▶ イーロン・マスク氏(テスラ、スペースXのCEO)は4日(現地時間)、TSMCがテラファブでの協業を模索しているとの報道をXで共有し、「まだ話し合いの段階だ。ただ、何かが実現するかもしれない」と投稿した。
▶ テラファブは、テスラとスペースXがテキサス州に建設する大規模半導体工場だ。3月の発表では、年間1テラワット規模のAI演算能力に相当するチップの生産を目指すとしていた。ヒューマノイドロボット「オプティマス」やロボタクシー、宇宙データセンター向けのチップを自社生産する構想だ。

イーロン・マスク氏が建設を進める巨大半導体工場「テラファブ」に、TSMCが参加する可能性があると、マスク氏自身が言及した。これまでインテルが独占的なパートナーとみられていたプロジェクトだ。インテル株は下落し、TSMC株は過去最高値に上昇した。
4日(現地時間)、テスラとスペースXのCEOを務めるマスク氏は、TSMCがテラファブでの協業案を検討しているとの報道をXで共有し、「まだ話し合いの段階だ。ただ、何かが実現するかもしれない」と投稿した。
◆ テラファブ、マスク氏が自ら建設する半導体工場
テラファブは、テスラとスペースXが主導する大規模半導体工場のプロジェクトだ。マスク氏は3月、テキサス州オースティンで計画を発表し、年間1テラワット規模のAI演算能力に相当するチップの生産を目標に掲げた。
「テラファブ」という名称も、そこに由来する。テスラのヒューマノイドロボット「オプティマス」やロボタクシー「サイバーキャブ」、スペースXの宇宙データセンターに搭載するAIチップを、外部に委託せず自社で製造する構想だ。
工場はテキサス州グライムズ郡に建設され、第1段階の投資額は168億ドル(約2兆3,300億円)。12月に着工し、2028年末の完成を目指す。
4月にはインテルの参加が発表された。インテルは最先端の14Aプロセス技術と製造ノウハウを提供することになっている。これまでテラファブで採用が明らかになっていたプロセス技術は、14Aのみだった。インテルはテラファブの最大の恩恵を受ける企業とみられ、参加発表後には株価も上昇していた。
◆ TSMCへの言及でインテル株が2.65%下落
状況は、マスク氏の投稿一つで変わった。ニュースレター「カルピウム」は2日、TSMCがテラファブでの協業案を検討していると独自に報じた。マスク氏は4日にその報道を共有し、協議が行われていることを認めた。5日、インテル株は2.65%下落した。
TSMCの米国預託証券(ADR)は2.7%上昇し、1株485.80ドルと過去最高の終値を記録した。インテル株は6日の取引時間中にもさらに2.6%下落した。
別の見方もある。マスク氏がインテルとの価格交渉を有利に進めるため、意図的にTSMCに言及したというものだ。
エクイティ・アーマー・インベストメンツのCEO、ルーク・ラバリー氏は、米政府がインテルに投資している点を踏まえ、「インテルが大幅に置き換えられるとは考えにくい」とマーケットウォッチに語った。
TSMCにとっては、米国での投資拡大の流れに沿う動きとなる。TSMCはアリゾナ州に2,650億ドルを投資することを約束している。テラファブへの参加は、テキサス州での事業基盤を広げることにつながる。マスク氏の言う「何かが実現するか」は、まだ協議の段階だ。