北米がAI投資の86%を集中、オープンAIが400億ドル資金調達でグローバル投資構図を再編

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By Global Team

人工知能(AI)分野に対する全世界のベンチャーキャピタル(VC)投資の86.2%が、アメリカを中心とした北米地域に集中していることがわかりました。

市場調査機関ピッチブック(PitchBook)によると、2025年2月から5月までに1,528件の投資取引を通じて北米地域のAIおよび機械学習スタートアップに697億ドルが流入しました。同じ期間、ヨーロッパは742件、64億ドル、アジアは515件、30億ドルにとどまりました。

こうした北米市場への資金集中の決定的な背景には、オープンAI(OpenAI)の400億ドル規模の投資ラウンドがあります。2025年3月に成立された投資は、日本のソフトバンク(SB)が主導し、オープンAIはこれにより企業価値3,000億ドルを記録しました。これは非上場企業としてスペースX(3,500億ドル)に次ぐ世界2位の規模です。

今回の投資は1段階で100億ドルが投入され、12月までに300億ドルが追加執行される予定です。ただし、オープンAIが年末までに営利構造に転換しない場合、投資額は最低200億ドルに縮小される可能性があります。この資金はスタゲート(Stargate)プロジェクトやコンピューティングインフラの拡張、一般知能(AGI)の開発に使用されます。

写真 The White House
写真 The White House

このように莫大な資金が北米市場に流入しましたが、同時にアメリカ国内のAI研究環境は徐々に縮小しています。トランプ政権は国立保健研究所(NIH)と国立科学財団(NSF)の予算をそれぞれ37%、50%以上削減しました。これについてアメリカ科学振興協会(AAAS)は「アメリカの科学リーダーシップを終息させる可能性がある」と警告しました。

ヨーロッパは同じ期間に46億ユーロをAIスタートアップに投資しており、これは全体のベンチャー資金の27.5%でSaaS分野を初めて上回りました。ヨーロッパ連合(EU)はホライゾンヨーロッパ(Horizon Europe)、EICアクセラレーターなど公的資金を通じてAI産業を支援していますが、スーパーラウンドの不在と大規模取引でのアメリカ資本への依存度が依然として高いという指摘もあります。

アジア地域の場合も同様の様相です。AIスタートアップのディープシーク(DeepSeek)、バタフライエフェクト(Butterfly Effect)など一部有望企業がありますが、AI半導体輸入制限などの規制で大規模投資が難しい状況です。

今年北米地域は全体AI投資金867億ドル中697億ドルを吸収しました。これは昨年75.6%だったシェアを大きく上回る数字です。投資家たちはアメリカの政治・財政環境が不安定であるにもかかわらず、依然として技術革新の成果が最も大きい地域としてアメリカを選んでいます。

グローバルAI投資が北米に集中するなか、韓国を含む他国の競争力格差はさらに広がっています。技術人材と研究者、投資金が一方向に偏るなか、韓国AIエコシステムが主導権を失う可能性が高まっています。

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