ホンダがシビックハッチバックハイブリッドの生産を日本からアメリカに移転します。
ホンダは2025年6月または7月までに埼玉県寄居の工場での生産を中止し、アメリカのインディアナ州グリーンズバーグにあるインディアナオートプラントに生産を移行します。
現在、インディアナ工場はシビックハッチバックとCR-Vを生産しており、転換後はシビックハイブリッドハッチバック専用の生産拠点として運営されます。
ホンダは今回の決定がアメリカの輸入車に課されている25%の関税に対応するための措置ではないと説明しました。しかし、発表時期が関税施行直後と重なり、実質的には税金回避目的が含まれているとの解釈が出ています。
米国内でホンダの主力モデルであるシビックは昨年、前年対比21%の販売増加を記録しました。ハイブリッドモデルは北米市場で賞も受賞しつつ地位を強化しました。

現在、ホンダはアメリカで販売される車両の約70%を現地で生産しています。今回の生産移転もこのような戦略の延長線上として分析されています。
インディアナ工場は2,700名以上が勤務しており、累積生産300万台を超えています。ホンダは将来、オハイオ州メアリーズビル工場で生産していたアコードの一部をここに移転する予定です。
今回の転換はハッチバックハイブリッドモデルに限定されます。カナダのオンタリオ州アリストンで生産されるシビックハイブリッドセダンは既存の生産体系を維持します。
ホンダは一時、次世代シビックをメキシコのグアナファト工場で生産する計画もありましたが、2025年初めにその計画を撤回しました。貿易環境の変化が主要な要因として作用しました。
市場調査会社S&Pグローバルモビリティは、関税が続く場合、アメリカ国内の自動車販売が年間70万台減少し、北米の生産量も128万台減少すると予想しています。
ホンダは生産地をアメリカに移すことで価格競争力を確保し、雇用拡大を強調するアメリカ政府との政策的摩擦も減少させることができるようになりました。