フェリックス・リーゼバーグ氏、Xとブログで「コーディング面接は終わった。少なくとも私のチームでは」…「コーディング課題もアセンブリの質問も、クロードのほうがうまくこなす」

AI企業が、開発者を採用する基準を変え始めている。アンソロピックのエンジニアリングマネジャー、フェリックス・リーゼバーグ氏は27日(現地時間)、Xに「コーディング面接は終わった。少なくともアンソロピックの私のチームでは」と投稿し、「もはや有効な判断材料ではないことを十分に見てきた」と述べた。
AIがコードを書く時代には、従来のコーディング面接では、誰が仕事で成果を上げるかを見極められないということだ。
リーゼバーグ氏はアンソロピックで、Claude CoworkとClaude Codeのデスクトップ版の開発を率いている。また、デスクトップアプリ開発ツール「Electron」の主要メンテナーを務めた経歴もある。
コーディング問題もアセンブリの質問も、クロードのほうがうまくこなす
リーゼバーグ氏はブログで、その理由を説明した。応募者にコーディング問題を解かせたり、アセンブリのようなプログラミング言語の知識を尋ねたりするのは「意味がない」とし、「どちらもクロードのほうが人間よりうまくこなす」と述べた。
コーディング問題はかつて、成功を見極めるための「弱いながらも使える」指標だった。しかし、現在のチームで最も成果を上げている人たちは、その試験が得意な人ではないという。
同氏は「入社して間もないエンジニアが、コーディングがより得意で、経験年数もずっと長い人たちを追い抜くのを見ている。切迫感は経験年数に勝る」と書いた。

アンソロピックではすでに、コードの大部分をAIが書いている。人間が自らアルゴリズムを組み、プログラミング言語の文法を覚える能力、つまりコーディング面接で測られてきた能力が、実務で占める割合は小さくなっているということだ。ただ、リーゼバーグ氏は、AIを使いこなして成果を出す人をどう評価すべきかについては、まだ答えを見つけられていないと明かした。現在は履歴書やポートフォリオに目を通し、「センス(taste)、共感、原則に基づく思考」が表れた小さな試作品を探しているという。
若手には「滞っている仕事を片付けるのではなく、週末に作ってみよう」
AIコーディングツールの普及に伴い、新人開発者の採用枠が減るのではないかとの懸念が強まっている。バグ修正や簡単な機能の開発など、新人が仕事を学ぶために担ってきた作業をAIが引き受けているためだ。
リーゼバーグ氏はブログで、組織内で役職も発言力もない人に向けて助言した。滞っている業務チケットを一つずつ処理するだけにとどまらず、会社が今、どのような事業課題を解決しようとしているのかを見つけるべきだという。
その課題を大きく前進させるアイデアを一つ選び、週末のうちに実際に動く試作品を作る。そして、優れたアイデアをいくつも壮大な一つの製品に詰め込むのではなく、説得力のあるアイデアを一つだけ、明確に示すべきだとした。
外から来た人の視点も武器になるという。新しく入ったエンジニアは、使いにくいユーザー体験に気づきやすく、内部で当たり前とされている前提を疑いやすいからだ。同氏は、入社して間もないアンソロピックのエンジニア2人が週末にClaude Code用のグラフィカルインターフェースを作り、約8日後に最初の公開版がリリースされた事例を挙げた。
グーグルはジェミニを使わせ、アマゾンは「成果」で評価
採用基準を変える動きは、大手テック企業全体に広がっている。ビジネス・インサイダーによると、グーグルは応募者にジェミニの使用を認め、AIの活用能力やプロンプト作成スキルを評価するソフトウェアエンジニアの面接を拡大している。
コードを自分で書かせる代わりに、AIと一緒にコードを読み、検証する能力を見る方式だ。アマゾンは27日、エンジニアに対し、AIをどれだけ使ったかではなく、顧客や事業にどのような成果をもたらしたかを重視するよう伝えた。
アマゾンは、人間の判断力とAIを組み合わせ、製品をより速く作る今を「ルネサンス開発者」の時代と呼んだ。AIを多用することではなく、AIを使って何を生み出すかを見る点で、アンソロピックと同じ方向性だ。
リーゼバーグ氏が挙げた「センス、共感、原則に基づく思考」は、AI研究者やテック企業の経営陣が、AI時代の重要な能力としてますます頻繁に挙げる資質だ。コードを書く仕事はAIが担い、何を作るかを選び、使う人を理解することが人間の役割として残るという見立てである。アンソロピックはリーゼバーグ氏個人の投稿について会社としての見解を示しておらず、この採用方法がアンソロピック全体に適用されているかどうかも確認されていない。