文化体育観光部の著作権犯罪科学捜査隊が絶版の人文・教養書を違法にスキャンし製本・販売した組織員3名を検察に送致しました。この事件は絶版人文書の違法製本流通が摘発された初の事例です。
捜査の結果、被告は2020年から絶版書籍が中古市場で高価に取引される点に着目し犯罪を開始しました。彼は大学付近のスキャン・コピー専門企業と協力し、共犯者たちと役割を分担してオンラインショッピングモールなどで注文を受け付け配送する方法で組織的に著作権を侵害していました。
彼らが違法に流通させた書籍は絶版となっている人文書275種、約2万6,700冊に達します。定価基準の被害額は約11億8千万ウォンで、違法販売を通じて得た不当利益は約7億5千万ウォンと推算されます。一部書籍は定価1万2千ウォンに過ぎませんが、中古市場では最高34万ウォンで取引され、被告たちはそれを2万ウォン前後で製本し販売して著作権者と消費者の双方に被害を与えました。

今回の捜査は韓国著作権保護院が運営する「違法複製物通報センター(COPY112)」に寄せられた通報がきっかけとなりました。文化体育観光部と著作権保護院は通報内容を基に情報収集と分析を行い、犯罪場所を特定した後に捜査を開始しました。電子記録分析を通じたデジタルフォレンジック技術で犯罪手法と規模、共犯関係を立証しました。
文化体育観光部は今回の事件を機に大学周辺に集中していた違法製本取締の範囲をオンラインショッピングモールや中古流通チャネルにまで拡大する方針です。著作権法によると書籍の絶版の有無に関係なく、発行日から70年間著作権が保護されます。したがって、絶版書籍を合法的に利用するには公共図書館の電子書籍閲覧サービスや一部コピーサービス(書籍の3分の1範囲内、補償金支給)を活用する必要があります。
文化体育観光部のチョン・ヒャンミ著作権局長は「今回の捜査は文化体育観光部と著作権保護院、韓国出版人会議などの民官協力によって得られた成果であり、今後も取締と捜査を強化し、違法流通を根絶して著作権保護活動を拡大していく」と述べました。