
ソウル市ソチョ区が自殺や自傷のリスクを抱える青少年の保護を目的に、医療機関との連携体制を構築した。ソチョ区青少年相談福祉センターおよび区内の学校外青少年支援センター「クムドゥリム」は、11日、カトリック大学ソウル聖母病院の「命を守る危機対応センター」と業務協約を締結したと発表した。
今回の協約は、自殺リスクの高い青少年に対する早期介入と、ワンストップ支援体制の整備を中心とした内容となっている。両機関はカウンセリングと医療サービスを連携させ、迅速な対応と継続的なケアを実現する方針だ。特に自殺未遂者や高リスク層に対し、専門的な相談および医療支援体制を具体的に機能させることを目指している。
ソチョ区青少年相談福祉センターの統計によると、2024年に相談を受けた青少年1,142人のうち、81.4%にあたる930人が「精神的に高度な危機状態」にあると分類された。このうち65人は自殺・自傷のリスクが高いグループとして特別管理されている。青少年のメンタルヘルス問題が深刻化する中、地域レベルでの迅速な対応体制の構築が急務となっている。
女性家族部(日本の厚労省に相当)は、全国の青少年相談福祉センターを中心に「高リスク心理クリニック」モデルを進めており、ソチョ区センターも危機対応チームを編成し、早期発見からケース管理、事後対応まで一貫した支援体制を運営している。心理評価、定期的なケース会議、相談員の専門研修などを通じて、支援の質も高めている。
ソチョ区青少年相談福祉センター兼クムドゥリムセンターのヤン・ミラ所長は「今回の協約により、より実効的かつ迅速な対応基盤が整った。今後も自殺や自傷のリスクが高い青少年のために、地域のセーフティネットを一層強化していきたい」と語った。
なお、ソチョ区青少年相談福祉センターは女性家族部とソチョ区の支援を受けて「ブルーツリー財団」が運営しており、9歳から24歳までの青少年を対象に、心理カウンセリングや治療、福祉サービスを提供している。「クムドゥリム」センターは、学校外青少年を対象にした自立支援・キャリア支援プログラムなどを展開している。