生成型人工知能(AI)がソフトウェア開発の方法を根本的に変えています。
今や複雑なコードを直接書く必要もなく、「ウェブサイトを作って」と言うだけでプログラムが完成する時代です。
いわゆる「バイブコーディング(Vibe Coding)」と呼ばれるこの流れが個人開発者の実験段階を越え、本格的に企業領域へと拡散しています。
アメリカのAIベースのコーディングプラットフォームであるリプルリット(Replit)が12月4日(現地時間)、グーグルクラウド(Google Cloud)と新たな多年にわたる戦略的パートナーシップを締結したと発表しました。
両社はこの協力を通じてAIモデル統合、クラウドインフラ拡張、および企業向けバイブコーディング技術の支援を強化することにしました。

この協約により、リプルリットはグーグルの最新生成型AIモデルであるジェミナイ3(Gemini 3)とジェミナイ2.5 フラッシュ(Flash)、フラッシュライト(Lite)、画像生成モデルイメージン4(Imagen 4)をサポートすることになりました。
これらのモデルはコードの記述だけでなく、テキスト、画像、音声などのマルチモーダル(多形式)作業にも利用され、リプルリットプラットフォームの機能を大幅に拡張します。
また、リプルリットはグーグルクラウドの核心インフラサービスであるクラウドラン(Cloud Run)、クバネティスエンジン(Kubernetes Engine)、ビッグクエリー(BigQuery)を使用して大規模なプロジェクトを安定的に運営し、処理速度を高める予定です。
今回の協約には共同営業プログラム(Co-sell)とグーグルクラウドマーケットプレイス連携も含まれています。
これにより企業顧客が二社のサービスを同時に活用できる統合的なアプローチが可能になります。
トーマス・クリアン(Thomas Kurian)グーグルクラウドCEOは「今回の協力はリプルリットユーザーにグーグルのAIとクラウド機能をより深く結びつける契機となる」とし、「企業がAIコーディングを導入して開発効率を最大化できるよう支援する」と述べました。
リプルリットの共同創業者兼CEOアムジャド・マサード(Amjad Masad)は「リプルリットの目標は次の10億人のソフトウェア創作者を支援すること」とし、「フォーチュン(Fortune) 1,000大企業でのリプルリットのAIコーディング導入が急速に増えている」と述べました。
彼は「今回のグーグルとの協力を通じてインフラとAIモデルの統合が加速し、企業開発環境全般が一層効率的に進化する」と付け加えました。
リプルリットはすでに「デザインモード(Design Mode)」にジェミナイ3を適用して好評を得ています。この機能はユーザーが画面でアプリ構造を設計しながら対話でコードを修正できるようにしており、非専門家でも開発過程に参加できるメリットを備えています。
リプルリットは設立されてから10年も経たないうちに急成長を遂げています。
同社の年間売上は1年で280万ドルから1億5000万ドルに急上昇し、昨年9月の投資ラウンドでの企業価値は約30億ドル(約4兆円)と評価されました。
市場調査会社ランプ(Ramp)は、リプルリットが現在世界中のソフトウェア企業中で最も急速な顧客増加を記録しているとしています。
AIコーディング市場は現在、ビッグテック企業の核心競争舞台となっています。アンスロピック(Anthropic)は「クロードコード(Claude Code)」を通じて年間売上10億ドルを記録中であり、AI開発工具企業カーソー(Cursor)は企業価値が293億ドルに達します。
バイブコーディング市場でグーグルはリプルリットとの協力を通じてジェミナイモデルの適用範囲を広げ、AI・クラウドエコシステム内の地位を強化しようとしています。
アルファベット(Alphabet)の株価はジェミナイ3公開後、12%以上上昇しました。これはAIモデルの性能向上が実際の市場価値に繋がっていることを示す事例です。
リプルリットとグーグルの協力はAIコーディングを個人開発者のツールから企業の核心開発インフラに転換させる契機になると見られています。
二社は今後リプルリットプラットフォームにグーグルのAI機能をより深く統合し、企業開発チームが複雑なシステムを対話型方式で設計し、テストできる環境を整える予定です。
業界の専門家は「今回の協力はAIコーディングのアクセス性を大きく高める契機」とし、「企業がより迅速に製品を開発し、市場対応力を強化できるだろう」と分析しました。
AIコーディングはもはや未来技術ではなく、企業競争力の核心要素として位置付けられています。