いつから一人でいることが特別ではなくなったのでしょうか。一人で食事をし、一人で映画を観、一人で旅行に行く。「一人」はもはや孤独ではありません。むしろ選択であり、スタイルです。「혼밥(コンパブ)」、「혼술(コンスル)」、「혼캠(コンケム)」は個人の自由を象徴する言葉として定着しました。
この流れは統計でも確認されています。統計庁の資料によると、2023年現在、1人世帯は全体の34.5%を占めています。ソウルでは約半数の48.1%が1人世帯です。一人暮らしが多い社会では、一人での生活が日常化しました。

しかし孤独が消えたわけではありません。一人でいることと一人である感じは違います。問題は「関係を望んでいない」のではなく、「どう関係を始めるかわからない」という点にあります。多くの人が断絶を選んだわけではなく、関係のあり方に傷つき孤立を選んだ場合が少なくありません。
特に青年層の間で「自律」を追求する動きは強まりました。人に合わせるより自分に集中する生活、関係よりも境界を重視する態度は新しい社会感覚として定着しています。これは単なる自己中心主義ではありません。むしろ自己尊重と安全を確保する方法です。
過去には関係を通じて自己を確立しましたが、今は自己を守った後に関係を許します。順序が逆になったのです。個人主義と自律性が生活の基本となり、関係は義務ではなく選択になりました。必ずしも多くの友人を作らなくても、共同体に属さなくてもよい時代です。
しかし、切り離された生活はまた別の欠乏を伴います。デジタル技術が孤立を加速しつつも同時に関係の幻想を提供します。SNSのフォロワー数は多いが、実際に連絡できる人は少ない状況。繋がっているようで実質的な関係は希薄なまま保たれています。
一人でいるのは気楽ですが、ふと寂しい時があります。
記者と長い縁がある30代フリーランサーのA氏はそう語ります。続いて「断絶は時には自律ですが、時には保護膜です。そしてその保護膜の裏側には関係への期待と恐れが共存しています」と述べました。
現代人は関係を望まないのではありません。むしろ関係を結ぶために耐えなければならない不確実性や感情の消耗に疲れている状態です。だからこそ、繋がりよりもまず「回復」を望んでいます。自律と孤立の境界で、私たちは未だにバランスを探しています。