
Apple初の折りたたみiPhoneが、米国でのみ先行販売される可能性があるとの見方が出ている。来月の発表が予想される「iPhone Ultra」を巡る話だ。
オーストラリアのITメディア「Channelnews」は13日(現地時間)、現地通信社や大手流通業者の話として、iPhone Ultraは9月のiPhone 18 Proシリーズ発表時にもオーストラリアの店舗には並ばないと報じた。発表は同時に行うものの、販売は米国から始まり、中国など主要市場へ2〜3カ月かけて段階的に拡大するという。
◆ 発表は同時、販売は米国から
Channelnewsが伝えた理由は、供給の滞りと価格問題だ。情報筋は、すでに生産された試作機でもテスト関連の問題が続いていると主張している。
iPhone Ultraは、Appleが初めて投入する折りたたみスマートフォンだ。本のように開く形状で、外側に5.5インチ画面、開くと7.8インチ画面が現れる構成が取り沙汰されている。展開時の厚さは5mmに届かず、従来のiPhoneより薄くなるとの予想もある。
折りたたみ端末は製造が難しい。数十万回の開閉に耐えるヒンジ、折り目が残らないディスプレイが技術的な関門とされる。ITメディアのAndroid Headlinesは、折りたたみ画面の生産難度とヒンジ耐久試験、DRAMの供給不足が初期供給を制約する要因として挙げられていると伝えた。
◆ 700万台の壁、数字が語るもの
供給見通しはすでに示されている。サプライチェーン分析で知られるTFインターナショナル証券の郭明錤アナリストは先月、iPhone Ultraの今年下半期の組立出荷台数を700万〜800万台と見積もった。第3四半期の出荷はその10%にあたる50万〜100万台にとどまると予測している。
Appleが新型iPhoneを販売する国は40カ国を超える。700万台前後の台数では、発売初日に世界の店舗を埋めるのは難しいという計算だ。郭氏は価格を2300〜2500ドル、ウォン換算で300万ウォン台と予想し、発表後の出荷が1〜2カ月遅れるiPhone X方式の可能性も残した。発売初期の品薄と熱狂が落ち着く2027年第1四半期ごろになって初めて、実際の需要規模が確認されるとの見方も示した。
前例もある。Appleは2024年2月、複合現実ヘッドセット「Vision Pro」を米国でのみ先行発売した。その後、中国、日本、シンガポールでは4カ月後の6月、欧州とオーストラリアでは7月に販売が始まり、韓国での発売は同年11月とさらに遅れた。供給が不足する際に自国市場を優先し、段階的に拡大するやり方は、Appleがすでに採用したシナリオだ。
◆ 割り引いて見るべき点
米国単独発売説を断定するのはまだ早い。Apple専門メディアの9to5Macは報道の信憑性を認めつつも、懐疑的な根拠を指摘した。
まず日程が食い違う。Channelnewsの報道には9月8日発表説が付いているが、今年の米国のレイバーデー連休は9月7日で、連休直後にイベントを開くのはAppleらしくないという指摘だ。9to5Macは9月9日水曜日を有力な日程と見た。
情報源の位置も変数だ。報道の根拠が中国の部品業界とオーストラリアの流通業界の情報筋であるため、両地域が第1陣の発売から外れる兆候とはいえても、米国単独発売の証拠とみるには弱いという解釈だ。
韓国の消費者にとっては、発売順が関心事だ。Vision Proの前例のように段階的発売が現実になれば、韓国が第1陣の発売国から外れる可能性を排除しにくい。初期供給が限られれば、海外購入需要やプレミアム価格での取引が発生するため、公式の発売日程を確認して動くのが安全だという助言も出ている。
折りたたみ市場の構図にも変化が予告される。折りたたみ端末市場は、Samsung ElectronicsがGalaxy Zシリーズでけん引してきたが、スマートフォン市場全体に占める比率はまだ大きくない。
Samsung Electronicsにとっては最大の競争相手の登場であると同時に、市場全体が拡大する契機でもあるという二面的な分析がある。Appleユーザーが折りたたみ端末へ移行し始めれば、部品や素材を供給する韓国のサプライチェーンにも機会が広がるとの見方が続く。
確認の焦点は来月のApple発表だ。発表日、発売国の名簿、価格表が示されて初めて、米国単独発売説の真偽が明らかになる。供給量と配分戦略が、この秋の折りたたみ市場の最初の勝負を左右する見通しだ。