米国は輸入ドローンに最大100%の関税の壁を設けた。世界市場を席巻する中国製を狙い撃ちした措置で、韓国製には条件付きで15%上限が適用された。
トランプ大統領は13日(現地時間)、無人航空システム(UAS)と関連部品に関税を課す布告に署名した。通商拡大法232条に基づく措置で、特定の輸入品が国家安全保障を脅かすかを検討し、関税を課す条項だ。
鉄鋼と自動車に続き、ドローンが安全保障品目に指定された。ホワイトハウスは、ドローンが現代戦と米軍作戦の核心技術だとして、関税が米国のドローン産業と防衛産業の基盤を守り、雇用を生み出すと説明した。
◆ 25kg超または熱画像機能なら100%
関税率はドローンの大きさと機能で分けられる。ホワイトハウスは、最大離陸重量25kgを超えるドローンと熱画像機能を備えたドローンに100%の従価関税を課すと明らかにした。該当ドローンの充電・待機装置であるドッキングステーションや一部の核心部品にも同じ税率が適用される。
小型で安全保障上の機微な機能がないドローンと部品には25%が課される。熱画像とは、暗闇の中で熱を感知して人や物体を識別する機能で、軍事・監視用途と結びつくため安全保障品目に分類された。
施行時期は2段階に分かれる。100%関税は21日後の米東部時間9月3日午前0時1分から発効する。安全保障上の感度が低い部品への25%関税は、企業が生産施設を米国へ移す時間を与えるため、署名180日後の来年2月9日から適用される。
◆ 韓国製15%上限、条件付き
同盟国には例外が設けられた。韓国と欧州連合、日本、台湾、スイス、リヒテンシュタイン産のドローン・部品は、既存の基本関税を含む総関税率が15%を超えないよう上限が設定された。英国製は10%だ。
ただし、上限には条件が付く。主要部品と技術が米国または協定締結国で生産されたという要件を満たしてはじめて、15%上限が適用される。部品の原産地が条件を外れれば、上限は保証されない可能性がある。韓国のドローン業界が中国製部品への依存を減らすべき理由だ。
トランプ政権は、海外サプライチェーンへの依存を措置の背景に挙げた。ラトニック商務長官は、調査の結果、外国製ドローンの米国市場浸透率がかなり高く、米国がドローンと部品を海外に過度に依存していることが判明したと述べた。米国のドローン産業の生産能力だけでは、安全保障需要を満たすのが難しいという判断も含まれている。
◆ 中国を直撃、韓国には機会であり宿題
狙いは中国だ。布告に中国の名は直接は記されていないが、世界最大のドローン生産国である中国を標的にした措置とみられる。
深圳に本社を置くDJIは、昨年の米国商用ドローン市場の約70%を占めた。100%関税が発効すれば、DJI製品の価格競争力は大きく揺らぐ。ブルームバーグは、関税が中国ドローン業界に相当な打撃を与えうると分析した。
韓国にとっては対照的だ。中国製が押し出される米国市場の空白を、韓国製ドローンが埋める機会という見方がある。15%上限が中国製に比べて価格面の優位を生み出す可能性があるためだ。韓国政府も昨年、米商務省に提出した意見書で、特定国家の少数企業がドローン市場を支配していると指摘し、同盟国間のサプライチェーン協力強化を提案していた。
韓国国内のドローン産業は、モーターやバッテリー、飛行制御部品のかなりの部分を中国製に依存している。15%上限の原産地要件を満たすには、部品の国産化と供給網の多様化が先決課題とされる。完成品の輸出機会が開かれても、核心部品を中国に依存していては上限の恩恵を十分に受けにくいとの指摘もある。
国内市場環境も変数だ。韓国の商用ドローン市場でも中国製の比重は大きかっただけに、米国の関税措置が国内の部品・完成品の国産化議論に火をつけるとの見方が出ている。防衛産業や災害対応、物流配送へとドローンの活用が広がる流れの中で、安全保障と直結する核心部品の自立が政策課題として浮上したという分析だ。
米国のドローン関税は、グローバル供給網再編の号砲だとの評価もある。半導体やバッテリーに続き、ドローンまで安全保障品目に組み込まれ、部品の原産地をめぐる競争が産業政策の変数として浮かび上がっている。