韓国・ソウル市は、手術ロボット分野で世界をリードする米国企業「インテュイティブ・サージカル(Intuitive Surgical)」から、150億ウォン(約16億円)規模の外国人直接投資(FDI)を誘致した。16日午前、ソウル市庁本館にて、同社との間で追加投資および新規雇用に関する覚書(MOU)を締結したと発表した。
今回の協定により、インテュイティブ・サージカルはソウルのデジタルメディアシティ(DMC)に位置する「手術イノベーションセンター」の機能を高度化し、新規事業の推進に向けて新たに100人を採用する計画だ。ソウル市はこれを支援するため、同センターの入居期間を従来の2027年までから2032年までに5年間延長する。また、今後の研究開発など新たな事業に対しては、外国人投資促進法など関連法令に基づき、中央政府と協力してインセンティブを提供する方針だ。
インテュイティブ・サージカルは、低侵襲手術技術および手術ロボットの分野で世界を先導する企業で、主力製品である「ダ・ヴィンチ(Da Vinci)」手術ロボットは世界中の医療機関で広く使用されている。ソウル市は2017年、同社との間で手術イノベーションセンターの設立に関する協定を締結し、外国人投資地域指定や賃料支援などを通じてパートナーシップを築いてきた。

これまでに同社は、ソウルのセンターを通じて100億ウォン規模のFDIを実現し、149人の雇用を創出。また、2,268人の医療関係者を対象に手術ロボットに関する教育を実施してきた。2023年には、ソウルロボットAI科学館に手術ロボットを寄贈し、市民がロボット手術を体験できる機会を提供するなど、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。
今回の追加投資により、手術イノベーションセンターは教育機能に加え、研究開発や新規医療技術の実証など、より広範な分野にわたってその役割が拡大されることが期待されている。
インテュイティブ・サージカル アジア地域担当のグレン・バーボソ副社長は、「ソウル市との連携を通じて質の高い雇用を生み出し、革新的な医療技術の発展に貢献していきたい」と述べた。
また、ソウル市のチュ・ヨンテ経済室長は「今回の協約は、ソウルの投資環境とグローバル競争力を証明する事例だ。今後も量子、AI、ロボットなどの未来産業において、グローバル企業の誘致を強化し、ソウルを世界トップ5の都市へと押し上げていく」と語った。