釜山まで襲った深刻な干ばつ…南部の水不足解決策は

Photo of author

By Global Team

南部地方の水事情が悪化している。政府が発表した8月の干ばつ予・警報によると、先月1日時点で全国48の市・郡で気象干ばつが進行している。釜山広域市と金海市、蔚州郡には「警戒」段階の深刻な干ばつが現れている。

過去6か月の全国累積降水量は603.0㎜で、平年(1991~2020年)の82.3%にとどまった。慶北南部と慶南には「注意」段階の通常の干ばつが、釜山広域市・金海市・蔚州郡には「警戒」段階の深刻な干ばつが示された。

不足していたのは雨の量そのものよりも、その降り方だった。地域によって累積降水量は平年比62.5%から99%台まで差が開いた。

◆ 漢江はあふれ、洛東江は干上がる

過去6か月(’26.2.2.~8.1.)の全国累積降水量の現況 (出典=気候災難管理課)全国の多目的ダム19か所の貯水量は例年の104.3%で、全体数値だけを見ると安定している。だが中身を見ると状況は異なる。漢江流域のダムは例年の121.1%まで水が満たされた一方、洛東江流域は84.4%、蟾津江流域は75.2%にとどまった。

生活・工業用水を担う用水ダム12か所の貯水量は、例年の66.1%にすぎない。洛東江と蟾津江流域だけで、多目的ダム11か所と用水ダム10か所が例年以下の水準を示している。

農業用貯水池の状況はさらに悪い。3日時点で全国平均の貯水率は53.2%で、平年の76.1%水準にとどまった。

慶南の貯水率は39.6%まで下がった。全北も44.6%にとどまった。平年の半分ほどの水で秋の農作を準備しなければならない状況だ。

多目的ダムは生活・工業・農業用水の供給と洪水調節を同時に担い、用水ダムは特定地域への水供給に特化した施設だ。用水ダムの貯水量不足は、その地域の水供給の余力がそれだけ細くなったことを意味する。

国内で水事情が極端に分かれる現象は、気候変動による降水の偏在が原因と分析される。特定の流域に雨が集中し、他の流域は干上がる流れが年々鮮明になっているという見方が出ている。

干ばつは年間の総降水量より、降水の分布に左右される。量が同じでも、ある流域に偏れば別の流域は乾く。水管理の単位を行政区域ではなく流域として見るべきだという考えに力が集まる理由だ。

◆ 運門ダムは「深刻」…河川水を引いてしのぐ

ダムごとの危機段階も南部に集中した。運門ダムは「深刻」、密陽ダムと蟾津江ダムは「警戒」、星徳ダム・安東ダム・泣河ダム・永川ダム・平林ダムは「注意」段階だ。8か所すべてが嶺南・湖南地域の水源だ。

干ばつ危機段階は、関心、注意、警戒、深刻の順に高まる。「深刻」は、通常給水が揺らぎ得る最後の段階だ。

それでも水道供給に支障はない。給水体制をあらかじめ調整した結果だ。運門ダムは洛東江と琴湖江の河川水を引き込み、不足分を代替供給している。密陽ダムと蟾津江ダムなど残るダムは、農業用水と河川維持用水を減らす方式で給水体制を段階的に調整中だ。

政府の対応も速くなっている。行政安全部と気候エネルギー環境部、農林畜産食品部、気象庁など関係機関は6日、猛暑・干ばつへの対処状況点検会議を開き、機関別の用水供給対策を確認した。南部地方を中心に農業用水の確保策が集中的に議論された。南部地域では河川水を利用した貯水池への給水、用水路への直接給水、給水車の動員などの対策が進められている。

金容均・行政安全部自然災難室長は「関係府処と緊密に協力し、全国の干ばつ状況を綿密に点検し、干ばつの懸念地域を先制的に管理するなど、国民被害の最小化のため全力を尽くす」と述べた。

◆ 解決策は水の受け皿の多様化と需要管理

応急給水でしのぐやり方には限界があるとの指摘が出ている。ダム1つ、流域1つに頼る給水構造から脱し、流域間を結ぶ連携体制が構造的な代案として挙げられる。洛東江の河川水で持ちこたえる運門ダムの事例は、連携供給が実際に機能していることを示している。

水を節約する需要管理も課題として取り上げられる。水使用の大きな部分を占める農業用水から手を入れるべきだという見方が多い。水を入れる時期と量を調整する節水灌漑、老朽化した用水路の整備による漏水削減が代表的な手段だ。

雨水貯留施設や下水再利用のような代替水資源の確保は中長期課題とされる。貯水池のしゅんせつで貯水容量を増やす案、地下水と河川水を組み合わせて使う統合水管理も代案リストに挙がっている。

給水体制の調整過程で農業用水の削減は避けられないため、農家の被害を減らす補完策も同時に整えるべきだとの声も出ている。南部の大都市が「警戒」段階に入った状況で、家庭と産業現場の双方が水使用を減らす努力が必要な時期だと評価される。

気象の見通しは準備の猶予を示している。8月と9月の降水量は平年より少なく、10月は平年より多いと予報された。乾いた2か月を乗り切って秋雨を最大限に受け止めるには、貯水池とダムの受け皿、河川水連携網を事前に整備しておく必要があるとの分析が出ている。

秋雨頼みは難しい。10月の平年降水量は37.0~64.3㎜だ。真夏の8月の平年値(225.3~346.7㎜)と比べると、はるかに少ない。平年より多く降っても絶対量自体が少ないため、残りの8月と9月をどう乗り切るかが焦点だと指摘される。

干ばつは豪雨とは違い、ゆっくり近づいてくる。備える時間がまだ残っているという意味でもある。残り2か月の間に、どこから水を引き、どれだけ節約するかが南部地方の秋の水事情を左右する。