地下鉄不便苦情の78%が冷暖房問題…ソウル交通公社、夏季対策を強化

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By Global Team

ソウル交通公社が夏場の地下鉄の冷暖房に関する苦情増加に備え、市民への案内と広報を強化すると22日に明らかにした。冷暖房の運営原理を分かりやすく伝える一方、緊急苦情への対応力も引き上げる方針だ。

(出典=ソウル交通公社)
(出典=ソウル交通公社)

同公社が昨年受け付けた地下鉄の不便苦情は計101万件余りだった。このうち冷暖房関連の苦情は約79万件で、全体の78.4%を占めた。大半は「暑い」という苦情だった。

冷暖房に関する苦情は、気温が高くなる5月から9月に集中する。気候変動により夏の猛暑が長期化・激化し、関連苦情も増加傾向にある。気象庁によると、2024年の全国の夏季平均猛暑日は24.0日で、平年(1991~2020年)の10.6日の2.3倍に達した。同年のソウルの熱帯夜日数は39日で、過去最多を記録した。

◆ 車内のエアコンは乗務員が調整できない

市民がよく誤解している点は、列車内のエアコンを乗務員が直接調整しているということだ。

実際には列車の冷暖房は、環境部告示に従い夏は24度、冬は18度に自動運転される。定められた基準温度に合わせて冷暖房装置が自動で作動する仕組みのため、乗務員が任意に温度を上げたり下げたりすることはできない。

このような構造のため、特定の車両1両だけを別途大きく冷やすことにも限界がある。出退勤の混雑時間帯には乗客が集中して「暑い」という苦情が集まる一方、同じ時間帯に冷房が強すぎると感じる乗客からの「寒い」という苦情も少なくない。

同公社が昨年、時間帯別に苦情を分析した結果、午前7~9時と午後6~8時に苦情が集中した。「暑い」という苦情は全体の72.8%にあたる54万件余り、「寒い」という苦情は全体の57.3%にあたる2万7720件が、この2つの時間帯に寄せられた。同公社は、列車の混雑度や服装、健康状態、乗車時間によって乗客ごとの体感温度に差が生じるものとみている。

同じ車両で相反する苦情が同時に寄せられることで、コールセンターの相談員や乗務員の負担も大きくなっている。冷暖房苦情の対応に時間を取られると、急病人や犯罪通報などの緊急苦情への対応に支障が出る可能性があると同公社は説明した。

◆ 案内強化と「AI温度制御」の試験導入

同公社は、市民の理解を得るための案内強化に乗り出した。昨年、2号線と8号線に貼付した冷暖房案内ステッカーを6号線まで拡大する。

また、苦情の70%以上が受け付けられる「タッチアプリ」の通報画面上部には、冷暖房の苦情対応により緊急苦情への対応が遅れる可能性があるという案内文を表示する。自動制御システムを知らせるため、乗務員の苦労を盛り込んだ短い映像も制作する計画だ。

技術的な改善も並行して進める。同公社は5月最後の週から4号線の新型列車1編成に「AI車内適正温度制御システム」を試験導入した後、4号線の新型列車25編成へ順次拡大する方針だ。

このシステムは、AIが事前学習した混雑度予測情報を基に、列車が混雑区間に入る前に冷房を先に調整する方式だ。4月にソウル市の創意発表会で車内環境改善効果が認められ、大賞を受賞した。混雑時間帯に車両基地から出庫する列車には、冷房と換気扇を常時稼働させている。

すぐに活用できる方法もある。車内は冷気の流れのため中央部の温度が最も高く、両端が低いので、暑さを感じる場合は車両の端へ移動するとよい。寒さを感じる乗客は、一般車より1度高く運行される弱冷房車を利用できる。

弱冷房車は、1・3・4号線が4、7両目、5・6・7号線が4、5両目、8号線が3、4両目だ。2号線は混雑度が高いため、弱冷房車を運用していない。

マ・ヘグンソウル交通公社営業本部長は「列車の冷暖房は環境部基準に従って自動制御されるシステムであり、快適な利用環境のため全ての部門が協力している。乗務員が任意に冷房を調整する仕組みではないため、急病人や犯罪など緊急苦情の優先対応のため、市民の理解と協力をお願いしたい」と述べた。