主なポイント
▶ 第28回半導体大展が14日、ソウルのCOEXで開幕した。16日までの開催期間中、300社が888ブースを運営する過去最大規模の展示会となる。
▶ サムスン電子は、AIアクセラレーターの上にHBMを積層する「zHBM」の模型を展示した。SKハイニックスは、NANDを活用して同世代のHBMに比べ容量を約10倍に増やす構想「HBF」を披露した。
▶ いずれも開発中の次世代構造だ。サムスン電子が顧客企業にサンプルを供給したHBM4Eとは、事業化の段階を分けて見る必要がある。

韓国最大の半導体展示会「第28回半導体大展(SEDEX 2026)」が14日、ソウルのCOEXで開幕した。
韓国半導体産業協会が主催する今年のイベントは16日までの3日間開催され、昨年より70社多い約300社が888ブースを出展した。
サムスン電子とSKハイニックスは、HBMの性能競争から一歩踏み出し、AIシステム内でデータがやり取りされる際のボトルネックを減らす技術を前面に打ち出した。
◆ アン・ヒョン氏「メモリー階層の間に新たな階層」
SKハイニックスの開発総括社長(CDO)、アン・ヒョン氏は「AI時代におけるメモリー技術の進化の方向性」と題した基調講演で、「AI推論市場の成長に伴い、メモリー階層間のデータ移動が新たな性能上のボトルネックとして浮上している」と述べ、「今後は既存のメモリー階層の間に新たな階層が加わり、多様な性能や容量の要件に対応するようになる」と語った。
メモリー階層とは、データの利用頻度や必要な処理速度に応じて、異なるメモリーやストレージ装置を配置する構造だ。
かつてはSRAM、DRAM、SSD、ネットワークストレージへと続く階層の標準化が課題だったが、AI演算の需要が急増するなか、HBMの役割が大きくなった。今後は既存の階層の間に新たなメモリーを加え、顧客ごとの速度・容量の要件に合わせて機能を最適化する「カスタムメモリー」が重要になるという。
◆ サムスン電子、HBM4Eにパッケージングとファウンドリーを統合

サムスン電子は「AIシステム設計」をテーマに、メモリー、システム半導体、ファウンドリーを一つのブースに集めた。展示の中心は第7世代HBMのHBM4Eだ。
5月に48GB・12層のサンプルを初出荷した製品で、1c DRAMと4ナノのロジックダイを採用する。ピン当たり最大16Gbps、スタック当たり最大3.6TB/sの帯域幅を実現し、HBM4に比べ動作速度は20%以上、エネルギー効率は16%以上向上している。
メモリーと演算装置の物理的な距離を縮める3次元構造「zHBM」の模型も展示された。HBMをAIアクセラレーターの隣ではなく上に垂直に積層し、データの移動距離を短縮する方式だ。
メモリー内で一部の演算を行う「LPDDR-PIM」や、NANDを4層・8層に積層した「zNAND-O」も披露された。パッケージング分野では、シリコンインターポーザーの代わりにRDLインターポーザーを使う「2.3D Cube-E」、ハイブリッドボンディングでGPUとHBMを垂直積層する「3D Cube-H」、光信号でチップを接続するCPOの模型を展示した。
メモリー性能だけでなく、製造や接続技術も組み合わせてAIシステムの効率を高める構想だ。
◆ SKハイニックス、NANDを積層したHBFで新たな階層を構築
SKハイニックスのブースには、HBM4Eとともに、HBMおよび高帯域幅フラッシュ(HBF)の構造模型が並んだ。DRAMを積層するHBMとは異なり、HBFはNANDフラッシュを垂直に積層し、大容量に適した特性を生かす。
開発目標は、同世代のHBMに比べて帯域幅を半分程度に抑える一方、容量を約10倍にすることだ。SKハイニックスは、HBFをHBMとストレージの間に位置する新たなメモリー階層として、大規模なAI推論に必要なデータを処理する構想を描いている。

ブースでは、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOが署名したHBMウェハーやHBM開発の歴史に関する展示のほか、AIサーバー向けの256GB 3DS RDIMM、128GB MRDIMM、64GB 1c RDIMM、水冷式のエンタープライズSSD、GDDR7、LPDDR6、UFS 5.0も披露された。
◆ 素材・部品・装置各社、パッケージング装置・素材で競争
素材・部品・装置各社も先端パッケージングを前面に打ち出した。ジュソンエンジニアリングは、業界で初めて実現した原子層成長(ALG)技術を紹介した。
ハンミ半導体は、HBM4の生産向け「TCボンダー4」や来年発売予定のワイドTCボンダー、切断・洗浄・配置(MSVP)装置、2.5Dパッケージング装置5機種を披露した。ドンジンセミケムは、日本企業が独占してきたパッケージング用ビルドアップフィルムを国産化した「DJBF」を前面に押し出した。
PSKとPSKホールディングスは、プラズマを利用したフォトレジスト剥離・ドライクリーニング・エッチング装置から、HBM向けのフラックスレスリフロー・デスカム装置まで、前工程から後工程までをカバーする製品を展示した。サムスン電子の装置子会社セメスは、洗浄・エッチング装置からボンダー、プローバーまでを出展した。
開催期間中には、先端パッケージングの研究開発に関する国際会議、グローバル半導体標準フォーラム、半導体市場展望セミナーも開かれる。