就業者数は15か月連続で増えているが…若者と専門職は逆行

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By Global Team

雇用指標は2か月連続で20万人台の増加幅を維持し、外見上は安定した状態を続けています。しかし、数字の内側を見てみると異なる流れが共存しています。保健・福祉分野が雇用を支えている一方で、若者層や専門職市場は逆方向に向かっています。

国家データ庁が15日に発表した「2026年3月の雇用動向」によれば、先月の全体の就業者数は2870万5000人で、前年同月比で20万6000人(0.7%)増加しました。就業者数の増加傾向は15か月続いています。雇用率は62.7%で0.2%ポイント上昇しており、これは1982年に月次統計を作成し始めて以来、3月としては最高の数字です。

2026年3月雇用動向 (出典=国家データ庁)
2026年3月雇用動向 (出典=国家データ庁)

何が雇用を引き上げたのか

増加傾向を主導したのは医療および社会福祉サービス業です。前年同月比で29万4000人(9.4%)増加し、全体の就業者増加分を事実上1人で牽引しました。運輸・倉庫業(7万5000人、4.5%)と芸術・スポーツ・レジャー関連サービス業(4万4000人、8.4%)も増加に寄与しました。

この構造を注目する必要があります。医療・福祉分野の雇用拡大は高齢化に伴う需要増加と政府支出の拡大が絡んだ結果です。民間市場の自生的回復とは性格が異なります。外見上の数字は堅調ですが、雇用の質や持続可能性の観点から単純に肯定的にだけ捉えにくい理由です。

2026年3月雇用動向 (出典=国家データ庁)
2026年3月雇用動向 (出典=国家データ庁)

逆に減少したところ

減少業種の面々がより注目に値します。専門科学及び技術サービス業で6万1000人(-4.2%)が減少しました。公共行政・国防・社会保障行政(-7万7000人、-5.6%)と農林漁業(-5万8000人、-4.4%)も大幅に減少しました。

専門・科学職の減少は単純な景気変動として見ることが難しいです。人工知能(AI)導入の加速化により、一部の専門領域の需要自体が再編されているシグナルと捉えられます。高付加価値職種での就業者減少が続く場合、全体の雇用率の改善が構造的脆弱性を隠すおそれがあるという懸念も出ています。

若者の雇用、数字が示さないもの

若者層(15~29歳)の雇用率は43.6%で、前年同月よりも0.9%ポイント低下しました。15~64歳全体の雇用率が0.4%ポイント上がったのとは正反対の流れです。若者の失業率は7.6%で、全体の失業率3.0%を上回っています。

失業統計に入らない数値も注目を集めます。特に理由なく休んでいる「無業」人口は254万8000人で、前年同月より3万1000人(1.2%)増加しました。求職活動自体を諦めた求職断念者は35万4000人で、若干減少しましたが、絶対規模は依然として大きいです。公式失業者には分類されませんが、労働市場の外に留まっている人口が大きいという意味です。

全体の就業者数が15か月連続で増加し、雇用率が歴代最高を記録しましたが、若者層が体感する労働市場はその数字とは異なる温度にあります。増加している雇用がどの世代に、どの業種に積み上がっているのかを一緒に見る必要がある理由がここにあります。

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