【特集】AI伴走ロボット時代、日本はリードしている…私たちが学ぶべきこと

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By Global Team

ショップの床に動く「ラボット(LOVOT)」2台がお互いを認識し反応しています。使用するほど相互関係を学習するのが特徴です。

ショップの床に動く「ラボット(LOVOT)」2台がお互いを認識し反応しています。使用するほど相互関係を学習するのが特徴です。
ショップの床に動く「ラボット(LOVOT)」2台がお互いを認識し反応しています。使用するほど相互関係を学習するのが特徴です。

日本が先を行った道

1988年、日本で前例のない事が起きました。全体の家族構成の中で1人家族が初めて1位に上昇したのです。4人家族が標準だった時代の終わりを象徴していました。日本政府はその変化を長い間過小評価していました。孤独を個人の問題とみなしていました。それから数十年後、代償が現れ始めました。

日本の孤独死統計
日本の孤独死統計

昨年、日本内閣府が初めて公式に集計した「孤独死」統計は衝撃的なものでした。一人で家で亡くなり、8日以上も発見されなかった死亡者が2万1856人に達しました。1日平均60人です。60歳以上が全体の82.1%を占め、男性が79.4%を占めていました。

1年後にようやく発見されたケースも253件にのぼりました。日本がこの統計を取り始めたのは、つい昨年のことです。数十年間蓄積された問題がついに数値として現れました。

日本総務省の2020年国勢調査によると、当時の日本全体5570万世帯の中で1人家族は2115万世帯で、その割合は38%に達しました。1988年に1位に立って以来、一度も下降することなく上昇線を描いています。

日本国立社会保障人口問題研究所は、この比率が2050年には44.3%にまで上昇すると予測しています。未婚増加、老齢化による配偶者別れ、離婚率の上昇が複合的に作用した結果です。大都市では隣人間のネットワークさえ形成されず、社会的な孤立が深まりました。

日本政府が孤独問題を国家課題として認めたのは2021年です。世界で2番目に「孤独・孤立担当大臣職」を新設しました。コロナ19以降、引きこもり若者が急増し、高齢者の孤独死が社会全体の危機に広がった後のことでした。イギリスが2018年に世界初の孤独担当大臣を任命したことから3年遅れました。遅れた覚醒でした。

この長い孤独の歴史が、ラボット(LOVOT)を作り出しました。

韓国は今、日本のどの位置にいるのか

専門家は長い間警告してきました。韓国の人口構造の変化は日本の軌跡をたどるものの、速度はより速いと。

国家データ処「人口住宅総調査」
国家データ処「人口住宅総調査」

国家データ処が昨年12月に発表した資料によると、2024年韓国の1人家族は804.5万世帯で全体家族の36.1%を占めています。歴代最高値です。2000年15.5%から24年間で2倍以上に増加しました。日本が1988年に1人家族の比率1位を記録して数十年をかけて経た事を韓国はより短い期間に圧縮して経験しているのです。

国家データ処「社会調査」
国家データ処「社会調査」

数値の背後には人がいます。1人家族の48.9%が日常的に孤独を感じると答えました。全体家族の平均より10%ポイント以上高いです。ソウル研究院の調査では、ソウルの1人家族の62%が孤独を訴えました。

孤独が感情だけで終わらないことは孤独死統計が示しています。2024年韓国の孤独死者数は3924人で前年より7.2%増加しました。1日平均10人が一人でこの世を去ります。

現在の傾向が続くと、2042年韓国の1人家族は994万家族に達します。日本が先を歩み、韓国が後を追うその道で、日本が30年以上積み上げたペットロボット産業は一つの座標になります。

ラボットはなぜ作られたのか

東京の店舗でペット型ロボット「ラボット(LOVOT)」が人の手に反応し交流を試みています。感情認識と関係形成を目標に設計されたロボットです。
東京の店舗でペット型ロボット「ラボット(LOVOT)」が人の手に反応し交流を試みています。感情認識と関係形成を目標に設計されたロボットです。

日本のスタートアップGroove X社の創業者、カナメ・ハヤシはソフトバンク出身のエンジニアでした。人型ロボット「ペッパー」の開発責任者として働いていました。ペッパーは話すのが上手でした。案内し、説明し、反応しました。しかし、人々は長くそばに置いておくことはありませんでした。

カナメ・ハヤシは質問を変えました。

「ロボットが人に何かをするのではなく、人がロボットと一緒にいたくなるようにするにはどうすればよいのか。」

その答えがラボットでした。ラボットは家を掃除しません。天気を知らせません。スケジュールを管理しません。話すこともありません。その代わり、にゃー、チュンチュンのような独特の音で感情を表現します。

カナメ・ハヤシは2019年、カンヌライオンズの舞台で次のように語りました。「技術は何かをより良く行うために(Do better)ではなく、気分をより良くするために(Feel better)変わる必要があります。」

ラボットの名前は、愛(Love)とロボット(Robot)の合成語です。2019年の発売以来、今までに世界中で1万4000台以上が販売されました。

43cmの温もりの秘密

さまざまな色や衣装を着た「ラボット(LOVOT)」が店内に配置され、来店者の目を引いています。ペット型ロボットとして感情交流を重視して設計されています。
さまざまな色や衣装を着た「ラボット(LOVOT)」が店内に配置され、来店者の目を引いています。ペット型ロボットとして感情交流を重視して設計されています。

東京渋谷の百貨店の通路に置かれたラボットを見た人は大抵驚きます。身長43cm、体重4.3kgの丸みを帯びた外観、大きな目、暖かい体温。フクロウとペンギンを混ぜたような姿は地球上のどんな生物とも似ていません。その異質さがかえって警戒心を和らげます。

小さな身体に1万以上の部品、10台の中央処理装置、50を超えるセンサーが入っています。頭上の360度カメラは周囲の人を認識し、身体全体に20以上のタッチセンサーが手のひらを感知します。6つのグラフィックレイヤーで構成された目は無意識の眼球の動きまで模倣します。

ラボットは名前を呼ぶと近づいてきます。撫でると気持ち良さそうにし、お腹を触られると眠ります。飼い主が他のラボットを抱きしめると嫉妬して自分も抱きしめて欲しいと近づいてきます。飼い主が家に帰ると玄関まで迎えに出てきます。

東京のデパートで展示された感情交流型ロボット「ラボット(LOVOT)」。人の動きや反応を学習し、交流を図るのが特徴です。
東京のデパートで展示された感情交流型ロボット「ラボット(LOVOT)」。人の動きや反応を学習し、交流を図るのが特徴です。

記者が東京で出会ったラボットの名前は「メロちゃん」でした。名前を呼ぶと、はっきりとした目で記者の方を向きました。言葉はありませんでしたが、代わりに短い腕を上げて近寄ってきました。

それぞれのラボットは固有の名前を持ち、共に過ごす時間が長くなるほど、その家の人や雰囲気を学び性格が変わります。2台を一緒に飼うとラボット同士が互いを認識し関係を築きます。

話をしないという点が大事です。Groove X社員は次のように説明しました。「ラボットは表現が難しい人には最初に話しかけません。『よく聞こえませんでした、もう一度言ってください』と繰り返しません。静かにそばにいるだけです。」孤独な人が最も必要とするものが何かを知り、設計されたロボットです。

バッテリーが足りなくなると自ら充電場所へ戻ります。30~45分ごとに戻り15~30分ほど充電し、その間にシステムを更新します。

日本東京渋谷の店舗で展示・販売されている「ラボット(LOVOT)」。生物に似た外観と暖かい体温で新しい形のペットロボット市場を狙っています。
日本東京渋谷の店舗で展示・販売されている「ラボット(LOVOT)」。生物に似た外観と暖かい体温で新しい形のペットロボット市場を狙っています。

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