26日全国的に雨の予報、南部は「豪雨」…低地・山間部の対処法は

26日火曜日は全国的におおむね曇りで、未明から雨が降り始め、午前中には全国のほとんどの地域へ広がる見込みだ。 気象庁によると、雨は未明に仁川・京畿西海岸と全羅圏、慶南西部から始まり、午前から日中にかけて全国へ広がる見通しだ。南部地方と済州島を中心に、強くまとまった雨が予想される。 予想降水量は、ソウル・仁川・京畿、江原道、大田・世宗・忠南、忠北、大邱・慶北が20~80mm。光州・全南と釜山・蔚山・慶南には50~100mmの雨が予報されている。全南南海岸と慶南南海岸、智異山付近では150mm以上の大雨となる所もある見込みだ。 気象庁は、南部地方を中心に短時間に非常に強い雨が集中する可能性があるとした。同じ雨量でも短時間に降れば排水が追いつかず、市街地の低地から先に水がたまる。気象庁は、低地の浸水と土砂災害、河川の氾濫に特に注意するよう呼びかけた。 朝の最低気温は16~22度、日中の最高気温は22~28度が予想される。海上の波は東海・南海の沖合で0.5~2.0m、西海の沖合で0.5~1.5m。沖合の波高は東海で0.5~2.0m、西海で0.5~2.5m、南海で1.0~3.5mと見込まれる。 雨が降る前、何を点検すべきか 被害を減らす鍵は、本格的に雨が降る前の準備だ。行政安全部の国民行動要領は事前点検を強調している。 家庭では、下水口や家の周辺の排水口が詰まっていないか確認し、詰まりがあれば取り除く必要がある。浸水が懸念されるマンションの地下駐車場や建物には、止水板や土のうで備える。 河川沿いに駐車した車は、安全な場所へ移動させる。低地や浸水常襲地域の住民は、行政福祉センターや学校などの避難場所、移動経路を家族とあらかじめ確認しておく。 災害情報の受信手段も確保しておく必要がある。テレビやラジオに加え、スマートフォンに「安全ディディムドル」アプリを入れておけば、大雨警報や災害メッセージをリアルタイムで受け取れる。 雨が強く降っているとき、最も危険な場所は 浸水した道路や地下車道、橋梁には、人も車両も入ってはいけない。水がたまった地下車道は、短い距離でも通過を試みるべきではない。 山間部や渓谷、河川沿いは急流に流される危険が高いため、速やかに離れる必要がある。登山やキャンプ、川遊び、釣りは直ちに中止する。工事現場や街灯、信号機、電柱の周辺は感電の危険があるため近づかない。 南部地方の山間では土砂災害の懸念が大きい。斜面で石が転がり落ちたり、傾斜面から水が湧き出したりする前兆が見えたら、直ちに山の斜面と反対方向の高台へ避難しなければならない。 智異山付近のように大雨が予告されている山岳地域のキャンプ客は、事前に安全な場所へ移動するのが望ましい。 避難が難しい近隣住民を一緒に助けることも重要だ。浸水や土砂災害で避難が必要な場合は、高齢者や子ども、障害者など、移動が不自由な住民とともに行動しなければならない。 雨がやんだ後も危険は残る。浸水した住宅では、ガスと電気の遮断器の状態を確認し、専門家の安全点検を受けてから使用する。浸水した食品と飲料水は食中毒の危険があるため使用しない。 今回の雨は短時間で強く通過する可能性が高いだけに、予報をこまめに確認し、危険地域への接近を避けることが被害を減らす最も確実な方法だ。

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サムスン電子・SKハイニックス2倍レバレッジETF27日上場、2倍のリターンに潜む「負の複利効果」の落とし穴

27日、国内証券市場に初めて姿を現す商品がある。サムスン電子とSKハイニックス、両半導体大手の1日あたりの騰落率をそのまま2倍にして追随するレバレッジ型上場投資信託だ。 27日、8つの資産運用会社が同時に上場に踏み切る。これまで国内市場では、KOSPI200のような指数や10銘柄以上をまとめたバスケット商品に限って2倍投資が認められてきた。単一銘柄を2倍で追う商品が制度圏に入るのは今回が初めてだ。 市場の関心は非常に高い。金融投資協会の事前教育申請者は、発売から半月あまりで3万人に迫り、そのうち2万7000人以上が教育を修了した。 商品が出る前からこれだけの需要が積み上がっているということは、待機資金が相当あることを示す。だが、この熱気をそのまま収益期待に置き換える前に、投資家が必ず先に理解すべきことがある。 個別銘柄の2倍商品は、長く禁じられていた。1銘柄に利益が丸ごと連動すると、その企業の業績一回、需給の偏り一回で投資家はそのままさらされるためだ。分散という安全装置が消える商品を当局が敬遠してきたのは自然なことだった。 その扉が開いた背景には、「西学開米」がある。米国株式市場でエヌビディア、テスラのような人気銘柄の2倍・3倍レバレッジ商品に韓国投資家の資金が大量に流れ込み、香港や英国取引所に上場した高倍率商品にも資金が流出した。 問題は、海外上場商品に投資する際、国内のような教育義務や預託金要件がほとんどないことだ。安全装置なしに高リスク商品へ入る通路が放置されていたわけだ。 当局の判断はこう読める。どうせ流出する需要なら、時価総額と出来高が圧倒的な2つの優良銘柄に限って国内で受け止め、教育と預託金という最低限の閂を掛けようということだ。資本市場法施行令の改正で法的基盤が整い、8つの運用会社が同じ日にスタートラインに立つことになった。 レバレッジ商品をめぐる最も一般的な誤解は、「1か月の間に基礎資産が10%上がれば、自分の収益も20%」という計算だ。この商品が約束する2倍は、あくまで「1日」単位だ。1日分の値動きを2倍で追うだけで、その1日が積み上げて作る累積収益率まで2倍になるわけではない。 この差が生み出すのが、いわゆる「負の複利効果」だ。基礎資産が30%上がって、その翌日に30%下がったとしよう。通常商品を持つ投資家の損失は9%にとどまる。しかし2倍商品を持つ投資家の損失は36%に膨らむ。 上昇と下落が繰り返されるもみ合い相場では、時間の経過とともに資産価値がゆっくりと溶けていく構造だ。株価が元の水準に戻っても、レバレッジ商品投資家だけが損失を抱える状況は十分あり得る。 専門家がこの商品を「長期投資向け」ではなく「短期モメンタム投資向け」と位置づける理由がここにある。長く持つほど有利なのではなく、長く持つほど不利になり得る商品だ。 負の複利が時間をかけて資産を削るリスクだとすれば、より即時的なリスクは1日で訪れる。国内株式の1日あたりの価格変動制限幅は上下30%だ。基礎資産が1日で30%下落すれば、2倍商品は理論上60%下がる。わずか1日で元本の半分以上が消える可能性があるという意味だ。 これが机上の空論ではないことは、海外事例が示している。昨年初め、ロンドン証券取引所に上場していたある3倍レバレッジ商品は、基礎資産が1日で39%急落すると変動率がマイナス100%を超え、価値が丸ごと消えた。 運用会社は直ちに上場廃止手続きに入り、この商品を買っていた投資家の投資金は回収が不透明になった。倍率が高いほど清算までの距離は短くなる。2倍商品が3倍商品より安全なのは確かだが、「安全」という言葉には程遠い。 この商品には、他のETFにはない2つの関門がある。2時間の事前教育受講と1000万ウォン以上の預託金だ。表面的には投資家を選別する装置に見えるが、その内側には当局が投資家にあらかじめ伝えようとするメッセージが込められている。 レバレッジ商品の成否は保有期間で分かれる。負の複利は時間がたつほど資産を削るため、この商品は置いて忘れる資産ではなく、買う時点で売る時点まで一緒に決めておく短期ツールに近い。 変動性が通常商品の2倍である以上、総投資額の中で占める割合を小さくすることも、リスク管理の基本に当たる。預託金1000万ウォンという参入要件は、この商品に入れるべき金額ではなく、投資に踏み出す資格を確認する基準線にすぎない。 タイミングの判断も欠かせない。半導体業況が急上昇局面なら2倍構造は強力な武器になるが、方向感のない持ち合い局面では同じ構造が逆に資産を削る刃に変わる。同じ商品が局面によって正反対に作用する点こそ、レバレッジ商品の本質だ。 未来アセット資産運用が関連投資ガイドブックを出したのも、こうした文脈で理解できる。ガイドブックには半導体産業の見通しとともに、レバレッジ商品の特徴や注意点が盛り込まれている。 商品を売る側が、リスクを併せて説明する資料を先に出したこと自体が、この商品が一般ETFとは異なる重みを持つことを示している。 27日に市場が開けば、8つの商品に資金が急速に流れ込む可能性が高い。新商品の登場が機会になるか、損失の入口になるかは、商品そのものではなく、それを扱う手にかかっている。 収益率2倍という言葉の後ろに、負の複利と1日60%損失という構造がともに立っていることを理解した投資家にだけ、この商品は道具として残る。

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【解説】SKハイニックス、HBM内に冷却部品を組み込み…発熱が次世代の勝敗を分ける

SKハイニックスは高帯域幅メモリー(HBM)パッケージ内に冷却部品を直接組み込む技術を発表した。発熱を構造的に抑え込もうという試みだ。 同社は、いっ体型冷却要素「ICE(Integrated Cooling Elements)」をHBMパッケージに内在させた「iHBM」技術を26日に公開した。ICEは電気を通さず、熱をよく伝えるシリコン素材で、パッケージ内部に熱を逃がす追加の経路をつくる部品だ。 核心は、熱が最も集中する地点を正面から狙った点にある。HBMとGPUをつなぐD2D PHY区間は超高速データが行き交う通路であり、発熱が集中するボトルネックでもある。 iHBMはこの領域の中にICEを配置し、熱専用の排出経路を別途確保した。その結果、従来比で熱抵抗を30%以上低減したと同社は説明している。 従来のHBMは、熱をコアダイを経由して外部へ逃がす間接方式に依存してきた。iHBMは熱の発生源に直接アプローチする。SKハイニックスはこの技術を、8世代製品であるHBM5から適用する計画だ。 今回の発表が注目を集める理由は他にもある。HBM競争の評価基準そのものが変わりつつあることを示すサインだからだ。 これまでHBMの競争力は、積層段数とデータ処理速度で測られてきた。より高く積み、より速く動かす企業が勝ってきた。しかし、この2つを突き詰めるほど、単位面積当たりの発熱量は急激に増す。性能向上の方法そのものが、発熱という限界を同時に大きくしてきたわけだ。 発熱は単なる副作用ではない。チップ温度がしきい値を超えると動作が不安定になり、寿命も縮む。 AIデータセンターのようにチップを休みなく高負荷で動かす環境では、この問題がシステム全体の信頼性問題へと広がる。発熱を抑えられなければ、どれほど高速なメモリーでも本来の性能を発揮できないということだ。 SKハイニックスがHBMダイ面積の一部を割いてまで冷却ブロックをパッケージ内に組み込んだのは、こうした文脈で理解できる。貴重なスペースを演算ではなく冷却に割り当てた判断は、いまや発熱制御が速度と同じだけ価値のある資源になったことを示している。 量産性を強調した点も意味がある。同社は、市場で既に検証済みのMR-MUFベースの工程をそのまま活用すると明らかにした。新技術がどれほど優れていても、大量生産が難しかったり、顧客が設計を全面的に変えなければならなかったりすれば、採用は遅れる。既存工程との互換性を前面に出したのは、技術の誇示というより、実際の受注を見据えた布石に近い。 業界はこの技術を一枚岩では見ていない。 肯定的な評価の核心は「構造的解決」という表現にある。従来の冷却がパッケージ外部から熱を冷やす事後対応だったのに対し、iHBMは熱が生じる地点から直ちに分散させるアプローチだ。発熱ボトルネックを設計段階で断ち切った点で、次世代HBMの方向性を示したとの評価が出ている。 一方で、慎重論もある。公開された数値は、熱抵抗30%低減という同社の自己測定値に基づくものだ。実際にAIアクセラレーターに搭載され、長時間の高負荷運転でも同じ効果が維持されるのかは、顧客側の検証を経て確認する必要がある。冷却要素のために差し出したダイ面積が、性能やコストにどのような影響を与えるのかも、現時点では外部に十分開示されていない。 競争構図に関する見方も分かれる。サムスン電子とマイクロンも次世代HBMで発熱制御を重要課題として扱っており、iHBMが直ちに格差につながると断定するのは早いという指摘がある。もっとも、発熱対策を具体的な技術として先に提示したこと自体が、主導権争いで意味のある一手だという点には大きな異論はない。 iHBMの公開は、HBM市場が次の局面へ移りつつあることを示すシグナルだ。 HBM5競争はすでに始まっている。メモリー3社はいずれも次世代ロードマップにHBM5を載せ、開発準備に入っている。 世代交代のサイクルも速まっている。かつては1世代が市場に定着するまで数年を要したが、AIアクセラレーターの性能競争が激化する中で、メモリー各社は1世代先の技術を同時並行で準備する構造へ移行した。 この競争において、発熱制御はもはや補助項目ではない。積層と高速化が限界に近づくほど、同じ性能をより安定して引き出す能力が差別化要因となる。iHBMは、その差別化点をパッケージ技術で先取りしようとする試みだ。 GPU設計企業にとっても、メモリーの熱管理能力はますます重要な選定基準になる。AIアクセラレーター全体の性能と運用コストは、最も弱い部分で決まるからだ。メモリーが自ら発熱を抑えられれば、システム全体の冷却負担とデータセンターの運営費を同時に下げられる。 結局のところ、今回の発表は次世代HBM競争の問いが「どれだけ速いか」から「どれだけ安定して速いか」へと変わりつつあることを示している。 発熱という共通の難題に対し、解決策は個別企業のパッケージ技術だけでは完結しない。 ...

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「運気スポット」と化した冠岳山、ラーメンスープ・落書きで悲鳴…ソウル市が安全管理及び山林保護合同キャンペーン実施

ソウル市は、観岳山(クァンアクサン)一帯で7つの関係機関とともに「観岳山 山林保護 合同キャンペーン」を実施したと22日に明らかにした。安全な登山文化の醸成と山林毀損の予防に向けた共同対応で、キャンペーンにはソウル市、冠岳区、衿川区、果川市、北部地方山林庁、警察、消防など7機関から約80人が参加した。 キャンペーン実施の背景には、ここ数カ月の間に観岳山で起きた出来事がある。 観岳山は、今年1月にある放送番組で有名な占い師が「気が良い山」と言及した後、いわゆる「運のいいスポット」として口コミで広まった。SNSには頂上のヨンジュデ認証写真があふれ、週末には頂上石の撮影のために1時間ほど列ができる過密状態が生じた。 問題は、人の集中とともに持ち込まれた毀損だった。先月には、第1登山路区間の名所・マダンバウィにラッカースプレーによる落書きが刻まれた。 今月初めには、登山道の途中にある自然の湧き水・甘露泉(カムロチョン)付近の水たまりが、ラーメンスープと食品ごみで赤く染まった写真がSNSに広がり、強い反発を呼んだ。 労働節の1日には、頂上周辺に人が殺到したことで、ソウル市と果川市、安養市が安全事故を懸念し、入山自粛を求める緊急災害メールを送信することもあった。 高さ632メートルの花崗岩の山である観岳山は地形が険しく、混雑時には転倒や衝突の危険が大きい。山の高さに比べて難易度が高く、混雑するほど安全管理の負担が増す。 今回のキャンペーンは、観岳山駅(新林線)登山口やヨンジュデ頂上、第4休憩所一帯で行われた。 登山客を対象に、ごみの持ち帰り、岩への落書きなど山林毀損の禁止、安全な登山の心得、山火事予防の行動要領を重点的に啓発した。混雑が予想される区間では、歩行動線の維持や長時間滞在の自粛を案内する現場での安全指導も並行して行った。 しかし、一度きりの広報だけでは限界が明らかだ。核心は、ソウル市が冠岳区に投入した緊急予算にある。 市は安全管理合同会議を経て、安全見守り人の拡充運営費1億1000万ウォン、自動計数機設置費1200万ウォン、老朽階段など登山路整備費1億ウォンを冠岳区に支援した。単なるキャンペーンではなく、人員・施設・データの3本柱を同時に見直す構想だ。 冠岳区は自動計数機を設置し、コース別の利用者データを分析して、これをもとに長期的な安全管理対策をまとめる計画だ。 どんぶり勘定ではなく、どの区間にいつ人が集中するのかを数値で把握し、人員配置につなげる方針である。冠岳区は週末・祝日の現場安全管理人員を9人から19人へ増やし、事故の懸念がある地域には2人1組の管理体制を導入した。 処罰基準もあわせて案内された。山林内へのごみ投棄は山林保護法により100万ウォン以下の過料が科される。草・花・木・石をむやみに折ったり掘り出したりする行為、岩や木に文字を刻むなどの自然毀損は軽犯罪処罰法により10万ウォン以下の罰金の対象となる。 キャンペーン後の継続性が課題として残る。利用者が特に多い冠岳区と果川市は、キャンペーン終了後も主要登山路と混雑が予想される区間を中心に、山林保護と安全登山の広報を続ける。 冠岳区は懸垂幕や案内放送、リーフレットを活用した啓発活動を継続し、果川市は関係機関との協力体制を基盤に、混雑管理と安全ルールの案内を続ける。週末の集中的な巡回と山火事予防の広報も並行して行う。 キム・ヨンファン・ソウル市庭園都市局長は「観岳山は市民の利用が多い代表的な山林休養空間であるだけに、安全と山林保護をともに考慮した管理が重要だ」とし、「今後も関係機関と協力し、安全な登山環境の造成と山林毀損予防のための現場広報と安全管理を継続的に強化していく」と述べた。

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「危険すぎて公開できない」としていたAI、ミトス1で一般公開間近…企業のセキュリティ対応課題が浮上

人工知能(AI)開発企業アンソロピックが、危険性を理由に非公開としてきた自社最強AIモデルを、一般ユーザーに公開する方向へ方針を転換している。 IT専門メディア「テスティングカタログ」は23日(現地時間)、アンソロピック内外で「ミトス1」という製品名と公開準備の兆候が相次いで確認されたと報じた。 ミトスはこれまで一般公開されていなかったモデルだ。ソフトウェアのセキュリティ上の脆弱性を見つけ出す能力があまりに強力だったためである。今回の方針転換は、AIが人間の能力を超える領域で、技術企業が「公開するかどうか」をどう判断するのかを示す事例として受け止められている。 アンソロピック ミトス1の発売が迫る(出典=testingcatalog) 方針転換の背景には、先月始動した「プロジェクト・グラスウィング」がある。アンソロピックが未公開の最強モデル「クロード・ミトス・プレビュー」を活用し、基幹ソフトウェアの脆弱性を見つけ出すために立ち上げた協業プロジェクトだ。 ミトスの特長は脆弱性の発見にある。脆弱性とは、ハッカーがシステムへ侵入したり情報を抜き取ったりする際に突く隙を指す。 ミトスはこの隙を、人間より速く、かつ正確に見つけ出す。ただし、その能力は防御にも、逆に侵入にも同じように使われ得る。アンソロピックがミトス・プレビューを一般公開せず、約50の検証済み協力先にのみ限定提供した理由はそこにある。 状況は変わった。アンソロピックは22日に公表したグラスウィングの中間点検発表で、このモデルがオープンソース・プロジェクトを含む、より広い範囲の組織の防御に使われていると明らかにした。 同社はまた、「近いうちに、はるかに強力な安全装置を備えたうえで、ミトス級モデルを一般公開する道を模索する」との立場も示した。「公開しない」としていた当初の方針から、明確に一歩引いた表現である。 アンソロピックが公開を検討できるほど自信を示す背景には、グラスウィングの成果がある。同社は協力先とともに、ミトス・プレビューによって1か月で基幹ソフトウェアの「深刻」または「致命的」等級の脆弱性を1万件以上発見したと明らかにした。 古い欠陥も掘り起こされた。ミトスはオペレーティングシステムOpenBSDで27年間見つからなかった欠陥を、動画処理プログラムFFmpegでは16年分のバグを発見した。 クラウド企業クラウドフレアは独自調査で約2000件のバグを見つけ、そのうち400件が深刻または致命的等級だった。ウェブブラウザーFirefoxを開発するモジラは271件の脆弱性を特定し、修正した。 新製品の輪郭も見え始めている。テスティングカタログによると、一部のユーザーは「ミトス1」モデルを画面上で一時的に確認しており、アンソロピックのソースコードには、開発ツール「クロード・コード」とセキュリティ製品「クロード・セキュリティ」でミトスモデルを利用できるようにする旨の文言が追加された。 製品名には、正式発売前の段階を意味する「プレビュー」の表記が付いている。同メディアはまた、クロード・セキュリティについては、発見された脆弱性と7日・30日の推移を示す企業向けダッシュボードが新たに構築されていると伝えた。 アンソロピックは、新たな課題も提示した。同社はグラスウィングの点検発表で、「今やボトルネックは脆弱性を見つけることではなく、見つけた問題を検証し、開発者と協議して修正していく人間の作業量だ」と説明した。 発見とパッチ適用の速度差が核心である。発見の速度はAI導入によって10倍以上速くなった一方、欠陥1件を修正するには平均2週間かかる。 未処理の欠陥が積み上がる構造だ。リソースの乏しい一部のオープンソース管理者が、殺到する脆弱性報告に負担を訴えている事実も、こうした懸念を裏付けている。 強力なAIが整理した脆弱性リストが、修正につながらないまま放置されれば、そのリスト自体が攻撃者の地図になり得るとの指摘も出ている。 ミトス級AIの一般公開は、韓国国内の企業や機関にも近く訪れる変化として受け止められている。専門家が共通して挙げる対応の核心は、「AIが欠陥を見つけた後」を支えられる体制の整備だ。 まず、組織が使用するソフトウェアのうち、中核領域を選別して一覧化する作業が挙げられる。決済システム、顧客情報データベース、外部接続サーバーのように、侵害時の被害が大きい領域を事前に分類しておけば、欠陥が大量に見つかった際の処理優先順位を判断する基準になる。 見つかった欠陥の検証・修正手順の点検も課題とされる。AIが指摘した脆弱性が実際の危険なのかを見極め、順次埋めていく流れが組織内に整っていなければ、脆弱性一覧が処理されない宿題として残ってしまうからだ。 セキュリティ人材の役割再配置も変数となる。隙を見つける業務をAIが代替するようになれば、人間の仕事は検証と判断、調整、パッチ適用の側へ移っていく。 アンソロピックがミトス級モデルの公開に「安全装置」という条件を付けたことは、強力なツールほど、それを支える準備も同時に必要であることを示している。AIが見つけた脆弱性を実際に埋める最後の段階は、ソフトウェアを使う企業や機関に委ねられているという点で、ミトス1をめぐる動きはセキュリティ体制整備のシグナルと読むことができる。

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野村證券「SKハイニックスは400万ウォンへ」…サムスン電子の目標株価も59万ウォンに

コスピが先週、取引時間中に8000を突破してから急落に転じた。市場の変動性が高まる中、投資家の関心は指数を押し上げた半導体銘柄に集まった。 金融情報会社エフアンドガイドによると、今月12日から18日まで国内投資家が最も多く検索した銘柄の1位と2位はサムスン電子とSKハイニックスだった。検索キーワード1位にも「半導体」が入った。 この期間に最も検索されたレポートは、日本の野村證券の報告書だった。野村は15日、SKハイニックスの目標株価を234万ウォンから400万ウォンへ、サムスン電子を34万ウォンから59万ウォンへ引き上げた。SKハイニックスに400万ウォン台の目標株価が示されたのは、証券業界で初めてだ。 注目すべきは目標株価そのものより算出方法だ。野村は目標株価を大幅に引き上げた核心的論理として「バリュエーション手法の転換」を挙げた。メモリー半導体はこれまで、好況と不況を繰り返す特性のため、資産価値を基準にする株価純資産倍率(PBR)で評価されてきた。 野村はこの前提を変えた。人工知能の拡大により、メモリー需要は一時的なサイクルではなく構造的成長の領域へ移行したという見方だ。 前提が変われば、評価基準も変わる。野村はSKハイニックスが継続的に利益を生み出す企業である以上、利益に対する株価を見る株価収益率(PER)で評価されるべきだとした。 現在の12カ月先行PERは約6倍水準だが、受託生産1位企業TSMCがPER20倍前後を適用されている点を踏まえれば、同様の扱いが必要だと分析した。 結局、400万ウォンという数字は「SKハイニックスはもはやサイクル株ではない」という前提が成り立つときに導かれる数字だ。目標株価を解釈する際、数字と、その数字を支える仮定を切り分けて見るべき理由がここにある。 証券街の見方が一方向に収束していないことも、今回の局面の特徴だ。 強気論の根拠はデータセンター投資の拡大にある。野村は、世界のデータセンター設備投資が今年の1兆1600億ドルから2030年には5兆ドル超へと5倍以上増えると推計した。AI運用に膨大なメモリーが必要になり、需要が供給を上回るという分析だ。 韓国証券界の見方も概ね同じだ。現代車証券のノ・グンチャン研究員は13日、「警戒するキャズムは来ないかもしれない」というタイトルのレポートで、SKハイニックスの目標株価を265万ウォンと提示した。ノ研究員は、クラウドAI、エッジAI、フィジカルAIへとAI半導体需要の枝分かれが広がれば、その谷の深さと期間は弱まる可能性があるとみた。 反対側の見方も出た。BNK投資証券のイ・ミニ研究員は、「誰もが楽観する中でリスクも大きくなる」という報告書で、今年第1四半期の米クラウド事業者の実際の設備投資が市場予想の98%にとどまったと指摘した。年間投資計画は上方修正されたものの、その増加をメタとマイクロソフトが主導しており、両社のフリーキャッシュフローが急速に悪化していて信頼性が低いという判断だ。 この2つの見方は、見ている時間軸が異なる。強気論は需要が構造的に増える長期トレンドに重きを置き、慎重論はその需要を支えるビッグテックの投資余力が短期的に揺らぐ可能性に注目する。ビッグテックの四半期設備投資計画の変化とメモリー価格の推移が、2つのシナリオの分岐点になる見込みだ。 半導体株が短期間で急騰したことで、変動性も拡大した。「30万電子・200万ニックス」が視野に入ると利益確定売りが相次ぎ、18日時点の株価はそれぞれ28万ウォン台、180万ウォン台まで下落した。 こうした中、市場では半導体に集中していた視線が、隣接分野へ移る流れが見られる。同期間、検索上位レポートの2位にはLG電子関連の報告書が入った。 LG電子は3月の株主総会で、年内にヒューマノイドロボット向け核心部品の量産体制を構築し、AIホームロボット技術の検証を進める計画を明らかにしていた。 この流れは、AIが生み出す需要がメモリーだけにとどまらないことを示している。AI演算が増えれば、その演算を支えるメモリーが必要になり、メモリーを冷やす電力や冷却設備が続き、さらにAIを物理世界で実現するロボットや部品需要へとつながる。需要が産業チェーンを通じて広がる構造だ。 投資の観点では、これはリスク分散の手がかりになる。1銘柄に集中する代わりに、AI需要が流れる経路に沿ってリスクを分けて持つ余地が生まれるという意味だ。メモリー価格が調整局面でも、電力・冷却・ロボット部品分野は別のスピードで動く可能性がある。 ただし、隣接分野がリスクから自由というわけではない。ロボット事業はまだ業績より期待が先行しており、期待が株価に先に織り込まれた銘柄ほど、反落幅も大きくなり得る。「AI恩恵株」とひとくくりにされる銘柄でも、事業の成熟度と業績の見通しはそれぞれ異なるという点が変数だ。 今回の局面の核心は、目標株価の数字そのものではなく、その数字を支える仮定にある。400万ウォンは精緻に設計された見通しであって、確定した未来ではない。 ビッグテックの投資余力、メモリー価格の推移、キャズム到来の有無が、その仮定の行方を左右する。変動相場の中で市場が投げかける問いは、「今が高値か」ではなく、「その仮定がどのシグナルとともに崩れるのか」に集約される。

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[経済eの知識] キャズム、順調だった産業が突然止まる理由

キャズム(Chasm)は、革新技術が初期市場を超えて大衆市場へ広がる過程で直面する需要の停滞区間を指す。市場では、新技術産業の成否を左右する決定的な分岐点とみなされている。 キャズムは、米国の経営コンサルタント、ジェフリー・ムーアが1991年に出版した著書『Crossing the Chasm(キャズムを越えて)』で広く知られるようになった。英単語自体は「深い裂け目」や「峡谷」を意味する。技術産業では、初期の革新受容層と大衆消費者の間に存在するギャップを説明する概念として用いられる。 新技術は通常、△革新受容者 △初期受容者 △前期多数層 △後期多数層 △遅滞受容層 の順に普及する。初期の消費者は、新しい技術そのものに強い関心を持つ。 一方、大衆消費者は価格、安定性、実用性を優先して考える。キャズムとは、初期需要が一巡した後、大衆消費者の獲得に失敗し、成長が急激に鈍化する時期を指す。 代表的な事例として、電気自動車市場がよく挙げられる。世界各国の自動車メーカーは、環境政策と技術発展を背景に電気自動車の生産を拡大した。 初期市場では急速な成長を見せたが、充電インフラの不足、高価格、バッテリー火災への懸念などが続き、一部の国では販売増加率が鈍化した。業界では、これを電気自動車のキャズムと解釈した。 メタバース産業も同様の流れをたどった。新型コロナウイルス感染拡大期に非対面産業が広がり、市場の期待は高まったが、実際の消費者利用度や収益モデルの確立には限界を見せた。仮想現実機器の普及ペースが遅く、コンテンツの競争力も不足しているという評価も出た。投資熱が急速に冷え込み、キャズムへの懸念が広がった。 最近では、生成型人工知能(AI)産業でもキャズムの可能性が取り沙汰されている。チャットボットやAI検索サービスの利用者は急増しているものの、企業の収益性や長期需要の検証はなお進行中だという分析がある。AI半導体やデータセンターへの投資規模が拡大する中、それが実際の市場収益につながるかどうかが核心の変数とされる。 企業はキャズムを乗り越えるため、価格引き下げとサービス改善に注力している。製品の完成度を高め、消費者が実感できる実質的な効用を確保する戦略も強化している。産業エコシステムの構築も重要な要素と評価されている。電気自動車市場では、充電網の拡大が代表的な事例だ。 投資市場では、キャズムを一時的な調整と見る向きもある。初期の過熱の後、市場が現実的な需要構造へと再編される過程という意味だ。一方で、技術競争力が不足していたり、市場性が検証されていなかったりする産業は、キャズムの局面で脱落することもある。 キャズムは、技術発展そのものよりも市場の拡散速度を説明する用語に近い。革新技術が実際の消費と産業構造の変化へとつながるかどうかを判断する基準として活用される。 成長産業ほど、キャズムを乗り越えられるかどうかが企業価値と市場での生存を左右する変数として作用する。

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放置された都心の地下、Kコンテンツ体験プラットフォームに再生…ソウル市が見つけた答え

ソウル広場地下空間に開かれたKファッション展示とランウェイの仮想イメージ。 ソウル広場の地下13メートル、40年眠っていた全長335メートルの地下空間が、Kコンテンツ体験プラットフォームとして今年10月にオープンする。 新たに掘り起こすのではなく、元のままの地下構造物を展示空間として活用する「低コスト再生」方式が核となる。 市は安全設備のみを担い、コンテンツ運営は民間専門企業が担当する官民分業モデルで、公共空間活用の新たな枠組みを作った。 都心の真ん中に放置された空いた空間を、どう再活用するのか。ソウル市が示した答えは「新たに土地を掘らない」だった。 ソウル広場の地下13メートル、40年以上眠っていた幅9.5メートル・長さ335メートル規模の地下遊休空間が「Kコンテンツ文化・体験プラットフォーム」に生まれ変わる。ソウル市は24日、この空間を都心型の文化・体験拠点として造成し、10月に開場すると明らかにした。 この空間は、地下鉄2号線の線路上部と全国初の地下商店街の下部の間に挟まれていた遊休空間だ。1983年に市庁駅地下商店街と乙支路入口駅をつなぐ工事の過程で副次的に生じたものと推定されている。これまで開発も商業利用もなかったため、むしろ1980年代初めの原型構造がほぼそのまま残っていた。 ソウル市は2023年9月、地下鉄駅の革新プロジェクト「ファンステーション」の一環としてこの空間を発掘し、市民探検プログラムを運営した。 当時の反響が今回の事業の出発点となった。市は市民の関心を確認した後、空間の安全性や運営方式、民間参加の可能性を順に検討し、本格推進に入った。 ◆ 土を掘らない再生 都心に新たな文化施設を建てるには、用地確保から莫大な費用と時間がかかる。すでに存在する空き空間をよみがえらせる方式は、その負担を飛び越える。 コンクリートの壁面と柱の荒い質感さえ、撤去対象ではなく展示の背景として使われる。手を加えないことが、そのままコスト削減であり差別化戦略でもある。 地下トンネルの長い壁面と構造物には、映像と光を投影するメディアアートが導入される。観覧客の動きに応じて画面と音響が反応する体験型コンテンツも用意される。 トンネルのように長く続く構造は、Kファッションの展示やランウェイ、ブランドショーケースの舞台として活用される。K-POPアーティストのグッズと映像コンテンツ、バーチャルアイドルの世界観を組み合わせたポップアップストアも運営される予定だ。 単に展示を見て帰る場所ではなく、滞在して体験する拠点にするのが市の構想だ。 ◆ 公共が安全、民間がコンテンツ…分業が生んだモデル 今回の事業のもう一つの特徴は、役割を分けた点にある。ソウル市は公共基盤施設の整備を担い、コンテンツの企画と運営は民間専門企業に任せる。 運営は、没入型コンテンツの企画・制作専門企業クリエイティブ・モッが担当する。同社はホログラム特許技術と多数の没入型コンテンツ構築実績を持つ。AI・リアルタイムホログラムや拡張現実(VR)、アンリアルエンジン基盤のCGなど最新技術をKコンテンツと結びつけた没入型体験コンテンツを直接企画・運営する計画だ。 公共がすべてを抱え込めばコンテンツ競争力が落ち、民間に全面的に任せれば公共性が揺らぐ。市はその間で、安全という公的責任は握り、創造性が必要な領域は民間に委ねる分業構造を選んだ。公共空間活用の新たな協力モデルと評価される理由がここにある。 もっとも、解決すべき課題も明確だ。 地下という条件そのものが安全負担を大きくする。市は現在、ソウル交通公社とともに換気・消防・避難施設を整備しており、設計・施工・安全管理全般を点検しながら工事を進めている。 基盤施設工事と民間運営計画の調整を並行し、工事の進捗に合わせて民間内部施設の整備など後続手続きを順次進める方針だ。工事が終われば、地下鉄2号線・乙支路入口駅の出入口を通じてこのプラットフォームを利用できる。 今回の事業は、一か所で終わるものではない。 ...

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アンソロピック初の四半期黒字…AI売上高109億ドルで2倍急増【詳細分析】

AI企業アンソロピックが今年第2四半期に109億ドルの売上高と、創業以来初の四半期営業黒字を計上する見通しだ。第1四半期の売上高48億ドルの2倍を超える規模である。 黒字の要因は「効率」だ。売上1ドルを稼ぐために使っていた計算資源コストが71セントから56セントに減少した。稼げば稼ぐほどより大きなコストがのしかかっていたAI産業の構図が、切り崩され始めたのである。 黒字を支えた核心的な動力は「企業向けAI」だった。一般消費者向けのチャットボットではなく、開発者がコーディングに使うツールが収益を生んだ。AIが不思議な玩具から、実際に働く道具へ移りつつある転換点だと言える。 アンソロピックの第2四半期売上高109億ドル見通し(出典=アンソロピック) 人工知能(AI)業界で、そう頻繁には見られない数字が登場した。チャットボット「Claude」を手がける米AI企業アンソロピックが、今年4月から6月までの第2四半期に109億ドル、日本円で約1兆5000億円の売上を計上する見通しだ。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルが投資家向け資料を基に報じた。 注目すべきは売上規模そのものではない。直前の第1四半期売上高は48億ドルだった。わずか3カ月で2倍以上に膨れ上がったことになる。このペースなら、アンソロピックは創業以来初めて四半期営業黒字を記録する。予想営業利益は5億5900万ドルだ。 稼げば稼ぐほど損をする産業、その公式が崩れた これまでAI産業には奇妙な公式があった。利用者が増え売上が伸びるほど、企業はより大きな赤字を抱えていたのである。チャットボットの回答1回ごとに膨大な計算処理が必要で、その計算を回す電気代や機器の使用料が、利用者から受け取る料金を上回っていたからだ。 分かりやすく言えば、客が押し寄せるほど赤字が積み上がる食堂のようなものだった。料理を売れば売るほど、材料費の方が料理代より高くつく構造である。だから客を増やすことが、必ずしも喜ばしいことではなかった。 アンソロピックの今回の黒字見通しは、この公式を正面から揺さぶる。焦点は売上ではなくコストだ。第1四半期だけでも同社は売上1ドルを稼ぐために71セントを計算資源コストに使っていた。第2四半期にはこの数字が56セントまで下がる見込みだ。1ドルを稼いだときに手元に残る金額は29セントから44セントへ増えたことになる。 15セントの差は小さく見えるかもしれない。しかし売上が100億ドルを超える規模では、15セントが数十億ドルの損益を分ける。この会社が赤字から黒字へ転じた決定的な理由は、まさにここにある。 黒字を生んだのはチャットボットではなく「働くAI」だった では、売上はどこから生まれたのか。一般的に思い浮かぶ「人と会話するチャットボット」ではない。アンソロピックの爆発的成長をけん引した主役は、ソフトウェア開発者が使うコーディングツール「Claude Code」だった。 開発者がプログラムを作る際にAIへ「こんな機能を作ってほしい」と指示すると、AIが実際にコードを書き上げるツールだ。企業側から見れば、開発者1人が担っていた仕事をより速く処理できるため、コスト削減につながる。その効果が明確だからこそ、企業は喜んで料金を支払う。 この違いは重要だ。一般消費者が使う無料のチャットボットは、どれだけ使われても会社に直接の収益をもたらさない。これに対し、企業が業務に使うAIツールは毎月着実に利用料が入る。セキュリティ点検やデータ分析といった実務にAIを組み込む企業が増え、アンソロピックの売上は「使う人」ではなく「支払う顧客」中心にしっかり固まった。 AIが珍しさで一度試してみる玩具の段階を過ぎ、企業が費用を払って導入する業務ツールの段階へ移ったという意味だ。アンソロピックの黒字は、その転換を示す最初の成績表に近い。 毎月12億ドルの請求書、黒字はまだ安心できない 黒字のニュースに、手放しで拍手を送るわけにはいかない。今回の黒字が1四半期で終わる可能性は小さくないからだ。 5月20日、イーロン・マスク率いるスペースXが証券当局に提出したIPO関連書類に、その理由が示されていた。アンソロピックはスペースXからAI演算に必要な計算能力を借りる契約を結び、2029年5月まで毎月12億5000万ドルを支払うことになっている。年換算では約150億ドル、日本円で20兆円超に達する。 この取引は、スペースXのデータセンター「コロッサス」を丸ごと借りる契約だ。30万キロワットを超える電力と、22万個以上の高性能グラフィックス処理装置(GPU)がここに集約されている。AIをより速く、安定して動かすにはこれほどの設備が必要だが、その分請求書も重い。 アンソロピック自身も慎重だ。年間ベースでの黒字化は2028年以降になると見ている。モデルをさらに大きくし、設備も増強し続けるために、なお多額の投資を続ける必要があるからだ。今回の第2四半期黒字は、コストが本格的に膨らむ直前に売上が一時的に先行した結果と読むべきだろう。 企業顧客にとっても、注視すべき点がある。利用が増えてもAIの応答速度や処理能力が揺らがないかが鍵となる。設備投資がその約束を支えられるかどうかに、黒字の持続性がかかっている。 韓国企業と投資家が読み取るべきシグナル このニュースは、米国のある企業の決算発表として見過ごせるものではない。韓国の産業界と投資家にとっても、示唆は明確だ。 ...

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マヌスAI、メタに売却された会社を買い戻し…史上初の「セルフ買収」

すでに完了した企業買収が5カ月後にひっくり返される事態が起きている。米メタが昨年12月に買収した人工知能企業マヌス(Manus AI)がその当事者だ。 21日(現地時間)、経済専門メディアのブルームバーグによると、マヌスはメタに渡った自社を再び買い戻すため、最大10億ドル、韓国ウォンで約1兆5000億ウォンに達する資金調達を検討している。 状況そのものが珍しい。買収に失敗したのではなく、きちんと完了した取引を外部圧力によって原点に戻さざるを得ない立場に置かれているのだ。取引を破棄せよと命じたのは中国政府だった。マヌスはその命令に従いつつ、会社をメタではなく自らの手に取り戻す道を選んだ。 ◆ 5カ月前に終わった取引を破棄せよという命令 メタは昨年12月、マヌスを約20億ドル、ウォンで約3兆ウォンで買収した。マヌスは、利用者が比較的大きな仕事をひとつ投げると、自ら複数の段階を処理するいわゆる「エージェント型AI」を開発する企業だ。 資料を探し、整理し、文書を作成し、コードを書く作業まで、人の介入なしに連続してこなす。ChatGPTのような対話型AIより一歩進んだ形だ。メタはこの技術を自社AIに組み込み、グーグルやオープンAIとの競争で優位に立つ足がかりにしようとしていた。 問題はマヌスのルーツにあった。この会社はもともと中国で始まった。中国のエンジニアたちが2022年に立ち上げた企業だ。 昨年、米国主導の投資調達を経て本社と中核人材をシンガポールへ移し、中国国内の人員の 상당数を整理した。運営法人もシンガポール登録の「バタフライ・エフェクト」に切り替えた。メタが買収した時点で、マヌスは書類上は明確にシンガポール企業だった。 中国国家発展改革委員会(NDRC)は4月27日、メタに対しこの取引を元に戻すよう命じた。核心的な理由は2つだ。▲中国の投資関連規定に違反した可能性、そして▲戦略技術が海外へ流出することへの懸念である。 発改委は、マヌスがシンガポール企業に変わったとしても、技術の出発点が中国であり、中核人材が過去に中国で働いていた以上、依然として中国の投資審査対象に入るとみなした。 ◆ 買い戻しに1兆5000億ウォン、価格はむしろ上がった ブルームバーグが報じたマヌスの対応は、単なる取引の取り消しではない。外部投資家から最大10億ドルを新たに調達し、メタが保有する持分を買い取る構想だ。 資金は3つの用途に使われる。メタ持分の取得、両社のデータと組織を分離する作業、そして独立したマヌスを今後1年間運営するための資金である。 興味深いのは価格だ。新たな資金調達が成立すれば、マヌスの企業価値はメタが昨年12月に支払った20億ドルを上回ることになる。取引を巻き戻す作業が、実質的には企業価値をさらに押し上げる財務取引に変わるわけだ。 その自信の背景には業績がある。マヌスは初の汎用AIエージェントを発表してから8カ月で、年間換算売上高1億ドルを突破した。 従業員約100人規模の新興企業が、短期間で成し遂げた成果だ。昨年4月のベンチマーク主導の投資ラウンドで評価された企業価値は5億ドルだった。8カ月後のメタによる買収額は、その4倍に達した。 ◆ 「シンガポールに移したからといって安心できない」 今回の件が及ぼす波紋はマヌス1社にとどまらない。発改委の決定は、中国が投資審査の刃をシンガポール本社の企業にまで向けた、これまでで最も明確な例とされる。中国にルーツを持つ技術を有する企業であれば、現在どの国に法人を置いていようと中国の審査対象になり得るというシグナルだ。 米法律事務所オメルベニー・アンド・マイヤーズ(O’Melveny)は法的分析で、この決定が重要な先例だと指摘した。中国に起源を持つ企業を米国側が買収する取引なら、その会社がどこに登記されていようと今回の事例を重く受け止めるべきだという。 国境をまたぐ投資を扱う弁護士たちに向けたメッセージは明確だ。本社をシンガポールへ移すだけでは、中国の投資審査リスクを完全には取り除けないということだ。 ...

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土地取引許可区域、借家人入居住宅も実居住猶予へ…29日施行

借家人が入居している住宅を購入する無住宅者も、土地取引許可区域で実居住義務を先送りできるようになった。 国土交通部は22日、「不動産取引申告法施行令」改正案を次官会議に提出した。26日の国務会議を経て29日に公布され、同日から直ちに効力が生じる。 土地取引許可区域で住宅を購入すれば、原則として一定期間内に自ら入居して居住しなければならない。これまでは借家人がいてもこの義務がそのまま適用され、契約期間が残る借家人を残したまま、買主が急いで入居しなければならない場合が少なくなかった。 今回の改正は、その負担を軽減するものだ。12日に発表した「借家人がいる住宅全体への実居住猶予拡大」方針を法令に反映させる後続手続きで、適用要件は発表時の内容と同じだ。 出典=国土交通部 猶予を受けるには、今年12月31日までに土地取引許可を申請しなければならない。 要件は売り手と買い手の双方にかかる。売却者は5月12日時点で賃貸中、またはチョンセ権が設定された住宅を保有している人でなければならない。買主は5月12日以降、継続して無住宅を維持している世帯に限られる。 許可が下りれば、買主は4か月以内に住宅を取得し、登記を完了しなければならない。実居住を先送りできる期間は、5月12日時点ですでに結ばれていた賃貸借契約の当初終了日までだ。ただし、2028年5月11日までには必ず本人が入居しなければならない。 借家人がいる家を取引しながら猶予の適用を受けようとする売主・買主は、29日から管轄官庁に土地取引許可を申請できる。 制度を見直した背景には、衡平性をめぐる論争がある。先に2月12日に施行された実居住猶予は一部の多住宅者にのみ適用され、同じ事情の借家人付き住宅の取引が恩恵から外れるという指摘を受けていた。 金潤徳(キム・ユンドク)国土交通部長官は、「2月12日の措置が一部の多住宅者にのみ適用され、衡平性の問題があった。それを解決するためだ」とし、「ギャップ投資を認めないという原則の下で、実居住猶予を実施する」と述べた。 さらに「今回も2月12日の措置と同様に、買主を無住宅者に限定し、猶予期間を発表日から最大2年とするなど、政策の一貫性を維持している」と付け加えた。

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地下鉄不便苦情の78%が冷暖房問題…ソウル交通公社、夏季対策を強化

ソウル交通公社が夏場の地下鉄の冷暖房に関する苦情増加に備え、市民への案内と広報を強化すると22日に明らかにした。冷暖房の運営原理を分かりやすく伝える一方、緊急苦情への対応力も引き上げる方針だ。 (出典=ソウル交通公社) 同公社が昨年受け付けた地下鉄の不便苦情は計101万件余りだった。このうち冷暖房関連の苦情は約79万件で、全体の78.4%を占めた。大半は「暑い」という苦情だった。 冷暖房に関する苦情は、気温が高くなる5月から9月に集中する。気候変動により夏の猛暑が長期化・激化し、関連苦情も増加傾向にある。気象庁によると、2024年の全国の夏季平均猛暑日は24.0日で、平年(1991~2020年)の10.6日の2.3倍に達した。同年のソウルの熱帯夜日数は39日で、過去最多を記録した。 ◆ 車内のエアコンは乗務員が調整できない 市民がよく誤解している点は、列車内のエアコンを乗務員が直接調整しているということだ。 実際には列車の冷暖房は、環境部告示に従い夏は24度、冬は18度に自動運転される。定められた基準温度に合わせて冷暖房装置が自動で作動する仕組みのため、乗務員が任意に温度を上げたり下げたりすることはできない。 このような構造のため、特定の車両1両だけを別途大きく冷やすことにも限界がある。出退勤の混雑時間帯には乗客が集中して「暑い」という苦情が集まる一方、同じ時間帯に冷房が強すぎると感じる乗客からの「寒い」という苦情も少なくない。 同公社が昨年、時間帯別に苦情を分析した結果、午前7~9時と午後6~8時に苦情が集中した。「暑い」という苦情は全体の72.8%にあたる54万件余り、「寒い」という苦情は全体の57.3%にあたる2万7720件が、この2つの時間帯に寄せられた。同公社は、列車の混雑度や服装、健康状態、乗車時間によって乗客ごとの体感温度に差が生じるものとみている。 同じ車両で相反する苦情が同時に寄せられることで、コールセンターの相談員や乗務員の負担も大きくなっている。冷暖房苦情の対応に時間を取られると、急病人や犯罪通報などの緊急苦情への対応に支障が出る可能性があると同公社は説明した。 ◆ 案内強化と「AI温度制御」の試験導入 同公社は、市民の理解を得るための案内強化に乗り出した。昨年、2号線と8号線に貼付した冷暖房案内ステッカーを6号線まで拡大する。 また、苦情の70%以上が受け付けられる「タッチアプリ」の通報画面上部には、冷暖房の苦情対応により緊急苦情への対応が遅れる可能性があるという案内文を表示する。自動制御システムを知らせるため、乗務員の苦労を盛り込んだ短い映像も制作する計画だ。 技術的な改善も並行して進める。同公社は5月最後の週から4号線の新型列車1編成に「AI車内適正温度制御システム」を試験導入した後、4号線の新型列車25編成へ順次拡大する方針だ。 このシステムは、AIが事前学習した混雑度予測情報を基に、列車が混雑区間に入る前に冷房を先に調整する方式だ。4月にソウル市の創意発表会で車内環境改善効果が認められ、大賞を受賞した。混雑時間帯に車両基地から出庫する列車には、冷房と換気扇を常時稼働させている。 すぐに活用できる方法もある。車内は冷気の流れのため中央部の温度が最も高く、両端が低いので、暑さを感じる場合は車両の端へ移動するとよい。寒さを感じる乗客は、一般車より1度高く運行される弱冷房車を利用できる。 弱冷房車は、1・3・4号線が4、7両目、5・6・7号線が4、5両目、8号線が3、4両目だ。2号線は混雑度が高いため、弱冷房車を運用していない。 マ・ヘグンソウル交通公社営業本部長は「列車の冷暖房は環境部基準に従って自動制御されるシステムであり、快適な利用環境のため全ての部門が協力している。乗務員が任意に冷房を調整する仕組みではないため、急病人や犯罪など緊急苦情の優先対応のため、市民の理解と協力をお願いしたい」と述べた。

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