カサバ、ニビディアと提携しアフリカ初のAI工場を設立、2025年6月稼働予定

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By Global Team

アフリカ大陸における人工知能(AI)産業の基盤を構築する試みが本格化しています。ジンバブエ出身の億万長者ストライヴ・マシイワ(Strive Masiyiwa)が率いるカサバ・テクノロジーズ(Cassava Technologies)は、2025年6月までに南アフリカにアフリカ初のAI工場を設立することを28日に発表しました。

このプロジェクトは米国の半導体企業NVIDIAとの戦略的協力に基づいて進められ、NVIDIAのGPUを基盤としたスーパーコンピュータとクラウドアーキテクチャを主要インフラとして導入します。カサバは、この工場を通じてAI as a Service(AIaaS)を提供し、医療、農業、エネルギー、金融など多様な分野に高性能AIコンピューティングサービスを供給する計画です。

シリコンバレーで出会ったジェンソン・ハンNVIDIA CEOとカサバ・テクノロジーズの主要関係者たち。
シリコンバレーで出会ったジェンソン・ハンNVIDIA CEOとカサバ・テクノロジーズの主要関係者たち。

AI工場はエネルギー効率的なデータセンターとして設計され、データをアフリカ内で処理・保管してデータ主権と地域規制を満たすように構築されます。カサバは自社が保有するアフリカ全域の超低遅延光ファイバーネットワークを活用し、エジプト、ケニア、モロッコ、ナイジェリアなどにサービス提供地域を拡大する方針です。

カサバ・テクノロジーズが構築中のアフリカ初のAIファクトリー。スーパーコンピュータ基盤のデータセンターで、NVIDIAのAI技術が適用されます。
カサバ・テクノロジーズが構築中のアフリカ初のAIファクトリー。スーパーコンピュータ基盤のデータセンターで、NVIDIAのAI技術が適用されます。

カサバは、今回の工場設立を通じてアフリカで初めてNVIDIAクラウドパートナー(NCP)認証を受けることになりました。これを基に、現地政府、研究機関、企業がAI演算資源に直接アクセスし、AIモデルの開発、分析、推論など多様な応用分野の自立化を助けることが核心目的です。

ストライヴ・マシイワ カサバ執行会長は「このAI工場がアフリカの革新者たちが外部を見ずに技術の突破口を作ることを支援し、このインフラはアフリカがAI基盤の経済に飛躍する基盤となる」と述べました。

最近、アフリカではカサバ以外にもマイクロソフトやUAEのG42がケニアで地熱エネルギーを活用したデータセンター構築を発表するなど、デジタルインフラに対する投資が拡大しています。今回のカサバプロジェクトは、こうした流れの中でアフリカがグローバルAIエコシステムで独自の位置を確保しようとする信号として評価されています。

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