高タンパク質の’紅蚕(こうさん)’、体重減少に効果的

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By Global Team

農村振興庁(庁長 イ・スン・ドン)は、12月4日、紅蚕の体重減少効果とその作用機序、主要活性物質を科学的に明らかにしたと発表しました。これに基づいて紅蚕の機能性食品素材化と産業化基盤を本格的に確立する計画です。

「紅蚕」は、タンパク質含量が最も高い時期の蚕(熟蚕)を蒸して凍結乾燥して作られたもので、シルクプロテインが豊富なことが特徴です。栄養成分の70%以上がタンパク質で構成されており、グリシン(10.4%)、セリン(6.3%)、アラニン(8.4%)などのアミノ酸が多量に含まれています。脂肪(約15%)は主にリノレン酸とオレイン酸などの不飽和脂肪酸で構成されています。

紅蚕原物と粉末(出典=農村振興庁)
紅蚕原物と粉末(出典=農村振興庁)

農村振興庁は、チャ医科大学校(キム・ウニ教授研究チーム)と共同で動物実験を実施しました。高脂肪飼料を摂取し、肥満を誘導した実験ラットに紅蚕(0.01〜0.1g/体重kgあたり)を12週間投与した結果、肥満ラットの平均体重増加量は30.37gでしたが、紅蚕を与えた群は25.25gと約17%減少しました。また、紅蚕を0.1g/体重kgあたり摂取した群では肝中性脂質が56.1%、肝コレステロールが41.8%減少しました。

研究チームは、紅蚕が肝細胞の代謝調節受容体であるGPR35に作用し、脂肪合成を抑制し消費を促進する機序を通じて体重と脂肪蓄積を減少させたと分析しました。

紅蚕タンパク質の活性物質は、グリシン・セリン・アラニンが繰り返された形態のペプタイドであることが確認されました。細胞にこのペプタイドを処理した結果(100μg/mL)、脂肪蓄積細胞の脂肪含量が34.9%減少しました。これはAMPK遺伝子活性を高め、脂質代謝を改善し脂肪肝を抑制する効果につながったことが示されました。

体重 81.22→80.34kg (-1.1%)、体質量指数 27.69→27.39kg/m3 (-1.1%)(出典=農村振興庁)
体重 81.22→80.34kg (-1.1%)、体質量指数 27.69→27.39kg/m3 (-1.1%)(出典=農村振興庁)

農村振興庁は、前臨床結果を基に産業界と協力し人体適用試験も進行しました。全北大病院と原光大全州韓方病院が成人72名を対象に12週間、1日1.2gずつ紅蚕粉末を摂取させた結果、体重は平均0.9kg(-1.1%)、体質量指数(BMI)は0.3kg/m²(-1.1%)減少しました。特に脂肪肝を伴う肥満群でより顕著な効果が見られました。異常反応は観察されず、紅蚕の安全性も確認されました。

今回の研究結果は、「紅蚕粉末を含む非アルコール性脂肪肝疾患の予防または治療用薬学的組成物」(特許出願番号10-2024-0139812)として特許出願されました。農村振興庁は産業界と協力し、基準規格、安全性、機能性評価資料を整理した後、紅蚕を国内外の健康機能食品機能性原料として登録するための手続きを進める予定です。

また、紅蚕の産業化のための後続研究も推進していきます。紅蚕の生産に適した国内蚕品種(白玉蚕、頓関蚕)を区別できる遺伝子マーカーを開発し、輸入原料から国内養蚕農家を保護し、オートメーション飼育技術を通じて年間安定的な原料供給体制を整備する計画です。

国内成人の肥満率は過去10年間で26.3%から34.4%に8%ポイント以上増加し、30〜40代男性の半数以上が肥満と分類されています。これに伴い、体重調節・肥満管理用健康機能食品市場が着実に成長する中、紅蚕の新規機能性素材としての可能性も注目されています。

農村振興庁は以前、紅蚕のアルツハイマー病抑制、パーキンソン病緩和、肝がん予防、免疫細胞活性化などの様々な生理活性を証明したことがあります。

農村振興庁 農業生物部 パン・ヘソン部長は、「紅蚕の体重減少効果と安全性を動物実験と人体実験を通じて科学的に立証しました」と述べ、「今後は紅蚕の機能性食品素材化と産業化を通じて、農家の収入創出と国民健康増進に貢献する予定です」と語りました。

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