SKグループの崔泰源会長が、龍仁クラスターの次に建設する半導体工場の立地検討を本格化させている。首都圏の電力・用水の制約が限界に近づく中、重心は非首都圏へと移っている。
半導体工場には、電力・用水・人材・用地が同時にそろうことが求められる。平沢や龍仁など首都圏は、電力と用水が飽和状態に達している。
非首都圏の候補としては湖南と忠清が挙がっている。湖南は再生可能エネルギーと後工程のエコシステム、忠清は既存のメモリー拠点との連携が強みだ。
湖南は24時間安定した電力と中核人材の確保が課題で、前工程よりも後工程施設が先に取り沙汰されている。

崔泰源SKグループ会長は、次世代の半導体工場をどこに建てるかの検討を本格化させている。
京畿道龍仁に建設中の世界最大級の半導体クラスターの、その先を見据えた動きだ。崔会長は10日、日本・東京で記者団に対し、「半導体需要は継続的に増えており、どこかへ行かざるを得ない。準備が宿題として迫ってきている」と語った。
この発言の重みは時点にある。政界や政府内外で、サムスン電子とSKハイニックスの生産拠点を湖南・忠清など非首都圏へ広げる案が検討されているとの見方が相次ぐ中で出てきたものだ。
財界では、今月末に李在明大統領と主要グループ総帥との懇談会で、具体的な投資案が公開される可能性が高いとの見方が多い。両社は「承知していない」として言葉を控えている。
どこに建てるかは、すなわち何が整った土地かという問題だ。崔会長の発言には、その基準が込められている。
崔会長が挙げた次期工場の前提条件は4つだ。電力と土地、人材と水だ。「どこかに行くにはインフラがものすごく必要だ」というのが同氏の説明であり、半導体工場がどこでも建てられるわけではない理由を端的に示している。
先端半導体ラインは、一つの都市が使うほどの電力を消費する。回路を洗い流す超純水も膨大に使う。さらに、高度に訓練された人材と広い平地が加わって初めて工場は稼働する。4条件を一度に満たす用地は多くない。
既存拠点である首都圏は限界に直面している。平沢と龍仁を中心とするメガクラスターは、AI半導体ラインをこれ以上受け入れるのが難しいほど電力と用水が逼迫している。
次期工場を別の地域で探さざるを得ない背景がここにある。龍仁クラスターは415万平方メートルの敷地に整備され、1期工場は2027年の稼働を目指している。会社の重心は当面、この場所に置かれる。
非首都圏の候補としてまず挙がるのが湖南だ。光州や長城一帯が取り沙汰されている。湖南は太陽光や洋上風力など再生可能エネルギーの潜在力が国内最大級で、企業が使う電力を100%再生可能エネルギーで賄うRE100に有利な条件を備える。
重みを増す変数がセマングムだ。ジェンソン・フアンNVIDIA最高経営責任者(CEO)がセマングムを韓国の「AIバレー」と呼んだことで、湖南はAIインフラの拠点として注目を集めている。半導体生産拠点がこの地域に立地すれば、AI産業団地と連動させる効果も狙える。
一方で限界もはっきりしている。24時間止まることなく稼働しなければならない半導体工場にとって、再生可能エネルギーだけで安定電力を確保するのは、なお難しい。
先端メモリーを作る中核人材の層も厚くない。そのため湖南では、前工程工場よりも後工程施設が先に議論されている。
前工程はウェハーに回路を刻む核心段階で、後工程は完成したチップを切断して包装するパッケージング段階だ。すでに世界的な後工程企業アンコー・テクノロジーが光州に拠点を置いており、エコシステムをつなぎやすい。
忠清は性格が異なる。SKハイニックスのメモリー生産拠点である清州、サムスン電子のパッケージング拠点である天安・温陽がすでに立地している。
既存インフラに接続する連携投資がしやすいということだ。首都圏に近く、人材を集めやすいのも相対的な強みだ。メモリーラインの増設であれば、湖南より忠清が現実的だとの分析が出る理由である。
両地域の勝負は、最終的には同じ問いに集約される。莫大な電力と用水、人材をどこで最も安定的に確保できるのか、という点だ。湖南は再生可能エネルギーと政府の均衡発展の意志を背景に持ち、忠清はすでに稼働している拠点という現実的な強みを持つ。どちらも4条件を完全には満たせない。
財界内外では、今月末に李在明大統領と主要グループ総帥らが青瓦台で行う懇談会で、具体的な投資案が示される可能性が高いとの見方が多い。
政府は、税制優遇や電気料金の差別化などの誘導策を前面に出し、地方投資を後押ししている。電力と用水、人材という冷徹な条件と、均衡発展という政策意志が交差する地点で、SKの次の工場の場所が決まる見通しだ。