メモリ半導体の上昇モメンタムは尽きた
アマゾン・MS・メタなどハイパースケーラーの比率拡大を提案
業績予想上方修正の鈍化・フィラデルフィア半導体指数は2週間で11%超下落
JPモルガンは「半導体は買い場」と逆の見方
2四半期決算・設備投資計画が分水嶺
[1分要約]
▶ モルガン・スタンレーはサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンなどメモリ半導体の比率を減らし、アマゾン、マイクロソフト、メタなどハイパースケーラーの比率を増やすよう勧告した。
▶ 根拠は業績予想上方修正の鈍化だ。半導体強気相場をけん引してきた利益見通しが、もはや急速には上がらないという判断である。
▶ フィラデルフィア半導体指数は最近2週間で11%超下落した。業種のローテーションが始まったのではないかとの見方が出ている。
▶ JPモルガンは真逆の立場だ。半導体の調整を買い場とみなし、2028年まで供給不足が続くとして半導体をより有利と見ている。
▶ 焦点は2四半期決算だ。ハイパースケーラーが設備投資を維持・拡大すれば半導体に再び機会が生まれ、縮小すれば供給過剰懸念が強まる。

◆ 半導体からビッグテックへ、モルガン・スタンレーの方向転換
AIラリーを主導してきた主役は半導体だった。その座をビッグテックに譲るべきだという診断が出た。モルガン・スタンレーが半導体比率を下げ、大型テクノロジー株を増やすよう勧告したのである。
7日の金融投資業界によると、モルガン・スタンレーは最近の顧客向け報告書でメモリ半導体関連銘柄の比率縮小を提案した。対象はサムスン電子、SKハイニックス、マイクロンだ。代わりにアマゾン、マイクロソフト、メタなどハイパースケーラーの比率を増やすよう求めた。ハイパースケーラーとは、大規模データセンターを自ら運営する企業を指す。
報告書を率いたのはマイク・ウィルソン最高投資責任者(CIO)だ。彼は半導体株がラリーを通じて市場を引っ張ってきたものの、上昇の原動力は弱まっていると見た。ウィルソンCIOはブルームバーグのインタビューで、半導体株には調整圧力がかかる一方、ハイパースケーラーは相対的に堅調であり得ると診断した。
根拠はシグナルの変化だ。アマゾン、マイクロソフト、メタはAIにこれまで以上の資金を投じている。それでも株価は下落した。逆に半導体株は急騰した。ウィルソンCIOはこの乖離を、半導体株への警告と受け止めた。
◆ 業績予想の鈍化と循環物色の兆し
方向転換の核心的な根拠は業績だ。これまで半導体の強さを支えてきたのは業績予想の上方修正だった。モルガン・スタンレーは、その上方修正の速度が鈍化していると指摘した。期待値がこれ以上速く上がらなければ、株価も以前のような勢いを維持しにくいという理屈だ。
鈍化の実態は価格にある。DRAM価格の上昇ペースが前年同期比で鈍り始めたとの見方だ。在庫改善の流れも足踏みの兆しを見せている。利益見通しをさらに押し上げる余地が狭まったという意味である。
すでに予想が高すぎるとの指摘もある。半導体企業の利益見通しが歴史的高水準に達しているというのだ。ウィルソンCIOは半導体ラリーを、今年の銀価格急騰になぞらえた。業績より流動性が押し上げた流れだという見方である。
市場にも熱気が冷める兆しがある。米国半導体株で構成されるフィラデルフィア半導体指数は、最近2週間で11%超下落した。先月の高値からの下落幅が目立つ。上昇分の大半を吐き出し、業種ローテーションが始まったのではないかとの観測が出ている。
モルガン・スタンレーは代替先としてハイパースケーラーを挙げた。これらの株価は、すでに先行した低迷局面を通過したという。AI競争が本格化すれば、データセンターを持つ企業が安定的な恩恵を受け続けるとみている。金利上昇懸念の緩和と原油価格の下落も、景気消費財・運輸・バイオへ資金が移る要因として挙げた。
今回の診断は6月以降の流れとも重なる。ハイパースケーラー株は巨額投資にもかかわらず、先月は売り圧力にさらされた。投資拡大より投資効率、いわゆる設備投資の節度へと注目が移る局面である。低迷していた株価が、かえって反発の足場になり得るというのがモルガン・スタンレーの論理だ。
◆ 交錯するウォール街、2四半期決算が分水嶺
同じ下落を見ても、ウォール街の診断は割れる。JPモルガンは逆の立場に立った。半導体の調整を買い場と見たのだ。AIチップ需要は依然として堅調で、意味ある新規供給は2028年になってようやく入るという理由からだ。半導体をハイパースケーラーより有利と見ている。
結局、問題は方向ではなくタイミングだ。両行ともAIの長期成長は認めている。次の上昇がどこから来るかで見方が分かれただけだ。モルガン・スタンレーも長期ではメモリに対する強気姿勢を維持している。短期的な調整の可能性に重きを置いただけだ。
韓国の投資家にとっても他人事ではない。比率縮小の対象にサムスン電子とSKハイニックスが並んだ。両銘柄はコスピを支える柱だ。ただし今回の勧告は一つの見方にすぎない。JPモルガンのような逆の診断も確かに存在する。両社の業績と設備投資の方向が、韓国半導体株の行方を左右する変数とされる。
分水嶺は2四半期決算だ。ハイパースケーラーの今年の設備投資見通しは8000億ドルを上回る。来年の見通しは1兆ドルを超える。彼らが投資計画を守るか増やせば、半導体には再び買い場が訪れる。逆に投資を減らせば、供給過剰懸念が勢いを得る。鍵は半導体企業ではなく、顧客企業の判断にかかっているというのがモルガン・スタンレーの見方だ。
ウィルソンCIOは指数の方向には慎重だ。彼は米国代表指数が当面圧力を受け得ると見た。ただし年末のS&P500目標は8000と示した。現在より約7%高い水準である。短期調整と長期上昇を同時に見ているわけだ。
過去の事例も引き合いに出された。モルガン・スタンレーは2021年、「メモリ、冬が来ている」という報告書で業況悪化を警告した。当時、サムスン電子とSKハイニックスの投資判断を引き下げ、その後実際に下落局面が訪れた。的中例として残るその警告が、今回の比率縮小意見に重みを与えていると評価される。市場の視線は次の決算発表へ向かっている。