グーグルのAIで「飛行機雲」を消す…航空温暖化の3分の1を削減する実験

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By Global Team

グーグルと英国政府が、飛行機が空に残す白い筋「飛行機雲」を減らす実験「オペレーション・ブルー・スカイズ」を進める。北大西洋のシャーンウィック空域で30カ月間にわたって実施される。

飛行機雲は、地球から逃げ出す熱を閉じ込め、大気を温める。航空産業全体の気候への影響のうち、約3分の1を占めると推定されている。

グーグルのAIが飛行機雲が発生しやすい空域を予測すると、管制官が航空便の高度を最大2000フィート(約610メートル)調整する。年間1万便のうち、経路を変更するのは1〜5%にとどまる。

実験予算は500万ポンド(約94億円)で、英国政府が半分以上を負担する。グーグルは140万ポンド(約26億円)を無償で支援し、衛星画像で効果を測定する。

新しい燃料やエンジン開発なしに、空の航路を調整するだけで温暖化を抑える低コストの気候対策になり得るとして、世界の航空業界が結果を注視している。

飛行機が空に残す白い筋「飛行機雲」を人工知能(AI)で避ける実験が始まる。

米ITメディアのエンガジェットは19日(現地時間)、グーグルと英国政府が飛行機雲の発生を減らす共同実験「オペレーション・ブルー・スカイズ」に乗り出すと報じた。実験の舞台は北大西洋北東部のシャーンウィック空域だ。欧州と北米を行き来する航空機が通過する要所である。実験は30カ月続き、実際の経路調整は今後2度の冬にわたって行われる。

◆ 飛行機雲とは何か?

飛行機雲は、ジェットエンジンが吐き出す排気ガスの周囲で水蒸気が凍りついて生じる。冷たく湿った空気を通るとできやすい。晴れた日の空に長く引かれる白い線こそが飛行機雲だ。

見た目は無害だが、気候には負担となる。飛行機雲が薄い雲のように空を覆うと、地球が宇宙へ放出すべき熱が閉じ込められる。

夜に布団をかけると暖かさが逃げないのと同じ原理だ。研究者らは、飛行機雲が航空産業全体の気候影響の約3分の1を占めると推定している。二酸化炭素の排出に劣らない要因でありながら、目に入りにくいため対策が遅れていた。

飛行機雲は科学的に測定されてきた現象だ。航空機が密かに化学物質を撒いていると主張する「ケムトレイル」陰謀論とは無関係である。

◆ 航路を600メートル変えるだけで違う

実験では、グーグルのAI予測モデルが飛行機雲が発生しやすい大気の区域を事前に特定する。その後、英国の航空管制機関NATSの管制官が、その区域を通る航空便の高度を最大2000フィート上下させる。航空便は通常の運航範囲を外れない。乗客が経路変更に気づきにくい程度だ。

調整対象は少数に限られる。実験期間中、シャーンウィック空域を通過する航空便は年間約1万便だが、経路を変える飛行機は1〜5%にとどまる。先行する小規模実験では、AI予測が温暖化を引き起こす飛行機雲が生じる区域を見つけ出せることが確認されている。

グーグルは予測モデルを提供し、衛星画像と機械学習で飛行機雲が実際に減ったかを測定する。参加の対価は受け取らず、140万ポンド(約26億円)を拠出する。AP通信によると、総予算500万ポンド(約94億円)のうち半分以上は英国政府が負担する。英国気象庁やインペリアル・カレッジ・ロンドン、ケンブリッジ大学、非営利組織コントレイルズも協力する。

◆ 低コストの気候対策となるか

航空分野の炭素削減は、費用も時間もかかる課題だ。持続可能航空燃料(SAF)はまだ高価で、新型エンジンの開発には数十年かかる。

飛行機雲回避は、既存の航空機をそのまま使い、航路だけを調整すればよい。実験が成功すれば、航空業界が直ちに使える最も安価な気候対策になるとの期待がある。

迂回すれば燃料消費が増え、二酸化炭素排出が増えるという指摘もある。予測が外れれば無駄になる可能性もある。今回の実験は、効果と副作用を比較衡量する実際のデータを初めて大規模に確保する場となる。

結果次第では、飛行機雲回避が世界の管制標準として広がる可能性もある。長距離国際線の比重が大きい韓国の航空業界にも、他人事ではない。空に引かれた白い線一本が、航空の気候対策の順序を変えるのか。2度の冬が過ぎれば答えが出る。