サムスン電子、視覚・聴覚障がい者向けテレビを無償提供—韓国政府支援事業に6年連続選定

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By Global Team

韓国のサムスン電子が、韓国放送通信委員会(日本の総務省に相当)が主導する「視覚・聴覚障がい者向けテレビ無償支援事業」の公式供給企業に、6年連続で選ばれた。

この事業は、視覚や聴覚に障がいを持つ人々がテレビを通じて情報へ平等にアクセスできるよう、特別仕様のテレビを無償または低価格で提供するというもの。申請者の中から優先順位に基づいて対象者が選ばれ、低所得世帯の障がい者には無料で、それ以外の希望者には約5万ウォン(約5,700円)の自己負担で支給される。

サムスン電子は今月末から、43インチのフルHDスマートテレビ「KU43F6310FFXKR」の配布を開始する。配布台数は前年より3,000台多い3万5,000台に拡大され、過去最大規模となる。

この特別仕様のテレビには、色覚異常のある視聴者向けに「白黒モード」や、色の認識を助ける「SeeColorsモード」など、視覚サポート機能が搭載されている。さらに、AIによって手話の位置を自動で最適配置する機能や、画面の一部を拡大できる機能など、視覚障がい者が快適にコンテンツを楽しめる設計がされている。

また、音声ナビゲーションや音声速度・高さ・性別の調整、背景音の制御なども可能で、視覚に不自由がある方に配慮。聴覚障がい者向けには、字幕の位置やサイズ調整、音声の多重出力といった機能も提供される。

サムスン電子・韓国営業本部のオ・チオ副社長は「すべての人が制限なくテレビを楽しめる環境を整えることが、我々の責任だと考えています」とコメントし、今後もアクセシビリティ技術の強化に取り組んでいくと述べた。

テレビの配布申請は、住民登録地にある自治体の窓口、もしくは専用のオンラインサイトから本人名義の携帯電話による認証を行い、手続きを進めることができる。

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