プログラム取引 – コンピューターアルゴリズムが株式取引を代行

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By Global Team

コンピューターアルゴリズムが人間に代わって株を売買するプログラム売買(Program Trading)は、現代の証券市場の核心としての地位を築いています。数百、数千の銘柄を同時に分析し、買い注文や売り注文のタイミングを自動的に実行するシステムで、株式市場の効率性と速度を向上させる代表的な手法です。

プログラム売買は文字通り「コンピュータープログラムによって行われる株取引」です。特定の条件や指標を満たすと、売買命令が自動的に実行されます。取引所にリアルタイムで売買注文が入力されるため、迅速な判断と大規模な取引が可能になります。

主に機関投資家が活用し、個人投資家には接点が少ないですが、市場全般に与える影響は非常に大きいです。過去には人間のディーラーが逐一計算し、電話やキーボードで注文を入れていましたが、今ではアルゴリズムが分単位で数十万件の注文を実行します。

プログラム売買は大きく2つに分けられます。まず、裁定取引(Arbitrage trading)です。現物と先物の価格差を利用し、無リスク収益を追求する戦略です。例えば、コスピ200先物と現物指数の間に乖離が生じた場合、高価な資産を売り、安い資産を購入する方法で利益を確保します。買いと売りのタイミングはプログラムが自動で決定します。

次に非裁定取引(Non-arbitrage trading)です。特定の戦略やファンド運用基準に基づいて自動売買が行われる方式です。株式の組み入れ比率を調整したり、リバランスの観点から行われる取引で、実質的な裁定利益は発生しません。

プログラム売買は取引規模が大きく、速やかに成立するため、市場に相当な影響を与えます。特に売りのシグナルが一度に発生すると、株価の下落を助長する可能性があります。1987年のブラックマンデー時にはアメリカのニューヨーク証券取引所でプログラム売買が触媒となり、大暴落が発生しました。韓国の証券市場も2000年代に入ってプログラム売買の比重が急増し、日中の急騰や急落が頻発しました。

韓国取引所は市場の混乱を防ぐためにプログラム売買に関する規制を実施中です。代表的には「事前公示制度」と「裁定取引残高報告義務」があります。また、急変動の際に発動される「サイドカー」制度もプログラム売買と直接関連しています。コスピ200先物価格が5%以上急上昇または急落した場合、5分間プログラム売買を中断して過度な集中を防ぐ装置です。

一方、最近では人工知能(AI)を組み込んだ高頻度取引(High Frequency Trading・HFT)も拡散中です。これは千分の1秒単位で売買を繰り返し、超短期の裁定利得を追求します。プログラム売買よりも精巧で速く、市場に与える影響も大きいです。

プログラム売買は証券市場の効率性を高めるツールであると同時に、市場を歪める可能性も内包しています。規制と技術がバランスを取らなければ、安定した市場運用は不可能です。取引方式の自動化が加速する中、その構造とメカニズムに対する理解は投資家すべてにとって必須です。

証券取引のグラフイメージ
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