韓国・ソウル特別市議会は、都市型キャンパス制度の法的根拠を整備する全国初の条例を制定した。国民の力所属のキム・ギュナム市議会議員(松坡区第1選出)が代表発議した「ソウル特別市教育庁 都市型キャンパスの設立および運営に関する条例」が、6月27日に開かれた第331回本会議で可決された。
この条例は、都市型キャンパスの概念を制度的に明確化した韓国初の地方自治体レベルの法規であり、ソウル市教育庁が教育ニーズに柔軟に対応できる新たな学校形態を運営できるようにするものだ。都市型キャンパスは、従来の正規学校のように数百人規模の生徒数基準を満たさなくても設立可能な分校型の学校であり、本校と同じ教育課程を提供する。
このような仕組みは、過密学級の緩和や学校空白地域における通学環境の改善に効果があるとされており、小規模校の利点を保ちながらも、教育庁の予算や空間を効率的に活用できると評価されている。
特に、松坡区蚕室4洞は現在中学校がなく、生徒たちは近隣地域まで長距離通学を強いられている。さらに4,500世帯規模の大規模アパート団地の入居が予定されており、中学校設立の需要が急増しているにもかかわらず、既存の設立基準を満たすのが困難な状況だった。
今回制定された条例には、教育監が都市型キャンパスを設立・運営する責務を明記し、基本計画の策定を義務づけるとともに、地域住民や教育庁、専門家らが参加する協議体の構成などが盛り込まれた。協議体は教育監または教育長が住民の意見を反映して構成し、諮問的役割を担う。
キム・ギュナム市議は「これまで中学校が存在せず、遠くまで通学せざるを得なかった教育の死角地帯を見過ごすことはできなかった」と述べ、「地域発展のために共に努力してきたパク・ジョンフン国会議員と力を合わせ、必ず中学校の新設を実現させる」と語った。さらに、今回の条例の可決がその実現を加速させる制度的土台になると強調した。
一方で、ソウル市教育庁は現在、「蚕室4洞における中学校新設のための都市型キャンパス設立の妥当性調査」を進めている。貯水池敷地やオンジョマル公園用地など、さまざまな候補地を対象に検討が行われており、条例の制定を契機に具体的な設立計画が策定される見込みだ。