NY株式市場2%急落、イラン発原油ショックでビッグテック揺らぐ

10日(現地時間)のニューヨーク株式市場は3大指数が2%近く下落し、半導体指数は3.57%急落した。 予想にほぼ一致した5月の消費者物価指数(CPI)への安心感は、トランプ大統領のイランへの追加攻撃警告にかき消された。米国とイランの衝突再燃が下落の核心要因だ。 原油・金利・ドルがそろって上昇し、リスク資産には三重の負担となった。ビッグテックが一斉に軟調となった。 10日(現地時間)のニューヨーク株式市場は、3大指数が2%近く下落して取引を終えた。S&P500は -1.62%、ダウは -1.87%、ナスダックは -1.98%、フィラデルフィア半導体指数は -3.57%だった。 市場予想に合致した5月の消費者物価指数(CPI)は安堵感をもたらしたが、トランプ大統領がホワイトハウスでの会見でイランを「非常に強く」攻撃すると警告したことで、空気は一変した。交渉の余地を残しながらも、米軍ヘリコプターの撃墜に対する報復を示唆する発言だった。取引終了後には国防長官がイランの中核施設を狙うと強硬姿勢をさらに強めた。イランも中東地域の米軍施設への報復攻撃で応じるとした。 物価に関する好材料は地政学的悪材料に埋もれた一日だった。市場の視線は指標から中東へと移った。 衝突懸念は直ちに原油価格を押し上げた。前日は1バレル90ドルを下回っていたWTI原油は2.07%反発し、90.03ドルで引けた。中東産原油の供給障害懸念が価格を支えた。 金利も上昇した。物価指標は良好だったにもかかわらず、米国10年債利回りは3.5bp上昇して4.55%となった。金融政策に敏感な2年債利回りも2.6bp上がり、4.14%で取引を終えた。原油高が今後の物価を再び押し上げる可能性への警戒が金利に反映されたとみられる。安全資産を求める動きからドルも強含み、ドル指数は0.11%上昇して100.02となった。 原油・金利・ドルの同時上昇は、リスク資産にとって三重の重荷だ。利益確定の口実を探していた市場に、売りを増幅させる材料となった。 業種別では、生活必需品とエネルギー、不動産を除く全セクターが下落した。産業財、素材、情報技術(IT)の下げが目立った。前日に目立っていた循環物色、すなわちある業種から抜けた資金が別の業種へ移る流れは、この日には姿を消した。売りが市場全体に向かったという意味だ。 大型テック株は特に弱かった。テスラとエヌビディアが4%近く下落し、アマゾン、メタ、アルファベット、マイクロソフトも2%前後下げた。金利上昇は、将来利益を現在価値で評価するテクノロジー株に直接的な負担となる。 個別銘柄では、資金調達をめぐる不安が新たな火種となった。オラクルは堅調な四半期決算と前向きな見通しを示したにもかかわらず、大規模資金調達への懸念が浮上し、時間外取引で約6%下落した。 前日の引け後に増資計画を公表したスーパー・マイクロ・コンピュータは、この日28%急落した。業績や成長性よりも、「どう資金を調達するのか」が株価を揺さぶる局面に入った。 この日の下落の本質は、業績でも物価でもなく地政学だった。中東情勢が沈静化しない限り、原油と金利の上昇圧力は続く可能性が高い。 投資家が注視すべき変数は明確だ。米国のイラン攻撃が実際に行われるのか、ホルムズ海峡を通じた原油輸送が滞るのかによって、原油価格の行方が左右される。物価指標が再び市場の中心に戻るには、まず中東発の不確実性が和らぐ必要がある。

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[解説] SKの次期半導体工場はどこへ、湖南か忠清か

SKグループの崔泰源会長が、龍仁クラスターの次に建設する半導体工場の立地検討を本格化させている。首都圏の電力・用水の制約が限界に近づく中、重心は非首都圏へと移っている。 半導体工場には、電力・用水・人材・用地が同時にそろうことが求められる。平沢や龍仁など首都圏は、電力と用水が飽和状態に達している。 非首都圏の候補としては湖南と忠清が挙がっている。湖南は再生可能エネルギーと後工程のエコシステム、忠清は既存のメモリー拠点との連携が強みだ。 湖南は24時間安定した電力と中核人材の確保が課題で、前工程よりも後工程施設が先に取り沙汰されている。 崔泰源SKグループ会長が龍仁クラスターの次に建設する半導体工場の立地検討を本格化させている。 崔泰源SKグループ会長は、次世代の半導体工場をどこに建てるかの検討を本格化させている。 京畿道龍仁に建設中の世界最大級の半導体クラスターの、その先を見据えた動きだ。崔会長は10日、日本・東京で記者団に対し、「半導体需要は継続的に増えており、どこかへ行かざるを得ない。準備が宿題として迫ってきている」と語った。 この発言の重みは時点にある。政界や政府内外で、サムスン電子とSKハイニックスの生産拠点を湖南・忠清など非首都圏へ広げる案が検討されているとの見方が相次ぐ中で出てきたものだ。 財界では、今月末に李在明大統領と主要グループ総帥との懇談会で、具体的な投資案が公開される可能性が高いとの見方が多い。両社は「承知していない」として言葉を控えている。 どこに建てるかは、すなわち何が整った土地かという問題だ。崔会長の発言には、その基準が込められている。 崔会長が挙げた次期工場の前提条件は4つだ。電力と土地、人材と水だ。「どこかに行くにはインフラがものすごく必要だ」というのが同氏の説明であり、半導体工場がどこでも建てられるわけではない理由を端的に示している。 先端半導体ラインは、一つの都市が使うほどの電力を消費する。回路を洗い流す超純水も膨大に使う。さらに、高度に訓練された人材と広い平地が加わって初めて工場は稼働する。4条件を一度に満たす用地は多くない。 既存拠点である首都圏は限界に直面している。平沢と龍仁を中心とするメガクラスターは、AI半導体ラインをこれ以上受け入れるのが難しいほど電力と用水が逼迫している。 次期工場を別の地域で探さざるを得ない背景がここにある。龍仁クラスターは415万平方メートルの敷地に整備され、1期工場は2027年の稼働を目指している。会社の重心は当面、この場所に置かれる。 非首都圏の候補としてまず挙がるのが湖南だ。光州や長城一帯が取り沙汰されている。湖南は太陽光や洋上風力など再生可能エネルギーの潜在力が国内最大級で、企業が使う電力を100%再生可能エネルギーで賄うRE100に有利な条件を備える。 重みを増す変数がセマングムだ。ジェンソン・フアンNVIDIA最高経営責任者(CEO)がセマングムを韓国の「AIバレー」と呼んだことで、湖南はAIインフラの拠点として注目を集めている。半導体生産拠点がこの地域に立地すれば、AI産業団地と連動させる効果も狙える。 一方で限界もはっきりしている。24時間止まることなく稼働しなければならない半導体工場にとって、再生可能エネルギーだけで安定電力を確保するのは、なお難しい。 先端メモリーを作る中核人材の層も厚くない。そのため湖南では、前工程工場よりも後工程施設が先に議論されている。 前工程はウェハーに回路を刻む核心段階で、後工程は完成したチップを切断して包装するパッケージング段階だ。すでに世界的な後工程企業アンコー・テクノロジーが光州に拠点を置いており、エコシステムをつなぎやすい。 忠清は性格が異なる。SKハイニックスのメモリー生産拠点である清州、サムスン電子のパッケージング拠点である天安・温陽がすでに立地している。 既存インフラに接続する連携投資がしやすいということだ。首都圏に近く、人材を集めやすいのも相対的な強みだ。メモリーラインの増設であれば、湖南より忠清が現実的だとの分析が出る理由である。 両地域の勝負は、最終的には同じ問いに集約される。莫大な電力と用水、人材をどこで最も安定的に確保できるのか、という点だ。湖南は再生可能エネルギーと政府の均衡発展の意志を背景に持ち、忠清はすでに稼働している拠点という現実的な強みを持つ。どちらも4条件を完全には満たせない。 財界内外では、今月末に李在明大統領と主要グループ総帥らが青瓦台で行う懇談会で、具体的な投資案が示される可能性が高いとの見方が多い。 政府は、税制優遇や電気料金の差別化などの誘導策を前面に出し、地方投資を後押ししている。電力と用水、人材という冷徹な条件と、均衡発展という政策意志が交差する地点で、SKの次の工場の場所が決まる見通しだ。

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スペースX上場まであと2日、1.8兆ドルの評価額は本当に高いのか

イーロン・マスクの宇宙企業スペースXが12日(現地時間)、ナスダックに上場する。企業価値は1.8兆ドルで、約2740兆ウォン(為替レート1520ウォン基準)に達する。史上最大規模の企業公開で、これまで宇宙投資の頂点とされてきたロケット・ラボの地位を揺るがしている。 公募価格は1株135ドル、発行株式数は5億5560万株だ。今回の上場で吸い上げる資金は約750億ドル(約114兆ウォン)にのぼる。 2019年にサウジアラムコが打ち立てた最大IPO記録を更新する。全体の30%を個人投資家に配分した点も異例だ。国内でも宇宙テーマに資金が流れ込み、米航空宇宙局(NASA)の名前を冠したある上場投資信託には、この2か月で26億ドルが流入した。 ◆ 1.8兆ドルの企業価値、売上の96倍という衝撃 スペースXの昨年の売上高は187億ドル(約28兆ウォン)だった。1.8兆ドルの企業価値をこの売上で割ると、株価売上高倍率(P/S)は96倍に達する。企業が1年間に稼ぐ金額の96倍を払って買うという意味だ。 比較対象としてロケット・ラボを見てみよう。前日(9日)終値基準の株価は119ドル、時価総額は658億ドル(約100兆ウォン)だ。直近1年で株価が300%近く急騰し、宇宙株の中で最も熱を帯びた銘柄だが、96倍を前にするとむしろ割安に見える。 表面的な数字だけを見ると、スペースXは途方もなく高い。だが、売上を測る時点を1年先にずらすと、その印象は揺らぐ。 ◆ AIの賃貸契約が分母を変える 鍵を握るのは人工知能(AI)だ。スペースXは今年2月、マスクのAI企業xAIを吸収した。ロケットと衛星を超えて、巨大なデータセンターを抱える会社へと変貌した。 2件の大型契約が勝負を広げた。アンソロピックはテネシー州メンフィスのデータセンターを丸ごと借り、月12億5000万ドルを支払うことにした。グーグルはNVIDIAのGPU11万個を使う対価として、10月から月9億2000万ドルを支払う。2契約を合わせると年間260億ドルとなり、スペースXが昨年の事業全体で稼いだ金額を上回る。 この賃貸収益を今年の売上に反映すると、計算は変わる。昨年の売上187億ドルがそのまま続くと仮定し、今年計上されるアンソロピックの5か月分(62億5000万ドル)とグーグルの3か月分(27億6000万ドル)を加えると、推定売上は277億ドル(約42兆ウォン)になる。1.8兆ドルをこの売上で割ったP/Sは65倍だ。売上が300億ドルまで増えれば、60倍までさらに下がる。 ロケット・ラボの今年予想P/Sは52倍だ(FactSetコンセンサス基準)。96倍と52倍の遠い差は、65倍と52倍の狭い差へと圧縮される。高く見えたスペースXの企業価値が、実際には競合とほぼ同水準だという結論に至る。 ここではさらに根本的な問いが浮かぶ。スペースXが提出した上場書類には、28兆5000億ドル規模の市場を狙うと記されており、その大半は宇宙ではなく企業向けAIから生まれる。投資家が買うのがロケット企業なのかAIインフラ企業なのか、そこからして分かれるわけだ。 ◆ 倍率が似ていても、リスクまで同じではない 計算をここで止めれば、半分しか読んでいないことになる。同じP/Sでも、その中に含まれる売上の性質はまったく異なる。 ロケット・ラボは打ち上げサービスと衛星製造で稼ぐ純粋な宇宙企業だ。第1四半期の売上高は2億ドルで、受注残高は22億ドルを超えた。次世代ロケット「ニュートロン」は初飛行前から5件の打ち上げ契約を獲得している。会社の命運は、このロケットの成功にかかっている。 スペースXの低下した倍率は、性格の異なる土台の上に成り立っている。AI賃貸契約がその分母を支えているが、契約には出口条項が付いている。グーグルは年末以降、90日前の通知だけで契約を終了でき、GPU納品が遅れれば撤退する権利も持つ。 AI部門はまだ赤字だ。第1四半期だけで24億ドル超の営業損失を計上した。独立した評価も警戒を鳴らしている。投資情報会社モーニングスターは、キャッシュフロー基準の妥当価値を7800億ドルと試算した。上場時の企業価値の半分にも満たない。 もっとも、反対側の論理もある。ゴールドマン・サックスは、スペースXのAI売上が2030年に3000億ドルを超えると見ている。賃貸事業が予想通りに回れば、今の65倍はむしろ割安かもしれないという計算だ。強気派と慎重派が同じ数字を前に真逆の解釈を示している。 投資家が注視すべき点はここだ。P/S65倍という数字よりも、その分母を支える売上がどれだけ長く持続するかが重要だ。倍率が低く見えるという理由で見出しを追うより、何を買っているのかを問い直す方が安全だ。全体の30%が個人投資家に開放されるだけに、上場初期の乱高下の衝撃も、個人の側により大きく返ってくる。 スペースXとロケット・ラボのバリュエーションは、今は一点で重なっている。上場後、市場がスペースXの圧倒的な規模にプレミアムを上乗せするのか、それともAI契約の不確実性にディスカウントを付けるのかによって、両社の差は再び広がるとみられる。 ロケット・ラボの運命がニュートロンにかかっているなら、スペースXの運命はAI売上の継続性にかかっている。2つの宇宙株の本当の勝負は、上場ベルが鳴った後に始まる。

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半導体に縛られたコスピ、集中リスクをどう解くか【解法】

米国発の半導体売りで、今月初めにコスピは8%急落し、サイドカーが発動、為替は1,540ウォンを突破した。 昨夜のニューヨーク市場では、チップ株が1日で反発した後に再び押し戻され、イランへの攻撃を受けて取引時間中に急落したのち、まちまちで引けた。 少数のAI・半導体株への過度な集中がボラティリティを高め、循環物色が市場構造上の課題を突きつけた。 グラフィック=ソリューションニュース 昨夜(現地時間9日)のニューヨーク株式市場は、まちまちで取引を終えた。前日に反発した半導体株は再び下落し、取引時間中には中東発の悪材料も重なって下げ幅が拡大した。 S&P500は0.26%安の7,386で引けたが、指数採用銘柄のうち上昇した銘柄は370と過半数を超えた。ハイテク株中心のナスダックは0.97%下落し、ダウ平均は0.17%上昇した。 時価総額比率の大きい半導体とエネルギーが指数を押し下げる一方、その他の大半の業種は上昇した。中小型株指数のラッセル2000も0.41%上昇し、資金がビッグテックから他分野へ移る循環物色の典型を示した。 取引時間中の変動は激しかった。米軍ヘリがイランの攻撃で撃墜されたとの報道で、リスク回避心理が広がった。トランプ大統領は報復攻撃を予告し、現地時間9日には米軍が実際にイランへの攻撃に踏み切った。一時は4%近く下落したナスダックは、下げ幅を縮小して取引を終えた。原油価格は、イスラエルとイランの戦闘緩和期待が優勢となり、むしろ下落した。 より大きく揺れたのは韓国市場だった。米国発の半導体売りがアジアを直撃し、コスピは5日に5%台の急落を記録したのに続き、8日には取引時間中に8%超下落して7,500台まで押し下げられた。サムスン電子とSKハイニックスが2桁前後の急落となり、売りサイドカーが発動された。為替は1,540ウォンを超え、外国人投資家は20営業日連続で売り越しを続けた。 なぜ米国より韓国の指数の方が深く下落したのか。答えは「集中」にある。 今年に入り、世界の株式市場を押し上げた原動力は、事実上AIと半導体の一筋だった。少数の巨大テクノロジー株と半導体企業が、指数上昇の大半を担ってきた。 時価総額加重方式の指数では、このような大型株の値動きが指数全体を左右する。数日前に半導体企業ブロードコムが市場予想に届かない決算を発表し、株価が12%急落してその衝撃が半導体業種全体へ波及したのも、同じ構造のためだ。 韓国市場の集中はさらに極端だ。コスピの時価総額に占めるサムスン電子とSKハイニックスの2銘柄の比重は圧倒的で、しかも両社はメモリ半導体という同じ業況に結び付いている。米国のチップ株が揺れれば、韓国の指数はその衝撃をそのまま、時には増幅して受け取る。前営業日のコスピが米国より深く沈んだ理由はここにある。 集中は上昇時には加速装置だが、下落局面では凶器になる。指数が少数銘柄に結び付けば、わずかな業績変化や突発ニュース一つでも全体が大きく揺れる。今回の変動は、その実態をあらわにした。強気相場のエンジンだった集中が、同じ強さでリスクの震源地にもなった。 市場の見方は二つに分かれる。 楽観論は、この流れを「健全な循環物色」と捉える。証券業界の一部では、ビッグテックに偏っていた資金が、これまで取り残されていた業種や中小型株へ移っている過程だとみている。 ダウ平均が最高値圏を維持し、上昇銘柄数が過半を超えた点がその根拠だ。指数の表面は赤く見えても、市場の裾野はむしろ広がっているというわけだ。強気相場がより多くの銘柄へ広がるなら、悪材料ではなく追い風に近い。 一方、懸念はより根本的な点を指摘する。循環物色の引き金が、結局はAI投資への疑念だったという点だ。これまで半導体とビッグテックの株価は、将来の利益をはるかに先取りして上昇してきた。 ブロードコムの決算失望が小さなひびで終わらず、業界全体の再評価へ広がったのは、割高感がそれだけ大きかった証拠だという見方である。この視点では、いまの調整はバブルが崩れ始めた初期段階かもしれない。 同じデータを見ながら診断が分かれるのは明らかだ。集中が解ける過程が分散で終わるのか、それとも崩壊につながるのかは、まだ誰にも断言できない。 今回の局面が示すメッセージは、ボラティリティが一時的な事件ではなく構造の産物だという点にある。 指数が少数銘柄に依存する構造が変わらない限り、同様の衝撃は繰り返されるしかない。パッシブファンドや指数連動資金が増えるほど、集中は自らを強化する。大型株が上がれば資金がさらに集まり、その資金がまた大型株を押し上げる循環だ。問題は、その循環が逆回転した時だ。 韓国市場には、さらに重い含意がある。株式市場だけでなく、輸出と経済成長までメモリ半導体の一角に依存しているためだ。半導体業況が揺れれば、指数と為替、実体経済が同時に変動する。 今回のサイドカー発動と為替急騰は、その連結がいかに張り詰めているかを示した。半導体偏重はもはや株式市場だけの問題ではなく、国家ポートフォリオ全体のリスクとして捉えるべきだ。 では、集中という構造的リスクをどう減らすのか。個人投資家に分散投資を勧めるだけの話ではない。市場を設計し運営する主体の役割がより大きい。 ...

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【解説】企業向け外部AI、サムスンはこう使う…流出遮断5段階

2023年のソースコード流出を受けて全社で遮断していた外部AIを、3年ぶりに全面導入へと転換した。 焦点は遮断ではなく統制だ。企業向けアカウント、AI専用DLP、二重運用体制が安全装置を構成する一方、中小企業にとっては高額な構築費の代わりにサブスクリプションとガバナンスが現実的な代替策となる。 グラフィック=ソリューションニュース 今、何が起きているのか。 サムスンは9日、全関係会社を対象にChatGPT、Gemini、Claudeなどの外部生成AIを今月中に正式導入すると発表した。 開発・購買・製造・物流・マーケティング・販売・サービス・経営支援という、いわゆる8大業務の全工程にAIを適用する「AI大転換」構想の核心的な措置だ。各系列会社の最高経営責任者が自ら革新を主導する。 規模も小さくない。社長団50人余りは今月中に2日間の集中教育「AXブートキャンプ」に入る予定で、役員2300人余りは8月12日まで各回ごとの教育を受ける。全社員教育は年内に終える計画だ。外部AIを全社レベルで使うという宣言にほかならない。 サムスンの関係会社役員たちが、人材開発院の創造館でAI集中教育を受けている。(写真=サムスン電子) サムスンは、外部生成AIを最初に、そして最も強く封じ込めた当事者でもある。2023年4月、半導体部門の社員が設備ソースコードと会議内容をChatGPTに入力し、情報が外部サーバーへ渡る事故が発生した。 会社は同年5月、社内PCからの生成AIアクセスを全面遮断した。一度入力したデータは回収も削除もできないという警告が、社内アンケート回答者の65%をセキュリティリスクへの同意に導いた。 その鎖を3年ぶりに自ら解いた。会社は今回もセキュリティを軽視していないと強調する。外部AIの全面解禁とセキュリティ体制の高度化を「同時に」達成する方針を明確にした。活用を広げつつ、リスクは統制するという二兎追いの戦略だ。 意味の分析 では、何が変わったのか。3年前と現在の外部AIは同じものではない。 2023年にサムスンが恐れていた対象は、正確には「消費者向け」の生成AIだった。個人が無料で使うチャットボットは、利用者が入力した値をモデル学習に再利用する構造のものが多かった。社員が不用意に貼り付けたソースコード1行がモデルに染み込み、他人への回答に現れるおそれは誇張ではなかった。 いま企業が使う外部AIは性質が異なる。セキュリティ業界によると、有料の企業向け環境では、入力データをサービス事業者の学習データとして使わないことが一般的な契約条件になっている。 データ保持期間をゼロに近づけたり、企業専用領域の中だけでデータが循環するよう隔離する機能も標準に近い。技術的前提が変わり、「使えば即流出」という等式は揺らいだ。 サムスンもその前提の上に立っているとみられる。同社はどの等級のサービスを導入するのかを具体的には明らかにしていない。ただし、外部AIの全面解禁とセキュリティ体制の構築を併記しており、4~5月にはデバイス経験部門の社員2500人を対象に候補サービスを試す概念実証を行っていた。 全社員がすぐに自由に使う方式でもない。運用方針とセキュリティ体制を整えたうえで段階的に開放する計画であり、統制された企業向け環境を前提にしているとの見方が業界では強い。 判断の重みも移った。遮断にかかるコストより、使わないことによるコストの方が大きくなった。競合がAIでレポートを書き、コードを組み、市場を分析する中で、遮断だけを貫けば生産性格差が広がる。 サムスンが社内自社モデル「サムスン・ガウス」と外部の汎用AIを併用する二重運用を選んだ背景がここにある。機密性の高い社内データは自社モデルが担い、最新の汎用機能は外部から取り込む役割分担だ。 この流れはサムスンだけのものではない。国内企業の生成AI活用率は2025年の55.7%から今年は85%前後まで上昇すると業界はみている。遮断が基本だった時代は終わり、「どう安全に使うか」が新たな問いとして浮上した。 最高経営責任者がセキュリティ問題をIT部門に任せず、経営課題として自ら引き受けた点も、今回の発表が示すもう一つのシグナルだ。 分かれる見方 2023年のソースコード流出を受けて全社遮断していた外部AIが、3年ぶりに全面導入へと転換した。 楽観論は明快だ。企業向けアカウントで学習未使用を契約で明記し、データ流出をふるい落とす統制装置を重ねれば、リスクは「管理可能」な水準まで下がる。使わない方がむしろ大きなリスクだという認識が、この立場の出発点にある。 ...

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[経済e知識] ニューノーマル、危機後の新たな基準となった経済秩序

金融危機・パンデミック後に登場した新たな経済環境 従来の公式が通用しない時代を説明する重要な用語 ニューノーマル、危機後の新たな基準となる経済秩序(写真=PxHere) 経済環境が急激に変化し、かつては異例と見なされていた現象が新たな基準として定着するケースが増えている。こうした変化を説明する代表的な経済用語がニューノーマル(New Normal)だ。 ニューノーマルとは、経済や社会全般で従来の常識や基準がもはや通用せず、新しい秩序が定着する現象を指す。直訳すれば「新しい標準」である。一時的な変化ではなく、長期間続く構造的な変化を意味する点が特徴だ。 ニューノーマルという表現は、もともと経済学の用語として始まったわけではない。しかし2008年の世界金融危機以降、経済分野で本格的に使われ始めた。金融危機以前は、高成長と潤沢な流動性が世界経済の一般的な姿として認識されていた。 しかし金融危機以後は、低成長・低金利・低い物価上昇率が長期にわたって続き、経済環境そのものが変わった。従来の成長の公式が適用しにくくなると、経済専門家たちはこの新たな経済秩序をニューノーマルと呼ぶようになった。 代表的な事例が低金利時代だ。かつては政策金利が年4〜5%水準の国が多かった。だが世界金融危機後、米国や欧州、日本など主要国は景気刺激のため政策金利を事実上ゼロ水準まで引き下げた。当時は非常事態に伴う一時的措置と評価されたが、数年にわたり続いたことで新たな経済環境として定着した。市場はこれをニューノーマルとして受け止めた。 新型コロナウイルスのパンデミックも、ニューノーマルを生み出した代表的な出来事だ。テレワークやリモート会議、オンラインショッピング、非対面の金融サービスが急速に広がった。感染症危機以前は一部の分野でのみ使われていた方式が、経済活動全体へと拡大した。企業は業務体制を変え、消費者は新たな消費パターンに適応した。社会全体の行動様式が変化し、ニューノーマルという表現が改めて注目された。 産業構造の変化もニューノーマルの一形態と評価される。人工知能(AI)、ビッグデータ、クラウドコンピューティングのようなデジタル技術が、企業競争力の核心要素として浮上した。製造業中心の成長戦略から、データとプラットフォーム中心の経済へと重心が移る現象も、新たな基準の形成として解釈される。 ニューノーマルは投資市場でも頻繁に言及される。投資家は、過去の収益率や従来の景気循環だけでは将来を予測しにくいと判断する際に、ニューノーマルという表現を用いる。金利、物価、為替、産業構造が同時に変化する状況では、投資戦略も当然変わらざるを得ない。そのため市場参加者は、新しい環境に合った判断基準を探すためにニューノーマルの概念を活用する。 ただし、あらゆる変化がニューノーマルとして認められるわけではない。一時的な流行や短期的現象はニューノーマルとは言い難い。相当期間継続し、経済と社会の構造を根本的に変える変化でなければならない。専門家が特定の現象をニューノーマルと評価する際にも、持続可能性と構造的影響力が最も重要な基準となる。 ニューノーマルは、新しい時代の経済秩序を説明する用語である。過去の基準が消えた場所を、新たな基準が埋めていく過程だ。経済や産業、消費と投資の環境を理解するには、どの変化が一時的現象で、どの変化がニューノーマルとして定着しているのかを見分ける視点が必要だ。

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【徹底分析】AIコスト爆発の本当の解決策は「クラウドの外」にあった

企業は人工知能に莫大な資金を投じている。問題は、その大部分が成果として戻ってこないことだ。 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが昨年発表した分析は、業界に波紋を広げた。企業が試みた生成AIのパイロット事業の95%が、損益に測定可能な効果を出せなかったというのだ。 研究チームは公開された導入事例300件を精査し、企業の役員・従業員数百人を調査した。世界の企業が投じた資金は300億~400億ドル、韓国ウォンで約41兆~55兆ウォンに達する。その巨額投資の中で、明確な成果を上げたのはわずか5%だった。 研究チームの診断は通説を外す。失敗の原因はAIモデルの性能ではないというのだ。モデルは十分に賢いが、企業の業務フローに溶け込めず、費用だけを食い尽くす構造が問題だった。賢い道具を高く買い入れても、うまく使えなかったわけだ。 その「費用」の正体を見ていくと、最近浮上した一つの解決策の輪郭が見えてくる。クラウドだけに依存していたAIを、できる限り「自分の端末」側へ引き寄せる戦略だ。 ◆ AIは使うほど金が漏れるのか? AIの利用は大きく2段階に分かれる。膨大なデータでモデルを学習させる「学習」と、学習済みのモデルに実際に質問を投げて答えを得る「推論」だ。人間にたとえるなら、勉強と試験の違いである。企業が日々支払うコストの大半は、この推論段階で発生する。 推論をクラウドに任せると、料金は「トークン」単位で課金される。トークンとは、AIが処理する文字の束を意味する。質問1回、返答1行ごとに料金が積み上がる。数人の社員が使う程度なら小銭のように見える。しかし、数万人の顧客が同時に使い、1つの作業でAIが10回、20回と呼び出される瞬間、請求書は雪だるま式に膨らむ。 価格表そのものにも落とし穴がある。OpenAI、Anthropic、Googleのような巨大AI企業は、現在の推論サービスを原価より安く販売していると分析されている。利用者を集めるための出血競争だ。今の低価格がいつまで続くかは分からないという意味でもある。 速度もまたコストだ。クラウドに質問を送り、答えを受け取るまでには長ければ1~2秒の遅延が生じる。リアルタイム翻訳や音声アシスタントのように即座の反応が必要なサービスでは致命的だ。利用者が集中する時間帯に呼び出し上限に達し、サービスが止まることも少なくない。 ◆ 「クラウドの外」で見つけた解決策 代案として注目されているのが「ローカル優先推論」だ。名前は大げさだが、発想は明快だ。すべてを高いクラウドAIに任せるのではなく、端末や社内サーバーで処理できる簡単な仕事は先にそこで終わらせる。本当に難しく曖昧な仕事だけをクラウドに送るのである。 ローカル優先推論の3段階構造とコスト削減効果。簡単な作業は端末で、難しい作業だけをクラウドAIで処理して費用を抑える。(グラフィック=ソリューションニュース) 効果は実測で確認されている。ある技術メディアに公開された事例では、設計図文書4,700件を処理する際、全体の70~80%を端末内で自動的にふるい分けた。 クラウドAIの力を借りる必要のない、明確な文書だったからだ。その結果、クラウド呼び出し費用は75%、処理時間は55%削減された。判断が難しい文書だけをクラウドに送り、危険な場合は人間が最終確認する設計にして、誤りも抑えた。 この75%という数字には留意点がある。特定の文書処理業務で得られた結果であって、すべてのAI作業にそのまま当てはまる魔法の公式ではない。端末でAIを動かすにはハードウェアを購入する必要があり、システムを設計し管理する人材の時間も必要だ。取引量が少ない企業では、むしろクラウドのほうが安い場合もある。重要なのは「無条件にローカル」ではなく、「仕事の性質に応じて分けて処理する」という判断だ。 こうした流れは、開発者たちの選択からも読み取れる。5月第3週のGitHubで最も急速に人気を集めたプロジェクト10件を見ると、巨大モデルをそのまま呼び出すツールより、端末内で直接動くか、呼び出し回数を減らして費用を節約するツールが目立った。 3件はすべての処理を端末内で完結させる方式で、別の3件はトークン消費そのものを減らすことに重点を置いていた。巨大モデル中心から、その周辺を精緻に磨く方向へ重心が移っている兆しである。 私たちが毎日使うスマートフォンにも、その変化はすでに入り込んでいる。通話翻訳や写真内の文字認識のように即時処理される機能の多くは、インターネットの先のサーバーではなく、手の中の端末で動いている。 ◆ 企業への問い この流れが示すメッセージは明確だ。韓国の中小企業や個人事業者にとって、AI導入の最大の壁は常にコストだった。巨額のクラウド料金を負担できず導入を先送りしたり、パイロット事業だけで終えてしまうケースが多かった。MITが指摘した95%の失敗が他人事ではない理由である。 ローカル優先戦略は、その壁を下げる現実的な道だ。顧客対応の定型質問は端末や自社サーバーで処理し、難しい相談だけを高性能なクラウドAIに任せる形だ。データが社外に出ないため、個人情報保護にも有利である。医療・金融のように機微な情報を扱う分野では、この点はコストに劣らず重い。 ...

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5日で6000億ウォン完売…国民成長ファンド第2弾、9月に登場

配布開始から5日で完売した国民成長ファンドが、第2弾の販売準備に入った。予想を上回る需要に政府が追加供給で応える形となり、早ければ来年9月に第2弾ファンドが登場する見通しだ。 金融委員会は、1次販売に参加した銀行・証券会社から追加供給案について意見を集めている。1次販売の終了後となる11日以降に第2弾の販売計画を示す見込みだ。物量と供給方式が決まれば公募を経て、9月ごろに第2弾ファンドが発売されるとみられる。 1次の人気ぶりは記録的だった。6,000億ウォン規模で登場した国民成長ファンドは、発売初日に物量の87%が消化され、5営業日目となる先月29日に完売した。李億ウォン金融委員長は先月30日、YouTube放送に出演し、第2弾の発売を公式化した。 ◆ 完売を呼んだのは「税金と安全弁」 国民成長ファンドは、加入者に最大40%の所得控除の恩恵を与える。投資で損失が出ても、政府財政がその一部を先に負担する安全弁も設けられている。税制優遇と損失の緩和が組み合わさり、投資家にとってはめったにない条件となった。 ファンドの骨格はこうだ。国民が拠出した6,000億ウォンに政府財政1,200億ウォンを加えて親ファンドを作り、これを10の子ファンドに分けて投資する方式である。集められた資金は先端戦略産業の有望企業へ流れる。国民が未来産業に投資し、その成果を分かち合うという趣旨だ。 株式市場の環境も需要を後押しした。株価指数が急上昇して投資熱が高まる中、政府が税制と財政で支える商品が登場し、資金が急速に集まった。 ◆ 「庶民のファンド」という課題 好調な販売の裏には、公平性をめぐる議論がある。政府は、勤労所得5,000万ウォン以下、または総合所得3,800万ウォン以下の庶民向けに、全体物量の20%を割り当てた。実際の加入者のうち庶民の割合は38.6%で、目標を大きく上回った。 需要は確認されたが、課題も浮かび上がった。税制優遇と財政支援が、結局は余裕資金のある資産家に偏るのではないかという懸念だ。第2弾で庶民向けの割当比率を増やす案が検討されている背景でもある。誰のためのファンドなのかという問いに答える必要があるわけだ。 販売方式の見直しも予想される。1次では銀行窓口の物量は2日で完売した一方、店舗数の少ない証券会社では店頭物量が5日間残った。証券会社のオンライン販売を拡大し、銀行の窓口物量を増やす調整が取り沙汰されている。加入の利便性を高めるため、個人総合資産管理口座(ISA)加入時に提出していた所得確認証明書を、電子的確認に置き換える案も検討されている。 ◆ 速度と財源という変数 第2弾の焦点は、スピードと資金だ。投資を担う子ファンド運用会社を新たに選ぶだけで2、3か月かかる。時間短縮のため、親ファンドはそのままにして子ファンドだけ再選定する案が浮上している。 財源の確保も乗り越えるべき課題だ。1次に投入された政府財政は1,200億ウォンだった。第2弾の物量に必要な財政をどう用意するかで、規模が左右される。追加の所得控除と財政余力を併せて検討し、最終規模が決まる見通しだ。 国民成長ファンドの第2の試験台は、物量を増やすことだけではない。好評の熱気を庶民と未来産業にどうつなげるか、その設計が第2弾の成否を左右する。

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テスラ モデルY 韓国内販売1位…現代自動車・起亜の牙城崩れる

輸入車が現代自動車・起亜の“本拠地”を突き破った。テスラの電気自動車「モデルY」が先月、韓国内で最も多く売れた乗用車となり、国産車が守ってきた販売1位の座が初めて移った。 韓国輸入自動車協会(KAIDA)によると、モデルYは先月8762台が販売された。国産車1位で全体2位の起亜ソレント(7836台)を900台以上上回った。輸入車の単一モデルが国産車を抜いて月間販売1位になるのも、電気自動車が1位を占めるのも初めてだ。 イーロン・マスクのテスラ最高経営責任者(CEO)は現地時間8日、すぐに反応した。ソーシャルメディアXに太極旗の絵文字を添えて「韓国は最高」と記した。現代自動車・起亜の本場で歴史的な瞬間が生まれたという投稿も共有した。今年韓国で売れた輸入車の3台に1台はテスラだという自評も込められていた。 ◆「価格」が生んだ1位 記録の背景には価格がある。モデルYは中国生産分を持ち込み、価格を抑えた。開始価格は4999万ウォンで、そこに補助金が加われば負担はさらに軽くなる。 競争構図そのものが変わった。国産車の代表格であるソレント・ハイブリッドが3896万ウォンから始まる点を踏まえると、電気自動車と内燃機関車の価格差は大きく縮まった。 同じような値段なら、新技術を備えた電気自動車を選ぶ消費者が増えるということだ。テスラが攻撃的な価格戦略で市場に深く切り込んだ結果だという分析が出ている。 1モデルだけの成果でもない。テスラは先月、韓国内で1万866台を販売し、BMWとメルセデス・ベンツを抜いて輸入車ブランド1位に立った。両ドイツブランドの販売を合わせた数より多い規模だ。新規登録された輸入乗用車の3台に1台以上がテスラだった。 ◆揺らぐ本拠地、中国という変数 現代自動車・起亜にとって、本拠地市場の亀裂は痛い。内需で圧倒的優位を享受してきた両社が、今や自国市場で輸入電気自動車の追撃を受けることになった。 注目すべき点は「中国」だ。モデルYの価格競争力は中国生産から生まれた。さらに中国の電気自動車メーカーBYDも国内で3カ月連続で1000台超を売り、存在感を広げている。コストパフォーマンスを前面に出す電気自動車が、韓国消費者の抵抗感を急速に崩している流れだ。 電気自動車への転換期において、価格が勝負を左右するというシグナルでもある。補助金と生産地戦略によって順位が揺れ動く市場で、ブランド忠誠心だけでは地位を守るのは難しくなった。 ◆補助金が剥がれた後が本当の試験台 いまの優位が固定されたわけではない。モデルYの強さは、攻撃的な価格設定と補助金に支えられた面が大きい。補助金が減るか価格政策が変われば、販売曲線も変わり得る。 1カ月の記録がトレンドになるのか、それとも一時的なブームに終わるのかは、価格が正常化した後に見えてくる。明らかなのは、国産車が本拠地で享受してきた無風地帯が消えたという事実だ。現代自動車・起亜が価格と電動化のスピードでどう応戦するかが、次の順位表を左右する。

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[解説]ジェンスン・ファンが目を付けたセマングムAIバレー、なぜ首都圏ではないのか

エヌビディアは現代自動車とともにセマングムのデータセンター協力を検討しており、「韓国のAIバレー」を宣言した。 首都圏の電力網逼迫と再生可能エネルギー条件が立地を押し出し、成否は送電網にかかっている。 エヌビディア、現代自動車とセマングムデータセンター協力を検討(写真=ソリューションニュース) 人工知能(AI)半導体世界1位企業のエヌビディアが、韓国に「AIファクトリー」を建設する案を検討している。ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)は8日、鄭義宣(チョン・ウィソン)現代自動車グループ会長と会い、全北・セマングムのデータセンター建設に参加する意向を示した。ファンCEOはこの場で、セマングムを米シリコンバレーになぞらえ「韓国のAIバレー」と呼んだ。 会談はソウル・良才洞の現代自動車グループ社屋で行われた。鄭会長がセマングム事業への参加を提案し、ファンCEOが応じる形だった。 現代自動車グループはすでに2月、政府・全北特別自治道と協約を結び、セマングムの約34万坪の敷地に9兆ウォンを投資して、ロボット・AI・水素・太陽光施設を建設することにした。エヌビディアが加われば、この敷地は自動運転とロボット研究を支える核心インフラとなる。 注目の焦点は一つに集まる。エヌビディアは、企業と人材が密集するソウル首都圏ではなく、なぜセマングムを選んだのか。答えは「AIファクトリー」という概念と、韓国の電力網の現実にある。 AIファクトリー、データセンターを超えた「AI生産基地」 エヌビディア、現代自動車とセマングムデータセンター協力を検討(写真=エヌビディアコリア) ファンCEOが語ったAIファクトリーは、一般に思い浮かぶデータセンターとは性格が異なる。従来のデータセンターは、情報を保存しやり取りする倉庫に近い。AIファクトリーはそこから一歩進み、AIそのものを生み出す工場に当たる。 たとえば、自動車が工場で部品を組み立てて完成車として出てくるように、AIファクトリーは産業現場の膨大なデータを取り込み、自動運転・ロボット・通信に使うAIモデルへ加工して送り出す。ファンCEOが「自動車が工場で生産されるように、AIもAIファクトリーで生産されるべきだ」と述べた背景だ。 彼が強調した別の表現も同じ文脈にある。「人間はクラウドデータセンターを必要とし、ロボットはAIファクトリーを必要とする。」ロボットが自律的に判断するには、その頭脳に当たるAIを継続的に学習させる工場が必要だという意味だ。 この工場は莫大な電力を消費する。数万個のAI半導体が24時間稼働し、熱を発する。電力を安定的に、しかもできるだけ安く確保できるかが立地を分ける核心変数になる。ちょうどこの点で首都圏が壁となる。 首都圏の電力網逼迫がセマングムを引き寄せた 国内のデータセンターの60%以上が首都圏に集中している。企業・人材・通信網がいずれも近いからだ。 問題は電気だ。データセンターが韓国電力に申請した契約電力は、2020年以前の60メガワット(MW)水準から2023年には3,091MWへと、3年で50倍以上に増えた。首都圏の送配電網はすでに限界に達している。 韓国電力は、首都圏で新たな大型施設を短期間で受け入れるのは難しいと案内している。政府は2024年6月、分散エネルギー活性化特別法を施行し、10MW以上を使うデータセンターに対して電力系統への影響を事前評価させるようにした。首都圏での新設に事実上の制限をかけた措置だ。 首都圏集中は安全問題でもある。2022年の板橋データセンター火災でカカオのサービスが停止した事態が代表例だ。一か所に集中したインフラは災害に脆弱だ。政府がデータセンターの地方分散を促す背景には、電力不足とリスク分散という二つの軸がある。 エヌビディア、現代自動車とセマングムデータセンター協力を検討(写真=エヌビディアコリア) セマングムはこの空白を正確に埋める。土地が広く安い。総面積409平方キロメートルに及ぶ干拓地には、大規模施設を展開する平地が十分にある。 電力も支える。セマングムには2030年までに7GW級の再生可能エネルギー団地が整備される。太陽光と風力でつくった電気を現地で直接使う、いわゆる「地産地消」構造が可能だ。 企業が使う電力を100%再生可能エネルギーで満たすRE100の達成にも有利だ。グローバル企業は炭素規制のため、再エネ調達をますます厳しく見ている。湖南圏は発電量が需要を大きく上回り、電気が余る地域でもある。余剰電力を大規模需要地であるデータセンターが吸収すれば、系統負担も軽減される。 「AIバレー」構想の成否を左右する条件 ファンCEOがセマングムを「AIバレー」と呼んだのは象徴的だ。シリコンバレーが半導体とソフトウェア企業の集積によって生態系を築いた場所だとすれば、セマングムはAI半導体・データセンター・ロボット・自動運転が一堂に集まる拠点を狙う。長く停滞していた干拓地が、未来産業の試金石へと方向を変えたわけだ。 今回の会談は単発の協力ではない。同日、エヌビディアはSK、LG、現代自動車、ネイバー、斗山など国内5社とAIファクトリー協力計画を相次いで発表した。 ...

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AIが500m単位で描いた人口消滅地図、韓国は安全なのか

日本九州大学の研究チームが、人工知能で日本全土を1辺500メートルの格子155万余りに分け、2100年までの人口を予測した。的中率は99%を超えた。 2100年になると、日本の格子の半数以上で人が住まなくなる。人口が増える地域は事実上東京だけで、他の大都市も都心部だけがかろうじて残る。 世帯当たりの人数は2020年の2.26人から2100年には1.39人へ減少し、外国人比率は6%を超える。ひとり暮らし社会、移民社会への移行である。 韓国の2025年の合計特殊出生率は0.80人で、日本(1.15人)より大幅に低い。同じ地図を韓国に描けば、消滅の時計はさらに速く進む。 人工知能が100年後の人口地図を描いた。日本全土を縦横500メートルの小さな区画155万余りに細かく分け、その各区画に2100年まで何人が住むことになるのかを計算したのだ。日本の九州大学研究チームが今年3月、国際学術誌に発表した結果である。 方法は新鮮だが、原理は難しくない。研究チームは、日本政府が1995年から5年ごとに蓄積してきた格子別人口データに、「ディープラーニング」という人工知能技術を組み合わせた。 ディープラーニングは、人間が規則を一つひとつ入力しなくても、膨大なデータを自ら学習して隠れた流れを見つけ出す方式だ。ここに夜間の衛星画像による灯りのデータも加えた。灯りが明るいほど、人と経済活動が集まる場所だという点を手がかりにした。 予測の作動原理図(出典= Workflows of long-term grid-level prediction) 未来を占うモデルが信頼できるかどうかは、過去をたどる方法で検証した。すでに答えが出ている昔の人口データをモデルに当てさせたところ、的中率は99%を超えた。結果は日本政府の公式人口推計とも大枠で一致した。AIが示した未来地図が、荒唐無稽な空想ではないという意味だ。 これまでの人口予測は、国全体や行政区画単位の大きな数字を先に決めてから、それを細かく分ける方式だった。地域ごとに異なる事情は見落とされがちだった。 今回の研究は逆に、小さな区画一つひとつの変化を先に計算し、それを集めて全国像を描いた。町内単位の微細な違いまで捉えるという点で、性格が異なる。 ◆ AIが描いた日本の2100年 地図が示した未来は、鮮明で過酷だ。日本の人口は2055年ごろに1億人を下回り、2070年には9000万人台へ減少し、世紀末に至ってようやく緩やかに下げ止まり、小幅に反発する。80年にわたって、一つの世代が丸ごと消える規模だ。 さらに衝撃的なのは、「どこに」人が残るのかという点だ。モデルは2100年までに、日本全体の格子の半数以上が、まったく人の住まない空白地へ変わると見込んだ。 人口が増える地域は、事実上東京一極のみである。大阪・名古屋・札幌などの大都市でさえ、郊外から先に空き、都心だけがかろうじて持ちこたえる。地方の若者が仕事を求めて大都市へ移り、その大都市の人々までもが、結局は東京へ吸い寄せられていく流れだ。 日本全土の人口分布地図(出典=Spatial distribution of TOTAL ...

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[解説] データセンターの次は通信網、ジェンスン・フアンが目をつけた「AI RAN」とは何か

国内株式市場で、あまりなじみのない無線通信機器業種が連日強さを見せている。半年もたたないうちに株価が2倍になった銘柄が相次いでいる。ところが、これらの企業が何を作っているのか、なぜ注目されているのかはあまり知られていない。 建物の屋上に設置された移動通信基地局。無線通信機器企業は通信網構築に必要なアンテナやフィルター、光通信部品などを供給する。 ◆ 無線通信機器株、通信網の骨格をつくる企業 無線通信機器とは、携帯電話の電波が行き来する道を敷く装置だ。通話や動画視聴の際、信号は各地に立てられた基地局を通る。基地局は携帯電話と通信網をつなぐ中継拠点だ。 基地局を構成する部品や装置を作る企業が、無線通信機器株として分類される。信号を送受信するアンテナ、雑音を取り除くフィルター、信号をより遠くまで送るため出力を高める電力部品が代表例だ。建物内通信をつなぐ中継装置、光で信号を運ぶ光部品もこの領域に含まれる。 これらの売上は、通信会社がネットワークにどれだけ資金を投じるかに左右される。通信会社が新しい基地局を設置すれば装置の発注が増え、投資を止めれば仕事は枯れる。業種株が通信投資サイクルに応じて揺れ動く構造的な理由だ。 ◆ AI RAN、基地局に知能を入れる技術 エヌビディアCEOジェンスン・フアン 最近、この業種を押し上げた鍵の言葉がAI RANだ。無線アクセスネットワーク(RAN)とは、基地局とアンテナで構成される通信網の最も外側の領域を指す。ここに人工知能を加えたものがAI RANだ。 従来の基地局は、あらかじめ決められたルール通りにしか信号を処理できなかった。AI RANはネットワークの状況を自ら読み取り、トラフィックを調整する。人が集中する時間帯に資源を自動で配分し、電力の無駄も減らす。つまり、通信網が一段と賢くなるわけだ。 エヌビディアがこの技術を次世代の成長軸と位置づけたことで、流れが大きくなった。人工知能の演算に使われるエヌビディアのグラフィックス処理装置(GPU)を基地局にも入れるという構想だ。 データセンターで稼いだ収益を通信網へ広げようとする戦略である。エヌビディアが市場を開けば、通信会社は新しい装置へ投資せざるを得ず、その恩恵が部品・装置企業へ流れるという期待が形成された。 ◆ 3つの追い風が重なった 期待が株価に変わった背景には時期があった。性格の異なる好材料が同じタイミングで重なったのだ。 米連邦通信委員会(FCC)は2日(現地時間)、周波数競売を再開した。競売権限を取り戻してから初めてのことだ。最大800MHz規模の周波数が追加で放出される可能性がある。新たに周波数を確保した通信会社は、それに見合う装置を設置しなければならない。大規模設備投資の予告編といえる。 米国がファーウェイをはじめとする中国製通信機器を締め出す流れも、国内企業にはチャンスだ。中国製装置が抜けた空白を埋める供給先として韓国企業が挙がっている。ここにエヌビディア発のAI RANへの期待まで重なり、市場は新たな通信投資サイクルの出発点と受け止めた。 株価の反応は速かった。業種の代表銘柄は短期間で年初来70~140%急騰した。中には1日で20%超上昇したものもある。業種全体が沸き立った背景だ。 ...

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