中国CXMT、次世代DRAM「LPDDR6」世界初の量産…サムスン・SKを追撃

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By Global Team

中国のメモリ企業、長鑫メモリテクノロジー(CXMT)が次世代モバイルDRAM「LPDDR6」を世界で初めて量産すると、29日(現地時間)に発表した。サムスン電子とSKハイニックスが主導してきたモバイルメモリー市場に、中国が新規格の商用化を先取りして乗り出した形だ。

CXMTは29日(現地時間)、ソーシャルメディアの微博(ウェイボー)を通じてLPDDR6の正式量産を公開した。最初の搭載製品は、9月発売予定のシャオミ製フォルダブルスマートフォン「18 Fold」だ。雷軍(レイ・ジュン)シャオミCEOは「シャオミ独自開発のAIプロセッサー『Xuanjie O3』がCXMTのLPDDR6を初めてサポートし、18 Foldに初搭載される」と明らかにした。

◆ LPDDR6とは何か

LPDDR6は、スマートフォンやタブレットに搭載される省電力DRAMの次世代規格だ。DRAMは、端末が作業中のデータを一時的に保存する仮置き場にあたり、転送速度が速いほど処理性能が向上する。CXMTは自社製品が最大12,800Mbpsの転送速度と16Gbの容量に対応すると発表した。

LPDDR6が注目される理由は人工知能(AI)にある。クラウドサーバーを介さず、スマートフォン内で直接AIを動かす「オンデバイスAI」が広がるなか、大量のデータを高速でやり取りできるメモリー性能が重要になっている。LPDDR6はこの演算を支える核心部品とされ、今後はPCやサーバー、車両へと用途が広がる見通しだ。

中国メディアの証券時報は、今回の量産を世界初のLPDDR6商用化と評価し、「中国のメモリー企業が高性能メモリー標準で初めて世界初量産に成功した」と意味づけた。

◆ サムスン・SKの牙城に投じた挑戦状

CXMTの技術追い上げは、サムスン電子とSKハイニックスにとって重荷となっている。両社もLPDDR6市場の先取りに動いている。SKハイニックスは3月、10ナノ級第6世代(1c)プロセスを適用した16Gb LPDDR6の開発を終え、今年下半期の供給を予告した。サムスン電子は1月の「CES 2026」でLPDDR6製品を公開したが、具体的な量産時期は明らかにしていない。

技術水準を単純比較するのはまだ早い。CXMTが「世界初量産」の称号を手にしたものの、中国政府の補助金を背景にした物量攻勢や、実際の性能・歩留まりがどの程度かは別問題だ。ただし、後発とみられていた中国が次世代規格で韓国企業と肩を並べる地点まで来たことは確かだ。

生産能力拡大の見通しも脅威的だ。世界的投資銀行モルガン・スタンレーは、「CXMTが今年末までに月産30万枚のウェハー生産能力を確保し、これは世界のDRAMウェハー生産能力の約13%、世界のビット出荷量の11%に相当する規模で、2028年までに月産50万枚へ引き上げる」と予測した。

米国の制裁以降、中国企業がチップや部品を国産に切り替えてきた流れが、メモリー分野にも及んだ格好だ。汎用メモリーから始まった中国の追撃が次世代の高性能製品にまで上がってきたことで、技術格差を広げてきたサムスンとSKハイニックスには、生産速度と性能優位を示す次の一手が課題として残る。