アメリカ宇宙企業スペースX上場の余波が韓国の資本市場を揺さぶっている。国内で唯一の引受団として参加した未来アセット証券が公募株を1株も受け取れず、申し込み資金を拘束されていた投資家の怒りが噴出している。

スペースXは今月12日にナスダックへ上場した。未来アセット証券は米証券取引委員会(SEC)の開示資料上、231万4815株を配分される予定だった。しかし、主幹事のゴールドマン・サックスが最終配分でこの数量をすべて削減した。国内の専門投資家が出した申込証拠金は全額返還された。
損失は数字として残った。スペースXは公募価格135ドルを大きく上回る150ドルで初取引を開始し、160.95ドルで取引を終えた。公募価格で受け取っていれば得られたはずの差益が、そのまま消えたことになる。
◆ 「コリア・パッシング」論争…日本は受け取って韓国だけ0株
波紋を広げたのは日本との対比だ。ゴールドマン・サックスは同じアジアの国である日本には物量を配分した。未来アセットと同じ条件だったみずほ証券は62億ドルを申し込み、22億ドル(約3兆3000億ウォン)分を受け取った。韓国だけが空振りに終わると、「コリア・パッシング」という言葉が飛び出した。
もっとも、韓国だけを狙った差別と見るのは難しいという見方もある。未来アセットのほか一部の海外仮想通貨取引所も物量を受け取れず、超過需要が殺到する大型IPOでは、グローバル投資銀行がソブリン・ウェルス・ファンドや超大型機関投資家を優先することは珍しくない。業界では、差別というより交渉力不足を指摘する声が少なくない。
◆ 韓国だけ足止めした規制と、未確定物量マーケティング
より根本的な問題は、出発点にあった。みずほが個人投資家まで申込を受け付け、1兆円超を集めたのに対し、韓国は機関投資家・専門投資家向けの私募形態でのみ申込を受け付けた。一般個人向けの公募は金融当局の承認を得られず、断念せざるを得なかった。差し迫った日程と為替を刺激する懸念に、当局の意向を気にしながら規模を縮小したという見方が出ている。
マーケティングも火に油を注いだ。米国IPOでは最終配分数量が主幹事の裁量で直前まで変わる。しかし、確定していない物量を前面に押し出した宣伝が大々的に行われた。未来アセット運用と韓国投資信託運用の宇宙航空ETFが「公募価格で組み入れ」と打ち出したのが代表例だ。配分が不成立となり、一部ETFは運用戦略を急きょ修正せざるを得なかった。投資家の間では、未確定の物量を確定したかのように知らせた責任を問う声が高まっている。
未来アセット証券は、SEC開示の引受数量は引受団参加比率を示すだけで確定配分ではなく、実際の物量は主幹事の裁量で決まると説明している。同社は専門投資家を対象にした補償案を検討しており、金融当局も0株配分の経緯の把握に乗り出した。
◆ オープンAI・アンソロピックが控える…制度の手直しが焦点
今回の事態が一過性で終わらないところに問題の重さがある。オープンAIやアンソロピックなど米国の大型未上場企業の上場が相次げば、国内投資家の海外公募株需要はさらに高まる。しかし、海外公募株販売の名称や事前リスク告知、ETF組み入れマーケティングを規律する制度は、まだ整理されていない。
答えは二つだ。一つは、国内証券会社のグローバル物量確保能力と主幹事としての交渉力を高めること。もう一つは、海外IPOへの参加を妨げたり、曖昧なまま放置したりしてきた規制を、時代に合わせて見直すことだ。
確定していない物量を確定したかのように売るマーケティングには、明確な歯止めが必要だ。スペースXが突きつけたのは、ある証券会社の失敗ではなく、グローバル資本市場において韓国が置かれた立場そのものだ。