
グーグルの人工知能(AI)モデル「ジェミニ(Gemini)」が、リリースからわずか5カ月で月間アクティブユーザー数(MAU)3億5000万人を超えた。
米国時間24日、米IT専門メディア「テッククランチ」によると、グーグルは現在進行中の米司法省による検索市場独占禁止法訴訟の審理において、最新のジェミニのMAUが3億5000万人に達したと明らかにした。昨年10月時点での4200万人から、約8倍に急増したことになる。
日間アクティブユーザー数(DAU)も同期間で900万人から3500万人へと約4倍に増加した。オープンAIの「ChatGPT」は現在5億人のMAUを記録しているが、両者の差は急速に縮まっている。ChatGPTも昨年10月当時は4200万人規模に過ぎなかった。
ジェミニの急成長には、サムスン電子との提携が大きな役割を果たした。グーグルはジェミニ2.0および2.5モデルを発表し、サムスンの「Galaxy」スマートフォンにプリインストールした。この戦略により、ジェミニの普及と利用促進が進んだ。
一方で、サムスン電子との協力関係が現在の独占禁止法訴訟においてグーグルにとって負担となる可能性も指摘されている。米司法省は、グーグルがジェミニ拡販のためにサムスンに巨額の資金を提供していると主張している。
グーグルは、今年1月にサムスンとの契約を締結し、少なくとも2年間はジェミニ搭載に対する対価を支払うことに合意したと説明した。契約は2028年まで延長可能だという。
ジェミニは、グーグルが自社エコシステムを強化するための戦略の中核を成している。ユーザー数の急増は、この戦略が一定の成果を上げていることを示している。ただし、公正取引問題に発展した場合、長期的にはグーグルのAI事業に影響を及ぼす可能性もある。