イーロン・マスクが「グロキペディア」AI百科事典を公開予告

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By Global Team

イーロン・マスクは、自身が設立したAIスタートアップxAIの新しいプロジェクト「グロキペディア」を2週間以内に発表すると明らかにしました。マスクは5日(現地時間)、自身が運営するプラットフォームXを通じて「グロキペディアの予備ベータ版0.1を公開予定」とし、「既存の協力型百科事典よりもはるかに進んだ形態になるだろう」と述べました。

グロキペディアは9月30日に初めて発表されたプロジェクトで、マスクはこれを「宇宙の本質を理解するというxAIの最終目標に向けた必須段階」と説明しました。

グロキペディアの核心はAIが情報を自ら収集・分析し、信頼できる形に再整理することにあります。マスクは9月に開催されたポッドキャスト「The All-In Podcast」サミットで「このプラットフォームはウィキペディア文書、各種資料、PDFなど様々なデータを分析する」と明らかにしました。

AIモデル「グロック」は、収集した資料を検討し、各情報の真偽を判別し、「事実」、「部分的事実」、「虚偽」、「不完全」に分類します。これに基づいて内容を再執筆し、システムが判断した「最も正確なバージョンの真実」を提示する構造です。

このアイディアは当時のイベントに参加していたベンチャー投資家デイビッド・サックスが「このコンセプトを商業サービスに発展させてみよう」と提案し、本格化しました。マスクはこれに対し「非常に興味深い提案」と答え、肯定的な立場を示しました。

マスクはグロキペディアを「オープンソース知識リポジトリ」として運営する計画です。これは誰でもデータとアルゴリズムの作動方式を確認できるように透明に公開するという意味です。彼は「既存の協力型百科事典の閉塞的な構造を代替する新しいモデルになる」と強調しました。

マスクのウィキペディア批判は古くから続いています。彼はウィキペディアが政治的に偏った編集構造を持っており、特定の情報を検閲していると主張してきました。昨年10月には「ウィキペディアが名前を『ディックペディア』に変えたら10億ドルを寄付する」と揶揄する発言をしたこともありました。

ウィキペディア共同創業者ラリー・サンガー(Larry Sanger)は2002年プロジェクトから去った後、「ウィキペディアには政治的性向が強い管理者集団が存在し、これらが他の意見を持つ貢献者を排除する」と主張しました。

ウィキペディアは誰でも参加できるという長所がありますが、同時に事実検証が完全に行われていないという問題を抱えています。偏った貢献や議論の的となる項目に対する歪曲が繰り返し指摘されてきました。

マスクはこのような限界を補うために人間編集者の代わりにAIが情報を評価するよう設計したと説明します。ただし、AIが「真実」を判断するという概念自体がまた別の論争を引き起こす可能性もあります。アルゴリズムの基準が不透明であったり、学習データに既に偏向が存在する場合、その結果もまた偏向する可能性があるためです。

グロキペディアはxAIの拡張戦略の一環です。マスクは「来年末までにAIが直接制作したゲームを公開する計画」と明らかにし、これに向けた専門のゲームスタジオを設立中と付け加えました。

彼はxAIを様々な面でOpenAIと競争できる総合AI企業に育てるという構想を持っています。「AIが人間の言語を理解するだけでなく、知識を解釈し再構成できなければならない」というのがマスクの哲学です。

グロキペディアはまだインターフェースや公開日程が確定していませんが、マスクが明らかにした「2週間以内のベータ公開」が現実化するならば、AI基盤知識サービス市場の新たな競争構図が形成される展望です。

AIが人間の編集過程を経ずに情報を評価・再執筆する時代が現実化する場合、情報の客観性と信頼性に対する議論は一層深まるものと見られます。

XAI “情報真偽評価後、絶対的事実で再執筆される”
XAI “情報真偽評価後、絶対的事実で再執筆される”

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