今年初めての日本脳炎患者が発生した。疾病管理庁は9月9日、60代女性1人を日本脳炎患者と確認したと明らかにした。疫学調査で蚊に刺されたことが確認され、予防接種歴はなかった。
患者は8月15日、発熱と悪寒、嘔吐の症状で医療機関を受診した。体温は39.1度だった。慢性腎不全などの基礎疾患があり、現在入院治療を受けている。

◆ 警報は最も早く、患者は9月に出た
今年の防疫の時計は、例年より早く進んだ。注意報は3月20日、警報は6月17日に発令された。疾病管理庁が公開した過去10年の資料では、いずれも最も早い時期である。直前まで最も早かった警報は2017年6月29日で、2021年と2025年には8月に発令された。
警報は、大邱で採集した蚊から日本脳炎ウイルスの遺伝子が検出されたことで出された。発令基準は2つある。週2回採集した蚊の1日平均個体数のうち、コガタアカイエカが500匹を超え、全体の蚊密度の50%以上を占める場合、または採集した蚊から病原体が分離されるか、遺伝子が検出された場合だ。
媒介蚊の密度は依然として高い。9月初めの36週時点で、平均蚊指数は121個体だった。コガタアカイエカは4月から10月まで全国で活動する。
患者発生は今からが山場だ。国内の日本脳炎患者は8月から11月の間に出ており、9〜10月に80%が集中する。警報が6月に下されたということは、媒介蚊にさらされる期間がそれだけ長くなったという意味だ。

◆ 無料接種は12歳以下、患者は40代以上
発生年齢と接種支援対象はずれている。国内患者の65.9%は50代以上で発生し、過去10年の患者の90%以上は40代以上だった。一方、国の予防接種支援対象は12歳以下の子どもだ。2013年1月以降に出生した人が該当する。
成人は有料接種となる。疾病管理庁は、過去に接種経験のない18歳以上のうち、次の3類型に接種を勧奨している。水田や豚舎の近くに住む人、または流行期にそうした地域で活動する予定の人、非流行地域から移住して韓国に長期滞在する外国人、日本脳炎のリスク国への旅行者だ。ワクチンの種類と用量、日程は医療機関で医師と相談して決める。
勧奨対象に挙げられる危険地域は、水田と畜舎の周辺だ。農村の高齢層が住む地域と重なる条件である。今回の患者に接種歴がなかった点も、同じ問題を示している。
子どもの接種日程はワクチンの種類によって分かれる。不活化ワクチンは計5回。生後12〜23か月に1か月間隔で2回接種し、3回目は2回目から11か月後に接種する。その後、6歳と12歳で追加接種する。生ワクチンは2回で、生後12〜23か月に1回目、12か月後に2回目を接種する。2つのワクチンを混ぜて接種する交差接種は認められない。
◆ 診断まで25日、初期対応が重要な理由
今回の事例は、診断の構造も示している。患者が病院を受診した日は8月15日、確定診断が出た日は9月9日だった。25日かかったことになる。
検査方式によるものだ。確定診断は、血液や脳脊髄液からウイルスを分離するか、特異的遺伝子を検出する方法、または回復期血清の抗体価が急性期より4倍以上上昇したことを確認する方法で行う。今回の患者は3つ目のケースだった。回復期血清を得るには時間が必要だ。発表される患者数が実際の発生より遅れて把握される背景である。
治療薬はない。感染しても多くは発熱や頭痛程度で済むが、脳炎に進行すると高熱やけいれん、項部硬直、錯乱、痙攣、麻痺が現れる。脳炎患者の20〜30%が死亡し、回復しても30〜50%は損傷部位に応じて神経系合併症を抱える。過去10年に届出された患者146人のうち24人が死亡した。
現在の時点で効果がすぐに現れる対応は、蚊に刺されるのを防ぐことだ。コガタアカイエカは夕方から夜明けまで吸血する。日没直後から日の出直前までの屋外活動を減らし、外に出る場合は明るい色の長袖で、ゆったりした服を着ることが勧められる。露出した皮膚や衣服、靴の上部、靴下には虫よけ剤を使う。強い香水や化粧品は蚊を引き寄せる。
住宅周辺の管理も並行して行う必要がある。防虫網を整備し、蚊帳を使う一方で、水たまりや詰まった排水路のように水がたまる場所をなくす作業を同時に進めなければならない。コガタアカイエカが水田や畜舎、たまり水に生息するためだ。
イム・スンガン疾病管理庁長は「最近、媒介蚊が増加しており、9月から日本脳炎患者が集中して発生する時期だ」とし、「屋外活動時には蚊に刺されないよう予防策を守り、予防接種の対象者は接種日程に合わせて接種してほしい」と呼びかけた。
発熱や頭痛が続くときに受診が遅れれば、対応時間も短くなる。確定診断に時間がかかる疾患ほど、症状の初期に診療を受けるほうが安全だ。