イーロン・マスク(Elon Musk)は、テスラ(Tesla)が数年前から人工知能(AI)半導体と回路設計技術を自社で開発してきたことを明らかにし、現在、世界で最も速く実際のAI技術を商用化していると述べました。
マスクは23日（現地時間）にX（旧Twitter）で「テスラはすでに数百万台の車両とデータセンターにAIチップを搭載している」と述べました。彼は「現在の車両に取り付けられているチップはAI4世代であり、AI5は完成間近で、AI6の開発もすでに始まっている」と付け加えました。
マスクは、「今後12ヶ月ごとに新しい世代のAIチップを量産する計画」であり、「生産速度は世界中の他のAI半導体メーカーを合わせたものより速くなる」と強調しました。さらに「その文をもう一度読んでみてください。冗談ではありません」と述べ、自信を示しました。
テスラが独自に開発中のAIチップは自動運転車の安全性を高め、人型ロボット「オプティマス(Optimus)」を通じて医療支援など多様な分野で活用される見込みです。マスクは「この技術はより安全な運転で数百万人の命を救い、医療サービスをすべての人に提供するのに貢献する」と強調しました。
「AI5完成間近…毎週自ら会議を主催」
マスクはまた、「私はチップ設計の過程に深く関与しており、毎週火曜日と土曜日にエンジニアリングチームと直接会議を進めている」と明らかにしました。彼は「土曜日の会議は短期間で、AI5が完全にテープアウト（チップ設計完了段階）されれば、もう必要なくなるだろう」と話しました。
彼は最近テスラのAIチップアーキテクチャとハードウェアエンジニアを大規模に採用しており、今回の発言は人材誘致のための技術力を誇示する性格もあるとの分析が出ています。
テスラは2019年に自動運転専用チップを自社開発し、「フルセルフドライビング(FSD, Full Self-Driving)」システムに適用し、外部半導体依存度を大幅に下げました。その後スーパコンピュータ「ドージョー(Dojo)」を中心にAIデータ処理能力を強化しており、完全な自動運転技術とロボット開発を同時に推進中です。
「AIチップ、自動運転を超えて医療とロボットに拡張」
マスクはテスラのAIチップが単に車両用半導体に留まらないと見ています。彼は「AI技術は最終的に人の命を守り、人型ロボットオプティマスを通じて医療サービスを提供するのに使われるだろう」と述べました。
オプティマスはテスラが開発中のヒューマノイドロボットで、工場自動化とケアサービスなど多様な分野で活用される予定です。マスクは「テスラのAI技術は自動車会社を超え、人類の生活を改善する方向に発展している」と話しました。
テスラの次世代AIチップが予定通り毎年発売されれば、同社は自動運転・ロボット・エネルギーシステムまでを網羅する独自のAIエコシステムを構築することになります。業界では「テスラがAI半導体でもエヌビディア(NVIDIA)を脅かすことができる」との予測が出ています。