16日、ソウルなど6都市で同時発売
韓国国内価格は32GBモデルが500万ウォン台、64GBモデルが700万ウォン台、128GBモデルが900万ウォン台
メーカーは「64GB以上のモデルに3桁の注文が入っており、発売初期は供給不足が見込まれる」と予測
▶ エヌビディアが、Windows PC向けArmプラットフォーム「RTX Spark」を正式に発売した。メディアテックと共同設計したGrace CPU 20コアとBlackwell GPU 6,144コアを1つのチップに搭載したSoC「N1X」を採用。ソウル、サンフランシスコ、ベルリン、台北、北京、イスタンブールの6都市で展示と販売を開始した。
▶ GeForce RTX 50シリーズでは動かせなかった32GB超の大容量AIモデルを、クラウドを使わずノートPC上で実行できるのが最大の特徴だ。CUDAやDLSS、Reflex、G-SYNCに対応し、エヌビディアは4Kで毎秒100フレーム以上のゲームプレイが可能だとしている。

エヌビディアがWindows PC市場に直接参入した。同社は16日、Windows PC向けArmプラットフォーム「RTX Spark」を正式に発売し、ソウルをはじめ、米サンフランシスコ、ドイツ・ベルリン、台湾・台北、中国・北京、トルコ・イスタンブールの6都市で展示・販売イベントを開催した。
低消費電力のGrace CPUとBlackwell GPUを組み合わせたシステム・オン・チップ(SoC)「N1X」を前面に打ち出し、コンテンツ制作者やAI開発者の需要を狙う。
HP、デル・テクノロジーズ、レノボ、MSI、ASUS、マイクロソフトが製品を投入し、韓国ではASUSとMSIの製品が先行して販売される。
◆ GB10をベースにしたN1X、Windows on Armをターゲットに
RTX Sparkは、Linuxより利用者の多いWindows環境で、32GB超の大容量AIモデルの実行・推論やエージェント型AIの需要を拡大するため、エヌビディアが投入したArm PCプラットフォームだ。
N1Xは、エヌビディアがメディアテックと共同設計したArmベースの20コアGrace CPUと、6,144コアのBlackwell GPUを組み合わせたAIワークステーション向けチップ「GB10」(2025年)を基に、Windows on Arm環境に合わせてGPUコア数などを調整したものだ。
統合メモリーは最大128GBで、AI演算性能はFP4基準で最大1ペタフロップス。
N1Xは昨年のCOMPUTEX TAIPEI 2025で発表されるとの見方があったが、実際の発表は1年後となった。ジェンスン・フアンCEOは今年6月のCOMPUTEX 2026の基調講演でRTX Sparkを初公開し、「主要PCメーカーを通じて、この秋から実際の製品を発売する」と述べた。
◆ CUDAで開発し、そのままクラウドへ

RTX Sparkは、エヌビディアのゲーミング技術であるDLSS、OptiX、Reflex、G-SYNCに加え、AI開発基盤のCUDAにも対応する。
RTX Sparkで開発したAIサービスを、エヌビディアベースのクラウドにそのまま展開できると、同社は説明している。
エヌビディアとマイクロソフトは、Windows on Arm向けのPyTorch-CUDAビルドとネイティブPythonビルド、Condaインストールツールを初めて提供する。エヌビディアによると、上位1万5,000のPythonパッケージのうち97%に対応する。
エヌビディア・コリアは16日午後、ソウル・三成洞のCOEXで開かれたイベントで、ASUSとMSIの製品を使い、AI性能やゲームの動作を実演した。
エヌビディア・コリアの関係者は「従来のGeForce RTX 50シリーズGPUでは活用できなかった32GB超の大容量AIモデルを、クラウドではなくデスク上で高性能に実行できることが最大の利点だ」と話した。
ゲームとの互換性については、「Epic Gamesの『Easy Anti-Cheat』など、不正行為対策ソリューションとの互換性は確保している。『リーグ・オブ・レジェンド』で使われているRiot Vanguardとの互換性も、近く実現する予定だ」とした。
◆「4Kゲームで毎秒100フレーム以上」
エヌビディアのグローバル・コンテンツ・マネジメント事業本部副社長、イイダ・ケイタ氏は「ゲーミングPCやノートPC、ワークステーション、クラウドスーパーコンピューターの能力を1つに集約したのがRTX Sparkだ。これからは1台のデバイスですべての作業をこなせる」と述べた。
同氏は「エヌビディアにとって、ゲーミングは欠かせない分野だ。RTX Sparkでは、最新のGeForce GPUに期待されるように、4K解像度で毎秒100フレーム以上のゲームプレイが可能だ」と話した。
RTX Sparkでは、DLSS 5などのAIフレーム生成機能を、現在のゲームでそのまま利用できる。Windows on Armでのゲーム性能をクアルコムのAdreno GPUに頼ってきたマイクロソフトにとって、選択肢が1つ増えたことになる。
新作ゲーム「シンダーシティ」を開発中のNCソフト副社長で、ビッグファイア・ゲームズ代表のペ・ジェヒョン氏は「RTX Spark搭載ノートPCは、バッテリー駆動時にも高い性能を発揮する製品だ。シンダーシティにもレイトレーシングやフレーム生成技術のDLSS、Reflexなど、さまざまな技術を採用している」と語った。
◆ 32GBモデルは500万ウォン台、64GB以上に注文集中
メーカー各社はメモリー容量に応じてノートPCの価格を設定した。韓国国内では、LPDDR5X 32GBモデルが500万ウォン台、64GBモデルが700万ウォン台、128GBモデルが900万ウォン台となる。
米国では、マイクロソフトのSurface Laptop UltraとASUSのProArt P14が2,599.99ドル(約360万円)から、デルのXPS 16が3,799.99ドルからで、Surface Laptop Ultraの最上位モデルは5,999ドルとなっている。
HPのOmniBook UltraとOmniBook X 14、レノボのYoga Pro 9n、MSIのPrestige N16 Flip AI+も発売される。
イベント会場では、エージェント型AIとComfyUIを使った動画生成のデモを体験したAIプラットフォーム開発会社の関係者が、その場で2台を購入する姿も見られた。
匿名を希望したあるメーカーの関係者は「大規模AIモデルを載せられる64GB以上の製品に需要が集中するとみている。注文はすでに3桁に達しているが、それに対応できるほど製品を十分に供給するのは難しいだろう」と予測した。