ソウル東大門デザインプラザ(DDP)の外壁222mが、市民の手で埋め尽くされる可能性が開かれた。これまで専門作家とグローバルなメディアアーティストの舞台だった世界最大の不規則形メディアファサードが、初めて一般市民のAI創作物を受け入れることになったのだ。
ソウルデザイン財団は、市民が生成AI技術でK-カルチャーを再解釈した映像を公募する「ソウル デザイン AI映像コンテスト」を開催すると発表した。応募締め切りは6月30日午前11時まで。
専門家の舞台だった222mの外壁、市民に開放
今回のコンテストの意味を理解するには、DDPメディアファサードの格をまず押さえる必要がある。DDPの外壁は長さ222mに達する世界最大の不規則形メディアファサードだ。
世界三大デザイン賞であるiF、レッドドット、IDEAをすべて受賞し、「世界最大の不規則形建築物3Dマッピングディスプレイ」部門でギネス世界記録にも登録されている。
昨年の「ソウルライトDDP 2025 冬」イベント期間の累計来場者数は192万人に達した。12月31日の新年カウントダウンには、8万7,000人余りが8車線道路を埋め尽くした。
運営方式はさらに厳格だ。4万5,133枚のアルミニウムパネルはすべて異なる規格と曲率を持つ。曲面外壁に映像を正確に投影するには26台のプロジェクターと50台のスピーカーが動員され、建物全体を3Dスキャンした後、平面データへ変換して再び適用する作業を経る。
こうした舞台をこれまで誰が埋めてきたのか。韓国抽象美術の巨匠キム・ファンギ作家の作品をメディアアートとして再解釈した「時の詩」、グローバルIP企業のカカオとLINE FRIENDSのキャラクター協業、ドイツのメディアアーティスト、ティモ・ヘルゲルトの「ムーン・サイクル」といった作品だった。いずれも実力が検証された作家、実績のあるIPの領域だったということだ。
AIが変えた「デザインの敷居」
ソウルデザイン財団の今回の決定は、生成AIがもたらした変化を真正面から受け止めた結果だ。これまでメディアアート分野への一般市民の参入は、事実上不可能だった。映像編集、3Dモデリング、モーショングラフィックスのような専門技術が必要だったからだ。
生成AIはこの参入障壁を打ち破った。テキストを数行入力するだけで映像を作り、画像を動かし、音楽と映像を結合する作業が誰にでも可能になった。
財団の評価基準が興味深い。技術的完成度ではなく、「何を想像し、それをどのように芸術的に表現したか」を見るというのだ。AI活用能力よりも、市民固有の視点と独創的な解釈に注目する方針である。
これは単なる評価基準ではなく、メディアアートの定義そのものを問い直す試みだ。誰が「作家」で誰が「観客」なのか、都市の巨大なキャンバスは誰のものなのかという問いである。
公募テーマもこうした文脈で読むことができる。「AIで実現するK-カルチャー芸術」と「クリスマスおよび年末祭りの大衆作品」だ。韓国の伝統美からK-POP、フード、ファッションまで、さまざまなK-カルチャーコンテンツと年末の祝祭ムードをAIで昇華させた映像なら、誰でも応募できる。
賞金2400万ウォン、しかし本当の報酬は別にある
表彰規模は、ソウルデザイン財団代表理事賞10点またはチーム、総賞金2400万ウォンだ。
大賞1人には賞金1000万ウォンとともに、「ソウルライトDDP 2026」開催期間にDDP外壁へ作品を上映する機会が与えられる。最優秀賞1人は賞金300万ウォンとメディア上映機会、優秀賞3人は各200万ウォンの賞金と上映機会を受ける。奨励賞5人には各100万ウォンの賞金が授与される。
受賞者に返ってくる本当の報酬は、賞金ではなく露出の価値だという分析ができる。昨年のカウントダウンイベント一回だけで8万7,000人余りが集まり、YouTubeを通じて全世界に生中継された。東大門一帯の夜間流動人口が平時の5倍以上に増える都市単位イベントの舞台に、市民作品が載るのだ。
ただし、作品の品質が上映基準に満たない場合は上映が制限されることがあり、審査結果に応じて表彰規模が調整される可能性もある。大賞以外の最優秀賞と優秀賞の受賞作は、DDPの屋内外ディスプレイを通じて紹介される。
都市公共アートの重心が移りつつある
今回の公募を単なるイベントとして見ることは難しい。都市が市民の創作物を受け入れる方式が変わったというシグナルと読めるからだ。
従来の都市メディアアートは「上から下へ」流れていた。行政が企画し、作家が制作すれば、市民は鑑賞するという構図だった。今回の公募はその流れを逆にする。市民が作り、都市がそれを受け止め、巨大な外壁の上に映し出すのだ。
K-カルチャーの海外拡散戦略の面でも意味がある。これまでK-カルチャーのグローバルコンテンツは、K-POP、ドラマ、映画といった専門産業の成果物が中心だった。市民がAIで再解釈したK-カルチャーがDDP外壁を通じて世界中の観覧客の前に上映されれば、韓国文化の外縁を広げるもう一つの通路が開かれることになる。
チャ・ガンヒソウルデザイン財団代表理事は、「今回の公募は、市民の芸術的潜在力がAIという翼を得て、DDPという巨大なキャンバスの上で広がる祭典の場」とし、「K-カルチャーの魅力を世界に知らせる市民クリエイターたちの、みずみずしく輝くアイデアを待っている」と述べた。
応募用紙など詳細な公募内容は、ソウルデザイン財団とDDPのホームページの案内で確認できる。