屋外ゴルフ練習場で、ネットを飛び越えたゴルフボールが近隣の住宅や車両を直撃する事故が相次いでいることを受け、政府が安全基準の強化に乗り出した。
国民権益委員会は28日、「屋外ゴルフ練習場の安全性確保方案」をまとめ、文化体育観光部に勧告したと明らかにした。近隣住民と利用者の双方を保護できるよう、施設運営全般の管理体制を見直す狙いだ。
練習場の外へ飛び出したゴルフボールの被害は、今に始まったことではない。
昨年6月に寄せられたある苦情には、5歳の子どもを育てる家庭の切実な訴えが記されていた。近くの練習場から飛んできたゴルフボールが家のあちこちに落ち、子どもに当たるのではないかと不安だという内容だった。今年3月には、駐車中の車がゴルフボールに当たり、後部座席のガラスとモールディングが破損する事故も起きた。申立人は「車のガラスが割れるほどなら、人に当たれば重傷や死亡に至る可能性がある」と懸念を示した。
より深刻なのは、その被害が繰り返されている点だ。ある申立人は、住宅の隣にある練習場から落ちてくる打球について、2018年から毎年是正を求めてきたが、事業者が放置したまま被害が続いていると訴えた。○○郡が2022年に実施した調査でも、人に直接当たりそうになった事例や物品破損の事例が多数確認された。
被害が積み重なる一方で、安全点検の体制はずさんだった。
屋外ゴルフ練習場の施設運営者は、半年ごとに自主安全点検を実施し、その結果を「体育施設お知らせ」サイトに登録しなければならない。だが、点検結果をそもそも掲載していない運営者も少なくないことが分かった。
さらに大きな問題は、点検項目そのものにあった。ネットを支える鉄塔は、屋外に露出して雨や風、気温変化の影響を直接受ける重要な構造物だが、自主安全点検の項目からは外されていた。
異常気象への備えとなるマニュアルもなかった。強風や大雪のように施設に大きな衝撃を与える気象状況で、どのように段階的に対応すべきかを定めた安全管理指針が欠けていた。権益委は、こうした空白が大型事故につながるリスクを高めてきたと判断した。
今回の勧告案は3本柱で構成された。まず、住宅や建物が隣接する屋外ゴルフ練習場には、ゴルフボールの逸脱を防ぐ二重ネットの設置を求めた。ネット1枚だけでは強く打たれたボールの飛び出しを防ぎにくいという現場の経験が反映された。
自主安全点検の管理体制も強化される。点検結果を登録していない運営者に対し、携帯電話のメッセージなどで登録を促す仕組みを新たに導入する。点検項目には、これまで漏れていた鉄塔を明示的に追加し、定期的に状態を確認するようにした。
異常気象への対応マニュアルの整備も勧告に含まれた。強風・大雪などの状況ごとに、施設運営者が取るべき段階的な措置と施設管理上の注意事項を盛り込み、現場対応力を高める考えだ。
国家権益委の権益改善政策局長、金基善(キム・ギソン)氏は「今回の制度改善により、屋外ゴルフ練習場周辺に住む国民が抱えてきた安全と財産被害への不安を解消できるようになった」とし、「国民の安全を守るための制度改善策を今後も継続して整備していく」と述べた。
文化体育観光部がこの勧告をいつ、どのような形で受け入れるかが今後の焦点となる。二重ネット設置の義務化の適用範囲や、既存施設への遡及適用の可否、自主安全点検未登録者に対する制裁の強さなどは、今後の制度化過程で明らかになる見通しだ。