2025年3月の雇用統計から見る労働市場の動向

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By Global Team

2025年3月末の雇用保険常時加入者は前年同時期より15万4千人増加し、1,543万5千人となった。サービス業や一部製造業の拡大で全体の雇用保険加入者数が増加したが、建設業は20か月連続で減少し、業種間の雇用格差が明確に現れた。

サービス業は前年より17万人増加して1,068万8千人となり、全体の増加分のかなりの部分を占めた。保健福祉業は病院と非居住福祉施設を中心に11万8千人増加し、事業サービス業は雇用あっせんと事業施設管理などを中心に1万8千人増加した。宿泊・飲食、専門科学技術、運輸倉庫業も増加傾向を示した。小売・情報通信は前年より加入者が減少した。

製造業は前年より6千人増加して384万6千人を記録した。自動車業種は新製品部品とエンジン生産部門を中心に4千6百人増加し、その他運送機器業種では船舶と航空機製造の増加で4千1百人増加した。一方、繊維製品、金属加工、機械装置などは減少した。特に機械装置業種は特殊目的用と一般機械いずれも人員減少傾向を示した。

建設業は前年より2万1千人減少して75万4千人となった。総合建設業が主要な減少原因として指摘され、建設成形および受注指標の低下が影響を及ぼした。全産業中、唯一長期的な減少傾向が続いている。

性別では女性加入者が690万3千人で13万1千人増加し、男性は853万2千人で2万3千人増加した。年齢別では60歳以上が18万4千人、30代が6万7千人増加した一方、29歳以下(-10万4千人)、40代(-4万9千人)は減少した。若年層の減少は情報通信、小売、製造業部門で顕著だった。

求職給付新規申請者は前年同月より4.6%増加して13万7千人となった。教育サービス(+3.3千人)、建設(+1.4千人)、製造(+0.9千人)業種で増加した一方、保健福祉分野では1.6千人減少した。求職給付支給者は前年より3万8千人増加して69万3千人となり、総支給額は1兆510億ウォンで8.4%増加した。

雇用ポータル「雇用24」を通じた求人・求職状況では新規求人が前年より22.8%減少したのに対し、新規求職は15.2%増加した。これにより、求職者1人当たりの仕事数である求人倍率は0.32に低下した。性別では女性(+3万3千人)、男性(+3万人)いずれも増加し、全年齢層で均等に新規求職者数が増加した。

雇用保険に新たに加入した雇用許可制外国人は前年より2万4千人増加して25万4千人となった。これらのうち89.9%が製造業に集中しており、関連統計解釈には注意が必要である。

2025年3月雇用行政統計に基づく労働市場動向
2025年3月雇用行政統計に基づく労働市場動向

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