国内の主要グループが非中核事業を整理し、半導体・人工知能・ロボット・防衛産業へ資源を集中させる再編に拍車をかけるなか、産業再編はそのまま雇用再編へとつながっている。

28日、財界によると主要グループの事業再編は資産売却にとどまらず、組織と人員の再配置へと広がっている。高金利、地政学リスク、AI投資競争が重なり、外形拡大ではなく中核事業中心に身を整える流れが鮮明になっているという。
企業が再び盤面を組み替えるたびに、仕事の場所と性格も変わる。どの職務が増え、どの地域が成長し、どの国へ投資が流れるのか。三つの移動をたどると、変わった地図が見えてくる。
◆ 非中核は売り、核心に集中させる。まず人が動く
サムスン電子は、電力半導体(CSS)事業チームの人員を対象に、社内自由応募(FA)制度を23日から実施した。メモリー、システムLSI、ファウンドリなどへ段階的な再配置が進められる。

サムスン電子は、ロボットを半導体に匹敵する成長エンジンとして育てるため、代表理事直轄の「RX事業推進室」を新設した。複数の組織に散らばっていたロボット人材をソウル・ウメンドンの研究開発キャンパスに集約し、亀尾事業場にはロボット学習用データを作成するデータファクトリーを建設する。
現代自動車グループでロボット企業ボストン・ダイナミクスの戦略を率いていた李東健(イ・ドンゴン)副社長を、ロボティクス戦略チーム長として招聘した。組織新設、拠点移転、外部人材の登用がひとまとまりで進んでいる形だ。
人材移動は半導体内部でも進んでいる。サムスン電子は収益性の低い電力半導体(CSS)事業チームの人員約500人を対象に社内自由応募制度を設け、メモリーやファウンドリなどへ再配置する手続きに入った。移った人材には成長部門の報酬体系が適用されるため、事業見通しと報酬がともに移動を後押しする構図だとの見方が出ている。
海外投資も並行して進む。人材と技術を一括で買い取る方式だ。英フィナンシャル・タイムズによると、サムスンはフランスのAI企業ミストラルAIに約10億ユーロ(約1兆7000億円)規模で投資する案を検討している。
SKグループは11番街、ウリストア、SKシールドス、SKレンタカーの持ち分を相次いで整理し、系列企業の規模を縮小してきた。電気自動車充電器子会社SKシグネットは、1株8200ウォンの公開買い付けで上場廃止した後、売却を進める方案を模索している。
半導体素材会社SKシルトロンの売却をめぐっては、苦悩が深まっている。昨年12月に斗山を優先交渉対象者に選んだが、AIによるメモリー好況で企業価値が4兆~5兆ウォン台から7兆ウォン台へと跳ね上がったとの見方が出ており、中核素材会社を売ってよいのかという問題提起が続いている。
崔泰源(チェ・テウォン)会長が半導体需要急増を「阿鼻叫喚」に例え、5年以内にメモリー生産能力を2倍にすると明らかにしただけに、売却強行と撤回の間でジレンマが大きくなっている。
現代自動車グループとハンファも方向は同じだ。ロボットと防衛産業という異なる看板を掲げてはいるが、非中核を減らして未来事業に力を注ぐ文法は同じである。鄭義宣(チョン・ウィソン)会長は最近の米AIサミットで、自動運転、ロボティクス、AI工場を包括する「フィジカルAIソリューション企業」への転換を推進すると表明した。自動車メーカーではなく、身体を持つAIを売る会社になるという宣言で、ボストン・ダイナミクス、エヌビディア、ウェイモとの協力が軸になる。
ハンファは米フィリー造船所と豪オースタルの持ち分確保で海洋防衛の軸を築き、韓国航空宇宙産業(KAI)の持ち分まで取得する一方、景気が冷え込んだ太陽光・化学系列のハンファソリューションは資産を売却して財務構造を整えている。伸ばす事業と縮小する事業の明暗が、そのまま雇用の明暗になる構造だ。
中堅グループもこの流れに乗っている。LG CNSは、エヌビディアやメタなど48社が参加するAI新素材開発の協力体に、国内IT企業の代表として加わった。斗山ロボティクスは、昨年買収した米自動化企業オネクシアの効果で第2四半期売上高が1年前より290%増え、ロボットソリューション企業への転換を加速させている。
◆ 職務・地域・国境、三方向への移動が始まった
まず職務が動く。低収益事業の熟練人材が、半導体・ロボット・AI部門へ移っている。新規採用で人材を育成して投入するには数年かかるため、企業は内部再配置と経験者採用でスピードを上げている。
主要グループの公開採用が相次いで廃止され、中途・経験者採用が定着する流れと重なり、新たに門を叩く求職者より、検証された経験者に有利な市場が固まりつつあるとの分析がある。成長部門へ移る人には機会だが、初めての職を探す若者には入口が狭くなるという両面性も指摘されている。
世界経済フォーラム(WEF)の未来の仕事に関する報告書の予測。

世界的な見通しも同じ方向を示す。世界経済フォーラム(WEF)の未来の仕事に関する報告書は、2030年までに1億7000万の雇用が新たに生まれ、9200万の雇用が失われ、純増は7800万に達すると予測した。
総量は増えるが、内容が問題だ。AI専門家やデータ分野は急速に拡大する一方、事務支援、グラフィックデザインなどの職務は減少すると見込まれた。現在の職務能力の39%は2030年には陳腐化するという見通しも盛り込まれている。
世界の雇用の22%が新たに生まれるか代替される大変動であり、ケアや教育、再生可能エネルギーのようにテクノロジーと距離があるように見える分野でも需要が高まると予測された。
地域の地図も描き直される。現代自動車グループは、セマングムにロボット製造とAI応用センターを包括する「AIバレー」を造成し、国内に2030年までに125兆ウォンを投資する方針だ。サムスンの亀尾データファクトリー、ウメンドンのロボット研究拠点も同じ流れにある。
産業地図が描き直されれば、人材が集まる都市と流出する都市が分かれる。首都圏への研究開発集中と地方生産拠点の再編が重なり、地域雇用の勢力図が揺らぐ可能性があるとの見方だ。半導体、防衛、造船の拠点がどこに置かれるかによって、若者人口の移動経路まで変わりうるという指摘もある。
国境の外にも重心が傾いている。フィナンシャル・タイムズが企画財政部の集計を引用して報じたところによると、今年第1四半期の韓国企業による対米直接投資は102億ドル(約15兆円)で、前年の2倍を超え、約5年ぶりの高水準となった。
昨年通年では257億ドルだった。米国市場へのアクセス性とサプライチェーン再編の圧力が投資を引き寄せる背景とされる。現代自動車グループだけでも、米国への260億ドルの投資を計画している。
ゴールドマン・サックスは、AIが世界のM&Aの形を変えており、韓国がアジアの中心だと診断し、JPモルガンは韓国企業の米国M&Aが大型化していると分析した。
生産と投資の重心が米国へ傾くほど、国内の生産職雇用には空白が生じうるという懸念と、本社に研究開発の高度雇用が集中するという反論が並んでいる。
海外工場が増えても、設計や企画、データ管理のような付加価値の高い機能が国内に残れば、雇用の質はむしろ高まるという論理だ。どの機能が残り、どの機能が出ていくのかが、統計上の投資額より重要な観察ポイントとされている。
◆ 地図が変わる速度に合わせて、橋を架けなければならない
移動そのものを止めることはできないというのが大勢だ。問題は、その移動コストを誰が負担するかである。消えていく仕事にいた人が新しく生まれる仕事へ移るには、技術と時間、資金が必要だ。電力半導体エンジニアがメモリー工程へ、太陽光人材が防衛現場へ移る過程の一つひとつが転換コストになる。
WEFは、2030年までに世界の労働者の59%に再教育や能力向上が必要だが、11%は必要な教育を受けられない可能性が高いと指摘した。教育機会の格差がそのまま雇用格差につながりうるという警告だ。
企業レベルの橋としては、社内再配置が挙げられる。サムスン電子の自由応募制度のように、本人が応募し事業部が審査する方式は、一方的な配置転換より摩擦が少なく、熟練人材を解雇せず成長部門に投入できる。WEFの調査でも、企業の85%が既存社員の能力強化を最優先課題に挙げた。
調査企業の70%は、新技術を備えた人材の採用も並行して進めると答えており、再教育と外部採用が同時に回る雇用市場が予告されている。人を外に出して新たに採るより、もう一度教えて移す方がコストと組織安定の両面で有利だとの判断が広がっているという意味にも読める。
政府の役割も取り沙汰される。セマングムAIバレーのような新拠点が実際の地域雇用につながるには、住居や教育など定住条件が伴う必要があるという指摘だ。対米投資拡大に対応し、国内に残る機能と出ていく機能を選別して支援する産業・雇用政策、転職訓練と雇用保険など移行期の安全網整備も課題とされる。
WEFが警告した「教育を受けられない11%」を減らすことは、個別企業ではなく公共の役割だとの指摘がある。消えていく職務にいた人ほど再教育へのアクセスが低くなりやすいという逆説を、政策が埋め合わせなければならないという注文だ。
◆ 迫る雇用変化、その解決策は?
準備の各論も示されている。個人レベルでは、いまやっている仕事にAIツールを組み合わせることから始めるべきだという助言が多い。
報告書作成、データ整理、デザインの下書きのような反復業務から自動化ツールで処理してみれば、代替される仕事と、人が引き続き担う仕事が見え始める。AIに仕事をさせ、その結果を検証する能力自体が新たな職務スキルとして扱われる流れだ。
キャリア設計の方法を変えるべきだという提言も続く。1つの会社、1つの職務にとどまる計画ではなく、産業が再編されるときに乗り換えられる隣接スキルをあらかじめ積み上げておく方式である。電力半導体の人材がメモリー工程へ移動できた背景にも、半導体という共通基盤があった。公共職業訓練や国民内日配達カード(国民生涯勤務カード)のような再教育制度を、失業後に探すより在職中に活用しておく方がよいとの指摘もある。
企業と学校への注文もある。企業には、再配置対象者に転換教育期間を保証し、職務転換の経路を事前に公開するよう求められている。大学には、産業需要とずれた定員とカリキュラムを見直すよう求める声が上がっている。どの職務が減り、どの技術が必要かを企業が最も早く知っているだけに、その情報を労働市場と教育現場に速やかに流す仕組みが、転換コストを減らす近道とされる。
個人に残る課題は学びの継続だ。WEF報告書は、新技術を習得する学習能力と問題解決力、AI・データ理解を、今後需要が高まる能力として提示した。
特定の職務に縛られた技術より、移動できる能力こそが雇用の安全弁になる時代だという診断である。財界の事業再編と世界の労働市場の見通しが、同じ文を指している。
地図が変わるとき、有利なのは良い場所を持つ人ではなく、移動の準備ができている人だ――報告書を貫く結論はそこにある。グループ各社の再編実験は、その命題を国内雇用市場で検証する最初の舞台になっている。
