AIコーディングエディターとして人気を博したカーソル(Cursor)が、ウェブベースのコーディング自動化プラットフォームに進化しました。これにより、ユーザーはデスクトップはもちろん、モバイルデバイスからでもウェブブラウザを通じてAIコーディングエージェントを直接操作できるようになりました。従来のIDE(統合開発環境)に限定されていたサービス提供方式から脱却し、業務の柔軟性と拡張性が大幅に向上しました。

新しいウェブアプリでは、カーソルのAIコーディングエージェントを活用して自然言語でリクエストを入力すると、バックグラウンドで機能の作成やバグ修正などの作業を自動で行います。作業状況はリアルタイムでモニターでき、チームメンバーはウェブインターフェースで成果物(diffファイル)を確認し、すぐにプルリクエストを生成できます。スラック(Slack)との連携も可能で、「@Cursor」というメンションだけでチャットルームからエージェントを呼び出し、作業を指示することができます。
ウェブアプリからスラックまで…「エージェント自動化」環境構築
今回のウェブアプリのリリースで、カーソルは本格的な「開発自動化」に突入しました。単なるコード推薦を超えて、エージェントが自律的に作業を遂行し、ユーザーと協力する構造です。各エージェントは固有のリンクを持ち、他人が進行状況をリアルタイムで確認でき、作業中に問題が発生した場合、ユーザーがIDEで直接引き継ぐことができる構造も整えられています。
モバイルユーザーへの配慮も目に付きます。カーソルウェブアプリはPWA(プログレッシブウェブアプリ)方式で、iPhoneはSafari、AndroidはChromeで簡単にインストールできます。インストール時にプッシュ通知、オフライン記録の閲覧、全画面インターフェースなどネイティブアプリレベルのユーザーエクスペリエンスを提供します。これにより、いつでもどこでも開発作業を続けられる環境が完成しました。
フォーチュン500の半分が選択…年間売上5億ドル突破
企業市場でもカーソルの地位は急速に拡大しています。現在、フォーチュン500大企業の半分以上が当プラットフォームを導入して使用しており、NVIDIA、Uber、Adobeといったビッグテック企業も含まれています。カーソル側は年間売上が5億ドルを突破し、この成果を基に最近9億ドル規模のシリーズC投資誘致に成功し、企業価値は99億ドルに達しました。
高い企業導入率にはセキュリティも一役買っています。カーソルはSOC2タイプII認証、強制プライバシーモード、ゼロデータ保持ポリシーなど、敏感なソースコードを扱う企業環境に合わせたセキュリティ体制を備えています。競合他社との比較評価でも、平均83%の開発者がカーソルを選び、生産性向上への満足度を示しました。
「2026年には開発者の20%の業務をAIが代替する」
カーソル運営会社Anysphereは、このプラットフォームが単なる開発ツールではなく、業務自動化を推進するための重要なツールに進化するだろうと述べました。同社は「デモレベルに留まるAIツールではなく、実際の現場で使用される“実動型”エージェントを提供することが私たちの戦略だ」と強調しました。
マイケル・トルエルAnysphere CEOは最近のインタビューで、「2026年までにAIコーディングエージェントがソフトウェアエンジニアの業務の20%以上を代替することになるでしょう」と予測しました。AIが補助レベルを超え、協力と決定を共にするパートナーへと進化する時期です。
カーソルは今回のウェブアプリリリースを機に、AIコーディングの実質的な活用性とアクセス性を向上させており、今後さらなる協力機能とワークフロー自動化機能が追加される予定です。