国立洛東江生物資源館、新種微生物から機能性オリゴ糖生産酵素を確保

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By Global Team

環境部傘下の国立洛東江生物資源館は、江陵市の鏡浦湖で発見された新種の微生物から寒天を分解する酵素「ベータ-アガレイゼ(β-agarase)」を確保し、これを活用して機能性オリゴ糖の生産可能性を確認したと7日明らかにしました。

酵素のアガロース分解結果
酵素のアガロース分解結果 (写真 = 国立洛東江生物資源館)

国立洛東江生物資源館の研究チームは2022年6月、鏡浦湖でカテノブルム(Catenovulum)属の新種の微生物を発見しました。鏡浦湖は淡水と海水が混ざる潟湖で、独特な生態環境を持っています。微生物は寒天の主成分であるアガロースを分解するアガレイゼ遺伝子を多数保有しており、その中で活性が最も高いベータ-アガレイゼ酵素が選別されました。

確保されたベータ-アガレイゼは、寒天を分解してネオアガロビオース(NA2)とネオアガロテトラオース(NA4)を生成することが示されました。これらの物質は腸内の有益菌の増殖と免疫機能の強化など、様々な生理活性を持つオリゴ糖です。寒天に由来するこれらの低分子炭水化物は、食品、化粧品、医薬素材としての活用可能性が報告されています。

6LW5-1 菌種の寒天分解結果
6LW5-1 菌種の寒天分解結果 (写真 = 国立洛東江生物資源館)

研究チームは、該当酵素を活用した実験を通じて分解産物を分析し、これを基に2025年6月末に「新規カテノブルム属菌種及びその用途」と「ベータ-アガレイゼ酵素を暗号化する新規遺伝子及びその用途」に関する2件の特許を出願しました。

分離された微生物は、カテノブルム・アドリアティクム(Catenovulum adriaticum TS8)と96.2%の16S rRNA遺伝子の類似度を示し、系統解析と電子顕微鏡解析の結果、新種であることが確認されました。この菌種は鞭毛のない棒状の細菌として観察されました。

国立洛東江生物資源館は、後続研究を通じて酵素機能の向上とともに、産業的な活用性を高め、商用化の可能性も拡大していく計画です。

金義珍国立洛東江生物資源館生物資源研究室長は、「今回の研究は、韓国独自の生態環境から得た微生物に基づいて新たな生物資源を発掘し、応用可能性も同時に確認した事例であり、自生生物資源の価値向上と生物主権の確保に寄与することができるでしょう」と述べました。

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