家を侵占したカビ

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By Global Team

都市のアパートの壁に育つのは絵ではなくカビです。都心の新築住宅でもカビの侵入を防げません。

ソウルの新築アパートの入居者たちは、昨冬中ずっと目に見えないカビと戦わなければなりませんでした。入居してからわずか6カ月で浴室、バルコニー、壁面にカビが広がり始め、管理事務所は「冬の結露による自然現象」だとして責任を回避しました。しかし、実際には設計に問題がありました。外壁の断熱材が正しく施工されておらず、室内外の温度差による結露が継続的に発生し、この湿気がカビの繁殖の主な原因となりました。

韓国建設技術研究院によると、新築建物で発生するカビ問題の60%以上は、外壁の断熱不良や結露防止設計の不足から始まります。国土交通部が2023年に発表した住宅環境実態調査でも、回答者の28.5%が「室内のカビ問題を経験した」と答えました。そのうちの40%以上が5年以内の新築建物で問題が発生しました。

外壁断熱不良がもたらしたカビの大混乱、新築アパートでも安全ではない
外壁断熱不良がもたらしたカビの大混乱、新築アパートでも安全ではない

カビの繁殖条件は明確です。湿度60%以上、温度20度から30度の間、通気が良くない暗い空間です。この条件が揃った場所なら、どんな建築材料でもカビの宿主になり得ます。木材、繊維、シリコン、さらにはコンクリートも例外ではありません。

以前はカビ問題は主に古い住宅で発生すると考えられていましたが、最近では新築アパートやオフィステルでも多く報告されています。2024年にソウル市の共同住宅欠陥申告センターに受け付けられた内訳中、カビ関連の民願が1年で35%増加しました。特に首都圏の郊外地域の新都市型住宅団地で高い割合で見られ、大規模な建設過程での速い施工と断熱不良が主な要因として指摘されました。

韓国の建築基準はカビ発生の可能性を構造的に排除するには不十分です。現行の「建築物エネルギー節約設計基準」は断熱性能や結露防止に関する項目を明示していますが、実際に施工と検査過程で履行されているかどうかを徹底的に確認するシステムが不備です。カビが確認されても、構造的欠陥判定を受けるためには外部専門家の鑑定と精密調査が必要で、立証責任は入居者にあります。

また、カビは時間が経つと拡散するため、対応が遅れると住空間自体の機能が深刻に損なわれます。一部の例では、カビによって壁面の塗装仕上げ材が剥離したり、内部の木造構造が腐食することもありました。カビ菌胞子が空気中に拡散し、居住者の健康にも影響を及ぼしますが、法的な欠陥として認識されるまでには長い行政手続きが伴います。

深刻なカビ汚染現場、防護服を着た作業者が専門機器で清掃に乗り出した
深刻なカビ汚染現場、防護服を着た作業者が専門機器で清掃に乗り出した

カビ予防の核心はただ一つ、湿度調節です。室内湿度を40~60%に保つことが最優先です。浴室やキッチンのように水分が多い空間は、使用後すぐに換気し、結露発生の可能性がある空間には除湿機を設置する必要があります。さらに、外壁と家具の間を空け、定期的な清掃、漏水の有無を確認することが重要です。既にカビが発生したら、漂白剤や過酸化水素などの除去剤を使用する際には、換気と保護装備の使用が必須です。

政府レベルでのカビ予防対策の策定が急務だという声も大きくなっています。アメリカ環境保護庁(EPA)は、室内カビ管理のために基準湿度、換気ガイドライン、カビの検出及び除去マニュアルを提示しており、多くの州では関連法律も整備されています。国内でも同様の実効性を持つ規制と対応マニュアルが求められています。

カビは単なる生活不便を超えて、構造的欠陥と健康リスクという多様な問題を伴う現象です。既に多くの家庭に深く入り込んでいます。カビとの戦いはもはや消極的な対応だけでは不十分です。事前の遮断が重要であり、室内の湿度管理と結露防止、換気設計はカビのない住環境の最低限の条件です。日常の点検と予防が積み重なったとき、見えない侵入者との戦いはようやく均衡を取り戻すでしょう。

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