米国の対中半導体統制強化でDRAM価格がさらに高騰か

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By Global Team

ホワイトハウスは交渉用に緩和し、議会は法で強化する――分かれた米国の統制政策

中国内のサムスン・SK工場が停止すればDRAMは22%、NANDは10%追加上昇…すでに「DRAM4倍」の大乱

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米国が中国への先端半導体販売を阻む規制をめぐり、ホワイトハウスと議会が正反対の動きを見せている。ホワイトハウスは規制を緩めたり強めたりし、議会は法でさらに強く縛ろうとしている。

議会の強硬案が現実になり、中国内のサムスン電子・SKハイニックスの工場まで止まれば、すでに急騰しているメモリー価格はさらに上がる。これは大韓貿易投資振興公社(KIEP)が19日に発表した分析だ。

◆ ホワイトハウスは緩和、議会は締め付け

KIEPの報告書は、米国の対中統制政策が二つの方向に分かれていると診断した。トランプ第2期政権は輸出統制を安全保障手段であり、同時に交渉カードとして用いている。エヌビディアの中国向けAIチップがその例だ。販売を止めたかと思えば、再び認めた。交渉の余地を残す選択だ。

議会は逆の方向に進んでいる。行政府が統制を交渉に活用することで抜け穴が生まれるとみている。4月22日、米下院外交委員会は複数の超党派輸出統制法案を一括処理した。行政が新たな規制に慎重な一方で、議会では対中統制を強化しようとする動きが強まっている。

米下院外交委員会(2026年4月22日)で可決された輸出統制法案一覧(出典=KIEP『トランプ第2期 半導体輸出統制政策の動向と示唆』著者 キム・ヒョクジュン 26.06.19)

代表的な法案が「MATCH法」だ。日本・オランダ・韓国が米国水準の装置統制に従わなければ、米国が直接制裁できるようにする内容を含む。中国の技術水準に合わせて統制強度を調整する法案もあわせて議論された。

輸出統制とは、特定の技術や装置、製品を特定の国に販売できないよう政府が禁じる措置だ。米国は半導体を国家安全保障資産とみなし、統制範囲を広げ続けてきた。行政と議会の強度差が広がるほど、企業が予測できる範囲は狭まる。

◆ すでに「DRAM4倍」大乱…原因はAI

メモリー市場はいまも非常事態だ。PC向けDDR5 32GBメモリー価格は3カ月で17万ウォン台から70万ウォン前後へ、ほぼ4倍に上がった。DRAM価格は2025年の底値比で最大180%上昇した。市場ではこれを「RAMゲドン」と呼ぶ。

原因はAIだ。サムスン電子、SKハイニックス、マイクロンは同じ生産ラインで一般DRAMとHBMを並行して製造する。HBM(高帯域幅メモリー)はDRAMを何層にも積み重ねてデータを高速処理する高性能メモリーで、AI半導体に使われる。1チップを作るのに一般DRAMより広い面積が必要だ。

AI需要が爆発すると、企業は利益率の高いHBM生産を増やした。その分、一般DRAMの生産は減った。供給が減れば価格は上がる。AI需要増加がHBM偏重を生み、その偏重が消費者向けDRAM不足につながった構図だ。

◆ 中国工場が止まればDRAMは22%さらに上昇

韓国が最も敏感に見るのは中国工場だ。サムスン電子は西安、SKハイニックスは無錫と大連でメモリーを生産している。米国は中国を締め付けながらも、両社の工場には例外を認めてきた。既存の稼働は許可し、新規装置の搬入は止める方式だ。議会の強硬派はこの例外の撤廃を主張している。

例外がなくなって工場が止まれば、その結果はすぐ価格に表れる。KIEPが需要・供給モデルで試算したところ、中国内の韓国工場が停止すれば、汎用DRAM価格は約22%上昇する。NANDフラッシュも約10%上がる。世界のメモリーのかなりの部分がこれらの工場から供給されているためだ。

中国内の韓国企業のDRAM工場運営停止がDRAM産業に与える影響(出典=KIEP『トランプ第2期 半導体輸出統制政策の動向と示唆』著者 キム・ヒョクジュン 26.06.19)

前例はある。過去に無錫工場で火災が起きた際、DRAM価格は1カ月で約40%上昇した。工場一つが止まるだけで、世界価格が揺れた。

KIEPは22%という数値について、全面稼働停止を想定した条件付き推計だと但し書きを付けている。前提が変われば数値も変わる。だが方向性は明確だ。封鎖が深まるほど衝撃は大きい。すでに価格が4倍に跳ね上がった状況で政策ショックが重なれば、PCやノートPC、スマートフォンの価格がさらに上がりうる。

◆ 締め付けるほど逆効果…中国の自立と米国AIコスト

統制強化は本来の目的と反する結果を生む。供給が逼迫するほど、中国メモリー企業の業績は良くなる。

中国企業CXMTは最近、黒字に転じたと伝えられている。市況改善と供給制約が重なったためだ。米国が韓国企業の中国生産を抑えれば、その空白を中国企業が埋める。牽制しようとした中国の自立を、かえって早める結果になる。

米国にも負担は及ぶ。AI半導体の製造コストでHBMが占める比重は大きい。AIデータセンターには一般DRAMとNANDが大量に使われる。統制でメモリー価格が上がれば、米国が拡大したいAIインフラの費用も一緒に上がる。中国を狙った規制が、米国AI産業のコストを押し上げる形で跳ね返る。

統制をさらに強めるべきだという反論も明確だ。先端AIサーバーの密輸出摘発事例が出ており、執行をより厳しくすべきだという主張に勢いがある。安全保障論理と産業コスト論理が正面からぶつかる場面だ。

◆ KIEP「追随せず、リスクを分散せよ」

KIEPの処方箋は明快だ。米国と中国のどちらかに乗る戦略は危険だ。米国側につけば中国の報復にさらされ、中国に近づけば米国の追加制裁の対象になる。

代案はリスク分散だ。生産拠点と供給網を複数の国に分け、一つが止まっても全体が止まらないようにしなければならない。KIEPはとくに「上流」の競争力を強調する。半導体産業は、上で設計ツールと核心素材、装置を供給し、下でチップを作る構造だ。上流を握る側が交渉で優位に立つ。米国が設計ツール(EDA)、中国がレアアースを統制手段として使うのはそのためだ。韓国がメモリー完成品で優位にあっても、そのチップを作る装置と素材を海外に依存していれば、統制一つで揺らぐ。

オランダのネクスペリア事例は参考になる。オランダは米国側で動いたが、米中合意後も中国事業の混乱を容易には解消できなかった。特定国家に追随して得る利益より、供給網の不確実性と地政学リスクのほうが大きくなりうることを示している。

サムスン電子とSKハイニックスの中国工場は、米中衝突の緩衝材として機能してきた。米国は中国を締め付けながらも両社工場には例外を与え、中国は米マイクロンを制裁しながらも韓国企業には手をつけなかった。この均衡が崩れれば、価格急騰とデータセンター投資の萎縮、中国企業の台頭が一斉に押し寄せる可能性がある。KIEPがリスク分散を繰り返し強調する背景だ。

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