な入力を一緒に扱うマルチモーダルプロンプトも拡大されています。複数のモデルで同一のプロンプトを活用できるよう標準化作業も進行中です。
AI技術が精巧になるにつれて、質問設計能力が核心能力として浮上しています。グーグルが公開したこのホワイトペーパーは、その変化に実質的に対応できるマニュアルです。