ヨーロッパ各地で猛暑が続き、海辺の砂浜に置かれた温度計が40度に迫る気温を示している。ビヨン=(写真=ソリューションニュース)
ヨーロッパが記録的な猛暑にあえいでいる。1週間で1300人以上が命を落とした。
世界保健機関(WHO)は、21日以降、ヨーロッパで猛暑に関連する超過死亡が1300人を超えたと明らかにした。テドロス事務局長は先週日曜、SNSでこの数値を自ら公開した。彼は「ヨーロッパの家や職場、学校は、こうした暑さに耐えられるようには造られていない」と述べた。
超過死亡とは、平年の同じ期間の平均よりどれだけ多く死亡したかを示す指標であり、猛暑の実被害を測る尺度として使われる。
◆ 1週間で1300人死亡…ヨーロッパが沸騰している
最も深刻なのはフランスだ。フランス公衆保健庁は24日以降、通常より約1000人多く死亡したとみられると発表した。まだ確定前の暫定集計だ。
被害は高齢層に集中した。死亡者の85%が65歳以上だった。
最も大きな被害が出たのは、赤色警報が出された地域だ。赤色警報はフランスの猛暑警報の最上位段階で、パリ首都圏のイル=ド=フランスをはじめ、ヌーヴェル=アキテーヌ、ブルターニュ、ノルマンディーなどが含まれた。フランスの行政区画であるデパルトマン(日本の市・郡に相当)の30カ所余りが、一時赤色警報下に置かれた。
気温は記録を更新した。フランス各地で今週40度を超えた。先週水曜は、フランスの気象観測史上最も暑い日として記録された。日平均気温は30度まで上昇した。
◆ 猛暑は目に見えない災害…最も弱い人から襲う
連日の強い日差しと高温現象が続き、高齢者や慢性疾患患者など脆弱層の健康被害への懸念が高まっている。ビヨン=(写真=ソリューションニュース)
猛暑が恐ろしいのには別の理由がある。地震や洪水のように、一瞬で壊すわけではない。暑さは弱い人の体を少しずつ蝕んでいく。
高齢者は特に脆弱だ。年を取ると体温調節能力が低下する。心臓病や糖尿病などの慢性疾患があると、危険はさらに大きくなる。夜になっても気温が下がらない熱帯夜が続けば、体が回復する余地を失う。
都市はさらに暑い。アスファルトやコンクリートが昼間に熱をため込み、夜に放出する。都市部が周辺より暑くなる「ヒートアイランド現象」だ。
パリの光景が事態の重さを物語る。市当局は先週末、公的な場所での飲酒を禁止した。救急サービスへの負担を少しでも減らすためだ。土曜日に予定されていたプライド行進は延期された。エッフェル塔とルーヴル美術館は早じまいした。
水辺に集まった市民の間では事故も相次いだ。ある男性が先週金曜夜、パリのサン=マルタン運河で死亡した。フランス・プロサッカー2部リーグの選手ケンゾ・キース(21)もローヌ川で溺死したと伝えられた。所属クラブのギャンガンは追悼声明を出した。
パリのエマニュエル・グレゴワール市長は「決められた時間と区域を超えて泳ぐのは危険だ」と改めて警告した。
◆ ヨーロッパだけの問題ではない…気候変動が猛暑を強める
暑さはフランスにとどまらなかった。英国では先週金曜、6月としては史上最も暑い日を記録した。英国気象庁の暫定集計では、サフォーク州サントンダナム村が37.3度まで上昇した。スペインとドイツでも40度を超えた。
スペインの被害も確認された。スペインの日次死亡監視システム(MoMo)によると、水曜から土曜までの間に、気温との関連があった可能性のある死亡は400人を超える可能性がある。同期間の超過死亡は174人と集計された。
こうした猛暑が偶然ではないというのが専門家の見方だ。世界気象機関(WMO)は、ヨーロッパが地球平均の約2倍の速さで温暖化していると明らかにしてきた。温室効果ガスの蓄積により、猛暑はより頻繁に訪れ、一度来ればより長く、より強くとどまるという分析だ。
他人事ではない。韓国でも毎年夏に熱中症死亡者が出ている。高齢化が急速に進んでいるだけに、危険群も増えている。専門家は、猛暑避難所の拡充、独居高齢者の見守り、都市の緑地拡大などの適応策を急ぐべきだとみる。根本的な解決策は温室効果ガスを減らすことだという指摘もある。
猛暑はより頻繁に、より長く戻ってくる。どれだけ備えたかが、生存を分ける。