Geminiでカフェ用BGMを作ってみた…グーグル「Lyria 3.5」を実際に使ってみると

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By Global Team

グーグルが音楽生成モデル「Lyria 3.5」をGeminiアプリに搭載した。9月4日(現地時間)に公開された。別途プログラムをインストールしたり、登録したりしなくても、Geminiのチャット画面で曲を作れる。実際に使ってみた。

グーグルの音楽生成モデル「Lyria 3.5」で作成した音楽の例『Dryer Love』が再生されている様子。Lyria 3.5はジャンルや雰囲気、ボーカルスタイルなどを指定して音楽を生成できる。
グーグルの音楽生成モデル「Lyria 3.5」で作成した音楽の例『Dryer Love』が再生されている様子。Lyria 3.5はジャンルや雰囲気、ボーカルスタイルなどを指定して音楽を生成できる。

◆ 一文で曲ができた

Gemini入力欄の『+』メニューに追加された『音楽作成』機能。別途プログラムをインストールせずに、Geminiのチャット画面でプロンプトを入力して音楽を生成できる。
Gemini入力欄の『+』メニューに追加された『音楽作成』機能。別途プログラムをインストールせずに、Geminiのチャット画面でプロンプトを入力して音楽を生成できる。

Gemini入力欄左側の「+」ボタンを押すと、画像作成、動画作成の下に「音楽作成」項目がある。選択すると、24種類のテンプレートが画面に表示される。サウンドスケープ、BGM、イントロ音楽、ブランドジングル、着信音、誕生日祝い、ラップバトル、チーム応援歌、天気予報まで、用途別に分かれている。下部には長さ、ボーカル、ジャンルを選ぶボタンも別にある。

テンプレートを使わず、チャット欄に文章を入力してみた。「アコースティックギターと穏やかなピアノが調和したカフェBGMを生成して」と入力した。

結果は1曲だった。Geminiは「温かいアコースティックギターのフィンガリングと穏やかなピアノの旋律が心地よく調和するカフェ雰囲気のBGMが生成されました」という応答とともにトラックを出した。曲名は「Morning Light Through Lace」だった。レースのカーテン越しに日差しが差し込む写真風のアルバムカバーも一緒に作られた。

タイトルとカバー画像は別途依頼していない。曲を作ると同時に生成された。

Geminiに『アコースティックギターと穏やかなピアノが調和したカフェBGM』を依頼して生成した『Morning Light Through Lace』。曲名とカバー画像も別途依頼なしに一緒に生成された。
Geminiに『アコースティックギターと穏やかなピアノが調和したカフェBGM』を依頼して生成した『Morning Light Through Lace』。曲名とカバー画像も別途依頼なしに一緒に生成された。

◆ 歌詞を入れると結果が変わった

2回目は、プロンプトを詳しく書いた。スタイルはシティポップ、テンポは110 BPMに指定した。楽器はヴィンテージ・エレクトリックピアノ(ローズ)、ファンキーなスラップベース、柔らかなブラスセクション、80年代のドラムマシンと記した。ボーカルは温かくグルーヴ感のある女性ボーカルと明記した。

構成も区間ごとに分けた。イントロには軽快なドラムビートとエレクトリックピアノのリフを、アウトロにはサックスソロのフェードアウトを指定した。バースとコーラスには、自分で書いた韓国語の歌詞を入れた。

出来上がったのは「夜明けが来る前まで」というタイトルの曲だった。カバー画像は、ネオンの光が水面に映る都市の夜景イラストだった。歌詞に書いた「ビルの谷間に散っていくネオンの光」という表現が画像に反映された形だ。

ジャンル、テンポ、楽器、ボーカルスタイル、曲構成、韓国語の歌詞まで指定したプロンプトで生成した曲『夜明けが来る前まで』。入力した歌詞の内容を反映したカバー画像も一緒に作られた。

一文だけ入れても曲は出る。ただ、望む結果を得るには、ジャンル、テンポ、楽器、ボーカルの性別、区間構成を分けて書く必要がある。音楽用語をある程度知っていなければ、プロンプトをきちんと書くのは難しいという意味でもある。

Lyria 3.5はGeminiアプリのほか、Google Flow Music、AI Studio、Google Bizでも使える。Google Bizでは、AI ProとUltraの有料サブスクライバーに提供される。すべてのトラックにはSynthIDウォーターマークが入る。グーグルは、人間の耳では検知できず、鑑賞にも影響しないと説明している。特定の歌手の声や、著作権のある歌詞を要求するプロンプトは遮断される。

◆ Sunoと何が違うのか

AI音楽生成ツールとして最も広く使われているサービスはSunoだ。両者を比べると、強みが分かれる。

Gemini側の利点はアクセスのしやすさだ。すでにGeminiを使っているなら、新たに登録する必要がない。チャット欄で文書作業をしながら、その場で音楽を作れる。曲名とアルバムカバーが一緒に出る点も、コンテンツ制作者には時間の節約になる。映像編集ツールであるGoogle BizやFlow Musicと連携する構造も備えている。

Suno側の利点は後処理だ。Sunoの有料プランでは、完成した曲をボーカル、ドラム、ベースなどトラックごとに分離してダウンロードできるステム機能を提供する。上位プランでは、タイムライン編集で特定区間のメロディーや発音だけを修正することもできる。よく使うボーカルとスタイルの組み合わせを保存する機能もある。作った曲を磨き上げて音源にしたい利用者には、大きな違いとなる。無料プランで作成した曲は商用利用できず、有料プランから利用者に権利が移る。

著作権問題では状況が分かれる。ドイツ・ミュンヘン地方裁判所は8月、ドイツ音楽著作権協会(GEMA)がSunoを相手取って起こした訴訟で、著作権侵害を認めた。裁判所は、GEMAが提示した6曲がSunoのモデルに再現可能な形で含まれていると判断した。Sunoは、モデルが曲を保存しているのではなく、数学的に学習したパターンしか持たないと主張したが、受け入れられなかった。裁判所は、学習データを選びモデルを運営する主体がSunoだとみた。判決はまだ確定していない。

グーグルは、Lyriaを使用権限のあるデータのみで学習させたという立場だ。ITメディアのThe Decoderは、グーグルがLyria 3 Proを公開した際にそのような説明を行ったと報じた。ただし、実際にどのデータを使ったのか、具体的な内容は公開していない。

商用利用する音源を作る予定なら、確認すべき点だ。YouTubeのBGMや店舗BGMのように実使用を前提にするなら、利用規約で権利範囲を先に確認する必要がある。