
ソウル広場の地下13メートル、40年眠っていた全長335メートルの地下空間が、Kコンテンツ体験プラットフォームとして今年10月にオープンする。
新たに掘り起こすのではなく、元のままの地下構造物を展示空間として活用する「低コスト再生」方式が核となる。
市は安全設備のみを担い、コンテンツ運営は民間専門企業が担当する官民分業モデルで、公共空間活用の新たな枠組みを作った。
都心の真ん中に放置された空いた空間を、どう再活用するのか。ソウル市が示した答えは「新たに土地を掘らない」だった。
ソウル広場の地下13メートル、40年以上眠っていた幅9.5メートル・長さ335メートル規模の地下遊休空間が「Kコンテンツ文化・体験プラットフォーム」に生まれ変わる。ソウル市は24日、この空間を都心型の文化・体験拠点として造成し、10月に開場すると明らかにした。
この空間は、地下鉄2号線の線路上部と全国初の地下商店街の下部の間に挟まれていた遊休空間だ。1983年に市庁駅地下商店街と乙支路入口駅をつなぐ工事の過程で副次的に生じたものと推定されている。これまで開発も商業利用もなかったため、むしろ1980年代初めの原型構造がほぼそのまま残っていた。
ソウル市は2023年9月、地下鉄駅の革新プロジェクト「ファンステーション」の一環としてこの空間を発掘し、市民探検プログラムを運営した。
当時の反響が今回の事業の出発点となった。市は市民の関心を確認した後、空間の安全性や運営方式、民間参加の可能性を順に検討し、本格推進に入った。
◆ 土を掘らない再生
都心に新たな文化施設を建てるには、用地確保から莫大な費用と時間がかかる。すでに存在する空き空間をよみがえらせる方式は、その負担を飛び越える。
コンクリートの壁面と柱の荒い質感さえ、撤去対象ではなく展示の背景として使われる。手を加えないことが、そのままコスト削減であり差別化戦略でもある。
地下トンネルの長い壁面と構造物には、映像と光を投影するメディアアートが導入される。観覧客の動きに応じて画面と音響が反応する体験型コンテンツも用意される。
トンネルのように長く続く構造は、Kファッションの展示やランウェイ、ブランドショーケースの舞台として活用される。K-POPアーティストのグッズと映像コンテンツ、バーチャルアイドルの世界観を組み合わせたポップアップストアも運営される予定だ。
単に展示を見て帰る場所ではなく、滞在して体験する拠点にするのが市の構想だ。
◆ 公共が安全、民間がコンテンツ…分業が生んだモデル
今回の事業のもう一つの特徴は、役割を分けた点にある。ソウル市は公共基盤施設の整備を担い、コンテンツの企画と運営は民間専門企業に任せる。
運営は、没入型コンテンツの企画・制作専門企業クリエイティブ・モッが担当する。同社はホログラム特許技術と多数の没入型コンテンツ構築実績を持つ。AI・リアルタイムホログラムや拡張現実(VR)、アンリアルエンジン基盤のCGなど最新技術をKコンテンツと結びつけた没入型体験コンテンツを直接企画・運営する計画だ。
公共がすべてを抱え込めばコンテンツ競争力が落ち、民間に全面的に任せれば公共性が揺らぐ。市はその間で、安全という公的責任は握り、創造性が必要な領域は民間に委ねる分業構造を選んだ。公共空間活用の新たな協力モデルと評価される理由がここにある。
もっとも、解決すべき課題も明確だ。
地下という条件そのものが安全負担を大きくする。市は現在、ソウル交通公社とともに換気・消防・避難施設を整備しており、設計・施工・安全管理全般を点検しながら工事を進めている。
基盤施設工事と民間運営計画の調整を並行し、工事の進捗に合わせて民間内部施設の整備など後続手続きを順次進める方針だ。工事が終われば、地下鉄2号線・乙支路入口駅の出入口を通じてこのプラットフォームを利用できる。
今回の事業は、一か所で終わるものではない。
キム・ヨンハク ソウル市未来空間企画官は「3年前に公開し、拡張可能性を確認した地下遊休空間を、より多くの市民が利用できる未来型文化空間へ転換する段階だ」とし、「江東駅、加山デジタル団地駅などでも、それぞれの空間の特性に合ったファンステーションを準備し、市民の日常に新たな活力を生み出していく」と述べた。
土地が不足する都市ほど、すでに持っている空き空間の価値は大きくなる。ソウル広場地下の10月開場は、眠っていた他の空間の活用法を占う試金石となる見通しだ。