NY株式市場2%急落、イラン発原油ショックでビッグテック揺らぐ

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By Global Team

10日(現地時間)のニューヨーク株式市場は3大指数が2%近く下落し、半導体指数は3.57%急落した。

予想にほぼ一致した5月の消費者物価指数(CPI)への安心感は、トランプ大統領のイランへの追加攻撃警告にかき消された。米国とイランの衝突再燃が下落の核心要因だ。

原油・金利・ドルがそろって上昇し、リスク資産には三重の負担となった。ビッグテックが一斉に軟調となった。

10日(現地時間)のニューヨーク株式市場は、3大指数が2%近く下落して取引を終えた。S&P500は -1.62%、ダウは -1.87%、ナスダックは -1.98%、フィラデルフィア半導体指数は -3.57%だった。

市場予想に合致した5月の消費者物価指数(CPI)は安堵感をもたらしたが、トランプ大統領がホワイトハウスでの会見でイランを「非常に強く」攻撃すると警告したことで、空気は一変した。交渉の余地を残しながらも、米軍ヘリコプターの撃墜に対する報復を示唆する発言だった。取引終了後には国防長官がイランの中核施設を狙うと強硬姿勢をさらに強めた。イランも中東地域の米軍施設への報復攻撃で応じるとした。

物価に関する好材料は地政学的悪材料に埋もれた一日だった。市場の視線は指標から中東へと移った。

衝突懸念は直ちに原油価格を押し上げた。前日は1バレル90ドルを下回っていたWTI原油は2.07%反発し、90.03ドルで引けた。中東産原油の供給障害懸念が価格を支えた。

金利も上昇した。物価指標は良好だったにもかかわらず、米国10年債利回りは3.5bp上昇して4.55%となった。金融政策に敏感な2年債利回りも2.6bp上がり、4.14%で取引を終えた。原油高が今後の物価を再び押し上げる可能性への警戒が金利に反映されたとみられる。安全資産を求める動きからドルも強含み、ドル指数は0.11%上昇して100.02となった。

原油・金利・ドルの同時上昇は、リスク資産にとって三重の重荷だ。利益確定の口実を探していた市場に、売りを増幅させる材料となった。

業種別では、生活必需品とエネルギー、不動産を除く全セクターが下落した。産業財、素材、情報技術(IT)の下げが目立った。前日に目立っていた循環物色、すなわちある業種から抜けた資金が別の業種へ移る流れは、この日には姿を消した。売りが市場全体に向かったという意味だ。

大型テック株は特に弱かった。テスラとエヌビディアが4%近く下落し、アマゾン、メタ、アルファベット、マイクロソフトも2%前後下げた。金利上昇は、将来利益を現在価値で評価するテクノロジー株に直接的な負担となる。

個別銘柄では、資金調達をめぐる不安が新たな火種となった。オラクルは堅調な四半期決算と前向きな見通しを示したにもかかわらず、大規模資金調達への懸念が浮上し、時間外取引で約6%下落した。

前日の引け後に増資計画を公表したスーパー・マイクロ・コンピュータは、この日28%急落した。業績や成長性よりも、「どう資金を調達するのか」が株価を揺さぶる局面に入った。

この日の下落の本質は、業績でも物価でもなく地政学だった。中東情勢が沈静化しない限り、原油と金利の上昇圧力は続く可能性が高い。

投資家が注視すべき変数は明確だ。米国のイラン攻撃が実際に行われるのか、ホルムズ海峡を通じた原油輸送が滞るのかによって、原油価格の行方が左右される。物価指標が再び市場の中心に戻るには、まず中東発の不確実性が和らぐ必要がある。