【主なポイント】
▶ ASMLは14日(現地時間)、第3四半期の売上高が116億6,200万ユーロ(約1兆7,450億円)、純利益が49億6,000万ユーロ(約7,420億円)だったと発表した。
▶ 前年同期比で売上高は55.2%、純利益は133.4%増加し、四半期として過去最高を記録した。純利益は市場予想の41億1,000万ユーロを20.7%上回った。
▶ 通期売上高の見通しを430億~450億ユーロから440億~450億ユーロに引き上げた。第4四半期の売上高は142億~152億ユーロを見込む。

世界最大の半導体露光装置メーカーであるオランダのASMLは、AI投資の拡大を追い風に、第3四半期として過去最高の売上高を記録した。
ASMLは14日(現地時間)、第3四半期の売上高が116億6,200万ユーロ(約1兆7,450億円)、純利益が49億6,000万ユーロ(約7,420億円)だったと発表した。前年同期比で売上高は55.2%、純利益は133.4%増加した。純利益は市場予想の41億1,000万ユーロを20.7%上回り、売上総利益率も57.5%と、予想の56.1%を上回った。
ASMLは第4四半期の売上高を142億~152億ユーロと予想した。通期売上高の見通しは430億~450億ユーロから440億~450億ユーロへと、下限を引き上げた。ただ、決算発表当日の株価は1.86%下落した。
◆「2030年の受注まで問い合わせ」
業績以上に注目されるのは、今後の需要だ。ASMLは半導体回路をウエハーに焼き付ける露光装置を製造している。サムスン電子やSKハイニックス、台湾TSMCが主要顧客だ。半導体メーカーが工場を増設するには、まずASMLの装置を確保しなければならない。
クリストフ・フーケASML最高経営責任者(CEO)は、一部の顧客が2029年、さらには2030年の装置発注にも関心を示しており、現在計画している2027年と2028年の生産能力では、顧客の需要を十分に満たせないと見ていると述べた。
ASMLは装置の生産能力を2027年に30%、2028年にさらに30%引き上げる計画だ。需要が予想より速く増えていることを受け、2028年の生産能力を計画以上に拡大する案も検討している。
装置1台当たりの処理能力も高める。次世代露光装置のウエハー処理枚数を1時間当たり230枚から260枚に増やし、同じ時間でより多くの半導体を製造できるようにする計画だ。今年の極端紫外線(EUV)露光装置の出荷台数は約65台で、昨年より50%以上多い。
◆韓国が31%で台湾に次ぐ2位
第3四半期の装置売上高に占める地域別の割合は、台湾が32%、韓国が31%、中国が23%、米国が13%だった。韓国は台湾を1ポイント下回り、2位となった。装置売上高の内訳はEUVが49%、液浸ArFが39%。用途別ではロジックが54%、メモリーが46%だった。
サムスン電子とSKハイニックスは、AI半導体需要に対応するため設備投資を拡大している。サムスン電子は高帯域幅メモリー(HBM)とファウンドリー、SKハイニックスはHBMと次世代DRAMへの投資に重点を置いている。
サムスン電子は2028年までに、次世代装置である高NA(開口数)EUV装置をDRAMの量産に導入する計画だ。従来のEUVより微細な回路を描けるため、工程数を削減できる。1台当たりの価格は約4億ドル(約560億円)。TSMCは2030年の量産導入を計画しており、インテルはすでに生産現場で使用している。
◆価格引き上げは2027年から
装置価格は上昇する。ASMLは主要顧客との新たな価格設定に関する協議を終えたとし、値上げの効果は2027年に一部で表れ、2028年以降に本格的に反映されると明らかにした。韓国の半導体企業の投資負担も、その分大きくなる。
ASMLは第4四半期の売上総利益率を約57%、通期では約56%と見込んでいる。